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「うっせぇわ」が言えなかった21卒の心の内【2021年総括】

12月末のこの時期、スタバでノートを広げて1年を振り返るこの時間、割と好きです。

新卒で働き始めて8ヶ月。嫌いなものがよく分かった1年。こんなに嫌いなものに囲まれる経験、人生で初めてだった。

2021年大ヒットしたAdoの「うっせぇわ」を分析した現代ビジネスの記事に、こんな一節があり、冷たくもこの断絶を身にしみて感じている。

「うっせぇわ」が描いているのは、大人への断念であり、実際には語られることのない本音である。言うなれば、飲み会で年長者と談笑した翌日に辞表を出す若者の内面だ。事が起こったときにはそれは終わっている。コミュニケーションは必要とされない。

独特な文化の中で、”旅行者”気分だった1年目

12月24日にて、仕事納め。最後にオフィスに行ってから5日が経つ今、毎日あのどろっとしたオフィスに行っていた日のことを1ヶ月前のことみたいに思い出している。信じられない生活をしていたなと思う。汚い。薄汚れている。欲望と惰性と無思考が渦巻いている。非人間的な生活に辟易した私と、そんな私を「まだあまちゃんだ」などという顔で(多分、そういう顔をしていた)見てくる上司たち。

私の職場はホワイトとは到底言えない、かといって「ブラックだ!」と声を上げるにはグレーがかっているオフホワイト企業。実質、みなし以上の残業代が出ないことを考えると、普通にコンプラ違反だろ、それブラックだろ、と言われかねないので、見る人によっては普通にオフホワイトではないかもしれない。「成長」という言葉が大好きな社風なので、時間外労働のことを人は「自己研鑽」と呼んでいる。自虐なのかガチなのか、もはや分からない。

独特な文化と数多くの不思議な規則が蔓延っている。具体的に話すと会社を特定されてしまいそうなほど、気持ち悪いほどに独特。

上司との1on1(ほぼ上司の話を聞く時間なので、厳密には1on1とは言えないのだけど)で話したことは、パーソナルなことも含め、不思議なことに翌日にはほとんどの同僚が把握している。新人だから食べ物を取り分けろ、新人だから掃除しろ、と何かに付けて新人に雑用を任せることが美とされている。

「今私は海外旅行中なんだ…たとえば、そうだ。キルギスに行ったと思おう。キルギス人の文化や風習に対して不満をこぼすだろうか?そんな失敬なことはできないはず。この会社にいる限りは、この独特な文化を受け入れ順応しよう」

オフィスのドアをくぐる前、日本のパスポートを持って搭乗ゲートを通過する自分を想像した。この先、私はトラベラーなのだと思うことで、なんとか違和感と向き合ってきた。

自分の選択を正解にする努力ができなかった

こんなにも開かれた世界にいて、こんなにも可能性に満ち溢れた世界にいて、どうしてカッスカスなサイトを生み出すことに全身全霊な人たちがこんなにたくさんいるのか(私の会社はWebサイトの制作をしている)およそ理解が及ばない。みんな、制作物のためではなく、自分が生きていること・何者かであることの証明として、死にものぐるいで働いているようにしか思えない。「頑張っている」自分に陶酔すること、そんな自分を上司に認められることで、自分の選択を正当化している。言い方が少しきつすぎるかもしれない。でも、これが真実だろうと思う、私含め。だって、私達が生み出すものが、この世のためになっているとは到底思えないから。

「なんの役にも立たない」と知りながら、無理くり意味づけをして鼓舞しようというあの雰囲気がとっても嫌いだ。

そしてこんな”真っ当な”考えを持っている私が、この組織にいて成長したり認められたり自信を持って発言できるわけがない。俯瞰し、周りを嘲笑し、自分だけはシステムを分かっていると自惚れている。ほんとにダサすぎる笑

本当にダサい。就活中、もっと企業分析すれば良かった。インターンしたり社員に相談したりして、ミスマッチが起きない努力をするべきだった。入社後、ここで頑張るのだと決心したのなら、それを貫き通すべきだった。自分の選択を正解にする努力をすべきだった。でもそれができなかった私自身にこそ、問題があるんだ。

2022年、「働くこと」とどう向き合えばいいのか、迷った先の計画

現状を憂いてばかりな社会人にだけはなりたくなかった。会社への不満を吐き出す社会人にだけは、なりたくなかった。上司や会社への失望より、自分への失望が強い。というか、自責と自己嫌悪しかないのだ。だって、どんな理由であれ、置かれた場所で頑張ろうと腹を据えている人は真っ当だと思うから。

私が腹を据えて頑張れることは、なんだろう。そう考えたとき、コレしかないと思ったのが、「日本脱出計画」。2022年、日本から脱出します。海外に行くことが必ずしも解決につながるわけではないけれど、昔からの夢を追いかけたい。こうやって誰が読んでいるかも分からないnoteに愚痴や言い訳を並べる日々を終わらせたい。思い出すだけで身の毛がよだつようなオフィスに通う日々を終わらせたい。

この8ヶ月間の私の仕事への向き合い方には、正直反省することが多い。中途半端な覚悟だったことを悔いている。でも、「うっせぇわ」の声を挙げられなかったことに関しては、私を含め、どの若者も責められるべきではないと強く思う。日々、電車に乗って会社に足を運び、理不尽と隣合わせでちゃんとやるべきことを全うしているだけで、どれだけの労力がかかるか。苦しいときは声を挙げなくていいから、逃げ道を探そう、と声を大にして言いたいです。

さて、私は「うっせぇわ」と心の中で毒づき続けるくらいなら、このエネルギーを他の可能性に向けたいという気持ちが高まっています。そんなわけで、3月に退職、6月から働き出す計画で、動き出します。いや、どんなわけよ、って感じですが、この計画を立てるに至った経緯はまた今度ごゆるりと。

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