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留学後の転職活動で失敗する人が多い理由

留学後に転職活動をする人は多いですね。

特に社会人の方は退職して留学する人がほとんどです。私もそうでした。
しかし帰国後に転職活動をしている人にお話を伺うと、どうもうまくいっていない人が多いことに気づきました。

大抵の人が「留学経験を転職に活かしたい」「英語を使って仕事がしたい」と考えています。
今回はそうした人たちがうまくいかない理由について考えてみました。

当社の中途採用で気づいたこと。

当社(株式会社アナザーストーリー)で中途採用をしていたときのことです。留学カウンセラーの募集は留学経験が必須条件なので、もちろん応募者は皆さん留学経験者です。

2,3週間で応募者は何十名という人数に達しました。

しかし残念ながらその大半の方が書類選考で不合格。

採用担当者としては「なるべく多くの方に会いたい」と考えていました。
その時に私が不採用にした理由は、実は海外留学経験者が転職でうまくいかない理由そのものといえます。
その理由を大きく3つにまとめました。

転職で失敗する理由その① そもそも英語力が足りない

留学をすれば当然英語力は高められます。
しかし仕事で英語を使う職場である場合には、相応の英語力が求められます。
会社や業務によっても求められる英語力は異なりますが、少なくともTOEICで700~800点は大前提。
上記のTOEICスコアに加えて会話力も求められます。

「初心者だった私が海外留学をしてTOEIC650点をとれたから外資系企業で働きたい!」といっても、現実はそれほど甘くはありません。
日本国内でTOEIC700点もあれば英語上級者と呼ばれるかもしれませんが、世界基準で見ればまだ「英語初心者」の域を脱していません。


初心者であれば、朝から夕方まで授業を行うフィリピン留学であっても最低半年は留学しないといけないでしょうし、授業の少ない欧米留学ならなおさら。

では留学で英語力を高められなかったから諦めるのかというとそうではありません。採用担当者からすれば英語力を高めた要因が留学であろうが自主学習であろうが何でもいいのです

帰国後も参考書やオンライン英会話を活用して学べば良いと思います。

転職で失敗する理由その② 英語が出来れば転職に成功する、という勘違い

よく誤解されていることですが、英語教師や通訳でも無い限り「英語そのものが仕事」というのはありません。

ですから英語+αが重要なのです。


例えば海外営業の仕事なら「英語力」だけでなく「営業力」「商品知識」「マーケティングスキル」「コミュニケーション力」も必要です。
最も重要なのは英語ではなく「仕事のスキル」です。

私達の採用活動でも同じですが、履歴書や職務経歴書を見ると大して業務経験がなかったり、社会人1,2年目でまだロクに研修期間も終えていないうちに転職活動をする人が非常に多いです。
「英語は多少出来るが、仕事はまだあまり出来ない」という人たちです。


少々ドライに言い換えるなら「英語しか出来ない人」なので人事担当者からは当然高く評価されません。

雇う側からしても「英語ができれば誰でもOK」ではないからです。
新卒採用と同じようにその人の人柄やモチベーションくらいでしか評価出来ないため、「中途の即戦力」という待遇はまず受けられないのが実情です。

もう一つ付け加えるならワーキングホリデーの職務経験はオフィスワークの転職ではほとんど評価されません。
なぜならワーホリの仕事の大半がサービス職(飲食業や販売業)またはファームジョブ(農作業)なので、その経験がダイレクトにオフィスワークで活かせることは稀です。
20代後半や30代前半であれば、同年代の人たちと比較された時にかえって不利になることもあるでしょう。

転職で失敗する理由その③ キャリア・経歴に一貫性が無い

転職活動で留学経験をアピールするなら海外での経験や語学スキルを売り込むことになるでしょう。
内容次第では自分自身を強く売り込むための好材料となります。

その点で言えば、履歴書と職務経歴書に書かれていることと、面接で話していることに一貫性がない人は注意が必要です。
私が面接した人の中には、「以前は●●の仕事をしていましたが、自分のやりたいことを実現するために一年前フィリピン留学に行きました!」と話しているのに、その1年後も同じ職場で同じ仕事をしている人がいます。

「小さい頃からこの仕事に就くのが憧れでした!」と話しているのに「じゃあ何で新卒の時にチャレンジせず29歳になってから始めようとしてるの?」と疑問になった方もいました…。

私はリクルートの求人広告の営業を長年経験していますが、基本的に日本の新卒採用は「ポテンシャルと人間性」、中途採用は「経歴と仕事力と人間性」が重視されます。


あえて厳しい言い方をするならば、学生ならまだしもアラサーに近い年齢になって「興味があります!」「やる気はあります!」だけでは勝負になりません。

「学生時代から●●の仕事に興味がありました。最初の仕事では○○について取り組みましたが、そのスキルを海外でも幅広く活かせるように半年間フィリピン留学へ行き、日常英会話を習得しました。TOEICは870点あります。今後は●●の事業で海外展開している貴社でこれまでのスキルと英語を活かしたいと考えています!」

これくらいのアピールが出来るようになるといいですね!

最後に 留学しただけで評価される時代はとっくに終わった

昔は海外留学経験があるだけで様々な企業から手厚く迎え入れられました。
それが今ではLCCや格安宿泊予約サイトの台頭により安く海外に行けて、誰でも簡単に留学出来るようになりました。
つまりもう「留学をしただけで評価される時代ではない」のです。
今回紹介した「英語力」「職務スキル」「キャリアの一貫性」でアピールできるように、身のある留学をしていただければと思います。

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