【Museum⑮】新宿歴史博物館@四谷三丁目
退職に伴う有給消化期間の楽しみとして、
都内の博物館・美術館を巡ってみることにしました。
気になっていた「ぐるっとパス2024」を購入したので、
その対象館が中心となります。
第15回:新宿歴史博物館
https://www.regasu-shinjuku.or.jp/rekihaku/
東京ド真ん中、新宿区立の歴史博物館です。
ぐるっとパスの対象施設で、
一般 300円 → 無料になりました。
最寄り駅は東京メトロ丸ノ内線の四谷三丁目駅。
四谷三丁目駅から甲州街道を東進し、
博物館に向かう小道を左折すると、
ゆかりの品々をあしらったマンホールが
テンションを上げてくれます。
なお、JR・東京メトロ南北線 四ツ谷駅、
都営新宿線 曙橋駅からもアクセス可能ですが、
どの駅からも微妙に遠い、奥まったエリアにあります。
所蔵資料展
9/8 まで、所蔵資料展
「いろいろなモノ これは何でしょう」
が開催されています。
私の地元の公立博物館でも毎年開催している、
ちょっと昔の暮らしを見てみよう、
的な企画展ですね。
むかしむかし、学校に黒板があったころ…
今は黒板もチョークも、
普通に使われてはいないんですね。
黒板消しを引き戸の上にセットしておくイタズラも
廃れていくと思うと、なんだか切ない気持ちになります。
昭和時代?の竹の棒、2点。
布団たたきに使われたようです、
と説明がありました。
なんの用途か確信の持てないものを
展示しているのが笑えます。
今って、なんでもプラスチックになりましたよね。
竹の棒の背後で「しょうどうたくん」がつぶやいているとおり、
昔は木の箱がいろいろ使われていたし、
他にも紙、ガラスビン、金属缶など、
多様な素材が使われていました。
今はほとんどがプラスチック製品に置き換わり、
素材の多様性が失われ、石油依存が高まっています。
たしかにプラスチックは万能な素材ではありますが、
いろいろな素材の手触りやよさに触れる機会が
失われていくのも悲しいことです。
多様な素材に触れる機会を提供するのも、
今後の博物館の役割として期待しちゃいます。
昭和初期の薬の広告。
効能や服用法が細かく書いてあるのと、
副作用絶無とか強烈無比とか
パンチの強い単語が並んでます。
今の広告って、もっとふわっとしている気がしますね。
孤島の地図シリーズ。
島だけがぽつんと描かれているのがシュールです。
常設展
縄文時代から現代に至るまでの
新宿区の歴史が展示されています。
ホームページからもダウンロードできる展示解説シートは、
結構なボリュームがあります。
17世紀ごろに作られた、竪坑から広がる地下室。
こんな地下神殿みたいなモノを
江戸時代に作っていたとは。
発掘された江戸時代の食器。
200年近くも昔のはずですが、
現代とほとんど変わらないんですね。
茶碗の底に DAISO のシールとか
貼ってあっても違和感なさそう。
脇差を模した、隠し小銭入れ。
海外を旅行するときは、お金を分けて身に着けておけ、
なんて言われますが、それと近い考え方ですね。
平和な江戸時代とはいえ、
小銭を隠しておくくらいの自衛は必要だったようです。
まじめな展示物の途中で笑わせにくる、
小泉八雲の手紙。
日本に帰化した後、
新宿区に住んでいたそうです。
小泉八雲をはじめ、
坪内逍遙、尾崎紅葉、夏目漱石らが
新宿区ゆかりの文豪として紹介されています。
銀座・新宿・浅草の通行人を調査したグラフ。
土地柄によって、通行人の属性にも
大きな違いがあることを示しています。
今だったら、3地点とも外国人旅行者が多い気がしますね。
市電の乗り換え切符には、
路線図がビッチリと書かれています。
市電網がこんなに張り巡らされていたんですね。
あと、終電が23時半と、意外と遅め。
荻窪在住・新宿の銀行に勤務する S さんの日記。
雑誌「キング」が広く楽しまれていた、
という主旨の展示ですが、
当時の人々の生活を生々しく覗ける資料は
見ていてドキドキします。
これに似た感情を、江草 令 さんが
わかりやすく言語化されていたので紹介。
展示室を出たロビーには、
新宿駅周辺のミニチュアがあります。
手前の緑地が新宿御苑ですね。
私はこういうのをしばらく眺めていられるタイプ。
その他写真
四谷三丁目駅そばには、消防博物館があります。
入場無料ながら、ビルの 7フロアを使った
しっかり目の博物館のようです。
ビル内にヘリコプターが展示されている謎空間。
今回は時間の都合でスルーしましたが、
ここは長女を連れて来たいですね。
おわりに
千葉県民の私には
あまりなじみのない新宿区ですが、
十分楽しめました。
甲州街道の要所として栄えたことと、
今の新宿駅周辺の「大都会」なイメージ
とがつながりました。
土地勘がある人だったら、
もっと楽しめると思います。
なお、常設展示には
戦後に関する展示はほとんどありません。
今回の訪問時は、
特別展で戦後のモノが展示されていたので、
常設展示と合わせて歴史を俯瞰できる
バランスに仕上がっていました。
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