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多文化チームの心理的安全性を保つための3つのアクション |#世界文化多様性デー

こんにちは、ダイバーシティ&インクルージョン推進を組織と人の側面から支援するAn-Nahal(アンナハル)です。

5月21日は「対話と発展のための世界文化多様性デー」です。

An-Nahalは5月の1カ月間をダイバーシティ&インクルージョン推進月間として「文化多様性を組織の力に」をテーマに様々な情報発信やイベントを開催しています!

今回は、多文化チームの心理的安全性を保つためのAn-Nahalが普段実践しているアクションを3つご紹介します。


文化多様性を活かすには?

民族多様性のある組織は収益パフォーマンスが35%高くなる、など文化多様性が組織にもたらす効果について前回の記事で紹介しています。

しかし多文化チームでは、言語や価値観の違いから円滑な意思疎通や阿吽の呼吸が成り立たず、煩わしさやミスコミュニケーションが起きやすいという課題を持つ組織も多くあります。

では、どのように文化多様性を活かすことができるのでしょうか。

多様なチームより同質なチームが成果を上げると「 感じられる」

1つの研究を紹介します。

この研究では同質性の高い大学の社交クラブを対象にした実験が行われました。
メンバーを3人ずつのチームに分け、20分で推理小説の事件を解決するための協議を行い、1つの答えを出します。5分経ったところで4人目のメンバーが加わりますが、この人物は別のクラブのメンバーである場合もあります。

参照:Harvard Business Review 
Diverse Teams Feel Less Comfortable — and That's Why They Perform Better

協議の後、話し合いは円滑に進んだか、などチームワークの内容を各メンバーが評価します。すると、別のクラブから4人目が加わった多様性のあるチームは、同じクラブだけの同質性の高いチームに比べ、協議が効果的ではなかったと判断し、回答に対する自信も低い結果となりました

では実験結果をみてみましょう。

推理小説の事件の正解率は、同じクラブだけのメンバーは29%、一方で多様性のあるチームはなんと60%でした。2倍以上の正解率です。

つまり多様性のあるチームは協働は困難に感じられたものの、成果が優れていたという結果でした。

この結果からわかることは、多様性は「心地よく」「高い成果を出す」ものではなく、その「居心地の悪さ」「不安」こそが「高い成果につながる」ということです。

もう一つこの研究記事で紹介されていることは、文化多様性はその組織において「歓迎されている」「重視されている」というメッセージが発信されている時に、マイノリティ社員のエンゲージメントを高め成果につながるという点です。

The more that workers agreed that “employees should recognize and celebrate racial and ethnic differences” and the more they disagreed that “employees should downplay their racial and ethnic differences,” the more that minorities in those units reported feeling engaged in their work.

Harvard Business Review 
Diverse Teams Feel Less Comfortable — and That's Why They Perform Better
より引用

では、この歓迎されている=帰属意識を生み出すにはどうすれば良いのか。

多文化チームにおける心理的安全性を確保するために具体的にどんなものがあるのか、職場ですぐに実践できる3つのアクションをご紹介します。

多文化チームの心理的安全性を保つ3つのアクション

自己紹介カード

新しいメンバーがチームに入る時にみなさんはどんな工夫をしているでしょうか?

お互いにサポートしあえる環境を作るには、文字通り「どのようなサポートが必要か」を知る必要があります。

An-Nahalでは自己紹介カードを使用し、チームでの役割に加えて
①貢献できる点
②サポートが必要な点
③その他パーソナルなことも含めた情報共有
について早い段階から自己開示できるようなツールを用い、チームミーティングで共有しています。

こちらは文化多様性に関わらず、一人一人に多様な側面があることに気付き、健全な補完関係を作るためにおすすめです。

An-Nahalの自己紹介カード

多文化チームにおいては下記のような共有があるかもしれません。

  • クライアント向け資料には日本語のサポートをお願いしたい

  • 英語を勉強したいので、ランチや休憩中に英語で話したい

  • お祈りの時間が確保できるようミーティングの時間を考慮して欲しい

  • 会食時にはベジタリアンメニューがあるお店に行きたい

このように、普段仕事で話すだけではわからない側面を言語化し共有することが居心地の良いチーム作りに繋がります。

ちなみに自己紹介カード左下の16 personalitiesは心理学をベースにした無料の性格診断テストで、16の性格タイプのどれに当てはまるのか診断できます。多言語対応しているので、文化多様性のあるチームにおいても活用できるおすすめのツールです。

ダイバーシティカレンダー

多文化チームで、メンバーの出身国や文化にまつわる様々な記念日を共有する「ダイバーシティカレンダー」が2つ目のアクションです。

チームで共有するカレンダーに入れることで、有給をとっている理由がわかったり、ムスリムのラマダン(断食)には配慮するなどのチームの役割分担にも役立ちます。

また、「自身の文化を大切にされている」という意識がエンゲージメントの向上にも繋がります。

5月のダイバーシティ&インクルージョン推進月間にあわせて、An-Nahalでは、世界のダイバーシティ記念日カレンダーを作成しました。

お互いの文化を紹介し合う目的として、ダイバーシティカレンダーを作成するチームビルディングも良いかもしれません。

チェックイン

3つ目のアクションはチェックインの工夫です。

チェックインとは会議やチームビルティングにおけるアイスブレイクの一つで、テーマを決めて参加者が順番に話していく手法です。

多文化チームに限らず高確率で盛り上がるテーマはズバリ「食べ物」です。
好きな食べ物、苦手な食べ物、今朝何を食べたかなど、どんな相手とも共有できる話題です。
私もよく活用するアイスブレイクで、「あなたの国の文化に興味を持っています」という意思表示にも繋がります。

アイスブレイクを行うことで会議を始める前に、参加者にひと言ずつ発言してもらうため、会議中も発言がしやすくなり、場の雰囲気が柔らかくなったり関係性を高める効果が期待できるのでぜひ実践してみてください。

まとめ

ご紹介した3つのアクションは難しいものではなく、職場ですぐに実践できるとてもシンプルな内容です。実はこのような小さなアクションの積み重ねが多文化チームにおいて歓迎されている=帰属意識に繋がり、心理安全性を保つことが期待できます。

管理職や人事の方にぜひ試していただきたいアクションをご紹介しました!


An-Nahalではプライド月間や、国際女性デーのように、多様性について考える機会が増えてきた中、5月は文化多様性の価値ついて改めて考えるきっかけを提供していきます。

An-Nahalは、ダイバーシティ&インクルージョン推進に役立つ情報とヒントをさまざまな方法でお届けしています。

  • note: D&I推進に関するノウハウやプログラム参加者のインタビュー記事など

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