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読書まとめ『超ChatGPT時短術』→言語化スキルでAIも動かす

『柳谷智宣の超ChatGPT時短術』柳谷 智宣


一言で言うと

言語化スキルで AI も動かす



概要

世を騒がす ChatGPT、ちょっと学んでおこうかなと思って読んでみました。仕事で Google Apps Script をちょっと使わなければいけないシーンがあり、そんなに詳しくはないので ChatGPT に聞きながらマクロを書いたりしてます。

日進月歩の分野を書籍で学ぶのは合理的ではないのは承知しています。本書においても「校了後にサービス名が変わっちゃったから、読み替えてね☆」といった但し書きがあります。11月に GPT-4 Turbo がリリースされたり、有料版の新規受付が一時停止されたり、この分野は特に最新情報を追い続ける必要があります。

ただ、細かな技術仕様やサービス名が変わったとしても、根幹の考え方は変わらないはずです。そういった部分については、やはり書籍で体系立った学びを得たいと考えています。我ながらオールドタイプな考え方だとは思うので、それこそ AI を活用してアップデートしたいところですが。


本書では、ChatGPT と、画像生成 AI の Midjourney の使い方が紹介されています。無料の GPT-3.5 でも試せる内容が豊富に紹介されており、そのまま使えそうなプロンプトも掲載されています。

GPT-4 と Midjourney は有料サービスです。それらを使ったテクニックはすぐには試せませんが、有料版を購入するかどうかの判断材料になります。


本書からの抽象的な学びとしては、人間がやっているプロセスを言語化できれば、AI でも対応できる、ということが挙げられます。

そのため、行動や感情を言語化するスキルが今まで以上に重要になります。たとえば、Google スプレッドシートで実現したいことや、作ってほしい画像のイメージがあっても、それを ChatGPT が理解できるように言語化・説明するのは意外と難しいんですよね。もちろん対人関係においても言語化は重要なスキルですが、身振り手振りや表情、声のトーンといった情報で補うことができます。一方、AI とのコミュニケーションにおいては言語以外の情報で補うことができないため、言語化の重要性はさらに高まる考えられます。


以下、生成 AI を使いこなすために、本書からの具体的な学びを3つ共有します。




① プロンプト作りはトライ&エラーで

冒頭の「AI、7つのコツ」と、具体的なプロンプトを読み進めていくと、プロンプトの作り方の勘所が見えてきます。

https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/032900009/083100406/

ただ、望む出力を得られるプロンプトを一発で作るのは至難の業。掲載されているプロンプトも、筆者が試行錯誤の上で作り上げたものだそうです。AI に考えさせたり、トライ&エラーを繰り返したりしながら、徐々に完成度を高めていくものだと認識しましょう。

本書では、あえてワガママな条件をつけてみることがオススメされていました。AI が取りうる出力は無限なので、一見厳しいような条件をつけた方が、より具体的なアウトプットになるようです。このあたりは対人とは逆の考え方が必要かもしれません。


② あえて遠回りして、なりきり度を高める

「キャラや業務、役割を規定せよ」の項目の実現には、著名人になりきって回答させることが有効です。「これを読んだ池上 彰さんが質問してくる内容を10個考えて」といったやりとりをしておくと、深掘りしやすくなります。自分が質問をする側でも受ける側でも役に立ちますね。

「なりきり」でのやりとりをさせる際、なりきる対象の特徴を答えさせると、精度が高まるそうです。先ほどの例だと、事前に「池上 彰さんがする質問の特徴を教えて」というやりとりを挟む感じですね。特徴を考えさせるターンと、その特徴を踏まえて質問させるターンとで、思考の過程を2ターンに分けることで、より精度の高い回答になるのだと考えられます。質問への回答がピリッとしないときは、一度のやりとりでたくさんの処理をさせていないか、見直してみるとよさそうです。

③ どんな枠組みで考えるか、から聞いてよい

ChatGPT は、思考の壁打ちにも適しています。本書では、新規事業のアイデアやキャッチコピーなどを考えるプロンプトを使って、筆者が経営する店舗を例にしたやりとりが掲載されています。人が集まってブレストなどを行うのもいいですが、コストが高くついたり意見が偏ったりしがちなので、AI 相手にブレストを行うのは理に適っているといえますね。

思考のフレームワークは、世の中に多数存在します。それらのフレームワークを使いこなすには、存在を認知すること、使い方を知ること、どんなシチュエーションで何が有効なのかを把握することなどが必要になってきます。

シチュエーションに適切なフレームワークがわからなくても使えるのが ChatGPT の強みだと思いました。例えば、「新規事業を検討するときのフレームワークを5個教えて」→「○○法で、以下の#要素を持つ新規事業を分析して」といった流れで、フレームワークの選択肢を用意させることができます。試したフレームワークが的を射ていなかったら、次々と他のフレームワークも試せるので、思わぬアイデアに行きつく可能性も高まるでしょう。



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