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【Museum⑯】城西大学水田記念博物館大石化石ギャラリー@麹町

退職に伴う有給消化期間の楽しみとして、
都内の博物館・美術館を巡ってみることにしました。

気になっていた「ぐるっとパス2024」を購入したので、
その対象館が中心となります。


第16回:城西大学水田記念博物館大石化石ギャラリー

城西大学紀尾井町キャンパスにある、
古生物の化石を多数展示しているギャラリー

名前がやたらと長いですが、
「水田」は城西大学創始者である水田三喜男氏、
「大石」は化石の寄託者である大石道夫氏から
取っているようです。

ぐるっとパスの対象施設ではないですが、
常時入館無料 
です。

いつか行ってみたいと思っていたところで、
美原さつき さんの投稿を見て今夏の訪問を決めました。


最寄り駅は、永田町駅・半蔵門駅・麴町駅。

どの駅からも徒歩 5分と、アクセスしやすい好立地です。

が、今回は新宿歴史博物館から徒歩で向かっており、
駅でいうと JR四ツ谷駅から行った形です。


ギャラリーがあるのは 3号棟で、
これは北側(半蔵門駅・麴町駅方面) からの写真。


木が突き抜けてる、オシャレな玄関。

北側から入った場合は、
エレベーターで地下1F に降りる必要があります。


落ち着いた雰囲気の入口。

ちょっとした物販があったり、
体験プログラムがあったりします。


展示

展示されている化石は、魚類が中心

全景は上の写真の通りで、それほど広くはありません。

といっても、生命史における水中の歴史は長いので、
様々な魚類が展示されています。


このギャラリーの特徴は、
クリーニングのクオリティがハンパないこと。

硬い装甲を持つ、ボトリオレピス

装甲の模様までくっきりわかります。


こちらは、ウロコの質感がくっきりと残っています。

手触りが伝わってきそうな精細さ。


また、立体感がわかる化石が多いのも特徴だと感じました。

化石というと、平べったく潰されたような
イメージがありましたが、ここの化石は
「立体的な生物」を感じられる化石が多いです。


口が開いてる立体の化石なんて、
他ではなかなか見られないんじゃないかと。


カメ(セアラケリス) の甲羅の立体感をご覧あれ。

まさにマリオカートで投げられてるヤツ。

この立体感は、図鑑や画像からは感じることが難しい、
現地・現物の強みだと言えるでしょう。


メソサウルス。

陸上生活を経験してから水中に戻った生物だそうです。

この化石は、子どもの手が届かない高い位置に、
ケースから剥き出しの状態で展示されています。

ケース越しでないだけで、臨場感が違います。


ソルビニクティス。

熱帯魚系のフォルムの古代魚って、
あんまり見かけない気がしますよね。


左右で一個体の化石だと思われますが、
左が凹、右が凸になっています。

デスマスクと本体が両方残っている、
みたいな状態です。

あまり見たことのない、
おもしろい展示スタイルです。


食べたものが消化されていない状態で化石化した例です。

いうなれば、化石 in 化石。

こういった化石が、
古生物の生態を知る重要な手掛かりになっています。

身体構造が二重になるので、クリーニングも大変そう。


シーラカンスの一種、ワイティア・オオイシイ

2016年に新種として報告され、
学名は本館の寄贈元でもある
大石氏の名前からつけられました。

オオイシイ in 大石ギャラリー です。

美味しいのかは不明。

日本人由来の学名といえば、
ササヤマミロス・カワイイ がいましたね。


ガンギエイ目サカタザメ。

茶色の照り感も相まって、
炙ったエイヒレが食べたくなりますね。

スマホの写真アプリでも、
食べ物として分類されてました。


ガンギエイ目キクロバティス。

放射状に伸びる骨の一本一本が
キレイに掘り出されています。

後光がさしてるみたい。


カライワシ目ダヴィクティス。

骨とヒレがよく見えます。

焼き魚をキレイに食べられない私は、
ただただ敬服するばかりです。


ヘリコプリオンの螺旋の歯。

こんな形状の歯がどこについていたかというと、
螺旋の内側は体内に埋没していたようです。


魚類だけでなく、トンボなどの昆虫や
植物の化石
もあります。

こちらも芸術品のような美麗さ。

現生のトンボと同じなら、
化石になる前も翅が透けていたわけで、
それがそのまま化石化して発掘されているなんて、
奇跡のような確率では。


ギャラリーの外の階段には、
ティラノサウルスの仲間の全身骨格化石があります。

中国の博物館から寄贈されたものだそうです。


魚類のスケール感に慣れてから見ると、
恐竜がより一層巨大に感じられます。


ティラノサウルスの左前足の方向に
建物外に出る階段があり、
ちょうど学生さんたちがドラマの撮影をしていました。

スタッフがたくさんいたり、
釣り竿みたいなマイクを使ってたり、
けっこう本格的でした。


その他写真

途中通った JR四ツ谷駅の改札外には、
江戸城外堀史跡展示広場 
がありました。

https://www.jreast.co.jp/press/2020/tokyo/20200624_to01.pdf


その名の通り、江戸城外堀と鉄道についての展示があります。

明治時代、江戸城の外堀に甲武鉄道が敷設され、
四ツ谷や牛込など見附のあったところに駅が設置されました。


谷底に中央本線が走っている様子がよく見えます。

電車に乗っているとあまり感じませんが、
上から見ると結構な高低差がある谷を走ってますね。


四ツ谷駅から南方向に真田濠があり、
東側の土塁の上が遊歩道になっています。

この遊歩道を通って、
四ツ谷駅から化石ギャラリーに向かいました。


都心にいることを忘れさせる、大きな松。

他より一段高い土塁にいるので、
空が広くて開放感があります。


真田濠は、上智大学のグラウンドになっています。

遠くに見えているトンネルは、
中央本線ではなく丸ノ内線のもののようです。

堀の途中からトンネルで突き抜けていく感じがイイ。


おわりに

博物館というよりは、
美術館に近い
と思いました。

古生物史の研究成果はよくわからなくても、
美麗にクリーニングされた化石に
心を奪われること間違いなし。

魚類の化石の充実っぷりは圧巻で、
立体感を味わえる化石が多いのも
珍しいのではと思います。


一方で、キャプションのない展示も多く、
古生代の全期間・陸海空をカバーしているわけではないです。

古生物史を俯瞰したい場合は、
やはり天下の国立科学博物館がよさそうです。


と言い訳をしてるくらい、
知識不足で浅い感想
しか書けていませんね…

冒頭でも紹介した 美原さつき さんの投稿では、
専門的な視点での感想が述べられています。

そちらをご覧になると、
本館により一層行きたくなると思いますのでぜひ。


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