読書まとめ『トヨタの日常管理板』→記録して考えさせ、組織を強くする仕組み
『トヨタの日常管理板 チームを1枚!で動かす』(株)OJTソリューションズ
一言でいうと
記録して考えさせ、組織を強くする仕組み
どんな人にオススメしたいか
・マネージャー、リーダーなど、チームを運営する立場の人
・部下の業務進捗が自分の想定と合わなくて困っている人
・自己管理が趣味の人
※メンバー向けの本ではない。最初の1ページは「突然ですが、マネージャー、リーダーの皆さんに質問です。」とだけ大きな文字で書かれており、マネージャー、リーダー向けであることが明示されている。
概要
『トヨタの片づけ』などのトヨタ系ビジネス書を出版しているコンサル会社の新刊。私はトヨタ的カイゼンと自己管理が大好物なので、本屋で見つけて即買いした。
トヨタの現場で使われている「日常管理板」を、詳しく紹介している。「日常管理板」の役割は、会社方針と現場目標の紐づけ、カイゼン効果や施策の現状の視える化、コミュニケーションのきっかけなど。また、非製造業や、テレワークの職場に活用するための方法も押さえている。
ひととおり読んでみて、自分の仕事にどうやって取り入れるか試行錯誤している。板にふせんを貼るような感覚で管理板を作って1週間ほど運用してみたが、タスクだらけでカオスになっている。(イメージ図↓)
メンバーにも公開予定だったが、こんな状態だと混乱を招くだけなのでサスペンド。定量的に数字を取ってグラフ化するとか、本に書いてあることをまずは模倣して再作成してみようと思う。
現状でできるアウトプットとして、チームをまとめていく上で印象に残ったポイントを3つ紹介したい。
① SDCAサイクルを回すのが日常管理(237P)
・S=Standardization=標準化。日常管理では、まず標準を決めて、それを実行・検証・改善していく。
・日常管理は、正常な状態を維持する活動。現在起きている問題を中心に扱うので、大きな変化への対応や、未来の目標達成には直接関わるわけではない。
・未来の目標達成を目指すのは方針管理で、PDCAサイクルを使う。目標達成のための基礎を作るのが日常管理で、方針管理とは両輪の関係。
・方針を決めるときにも日常管理板が役立つ。日常管理の中で発生した問題をストックしておき、優先度をつけて方針に落としていく。
② 日常管理板を使った問いかけが重要(64P)
・日常管理板をメンバーに記入させることで振り返りの習慣化にはなるが、そのままでは問題解決にはつながらない。
・マネージャーが「なぜなぜ」を問いかけることで、メンバーに考えさせることが重要。発生した問題に対して「ひとり想定問答」をして解決できるようになるためのトレーニング。
・自律的に問題解決ができる人材を育てることで、皆で問題解決の成果を上げられる、やりがいのある職場・強い組織になっていく。
③ ボトムアップは自然には生まれない(195P)
・新しい仕組みを定着させるには、トップの本気・執念が必要。日常管理板がトヨタで定着した背景にも、部長が現場に出て説明したり進捗確認したりした歴史がある。
・メンバーが自律的に考えてボトムアップで改善案を出してもらうためには、それを促すマネジメントが必要。
・小さなこともおろそかにせず、考えさせて成功体験を積ませる。マネージャーがフィードバック・評価・感謝して、好循環を作る。
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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。