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皆があまりにも読んでいる『書く習慣』を読んでみた

noteを始めてからと言うもの、”書くこと”について書かれている誰かのnoteを読んだりしている。
副業としてwebライターに挑戦しようとしている人、ライターとして既に活躍している人。

そして”書くこと”のプロになりたいわけではないが、自分の気持ちを書きたいと思っている人。
私もライターとして働く傍らで、改めて”書くこと”について自分と向き合いたいと思いnoteを始めた一人だ。

noteと言うものは、色々読んでいると勝手に「この記事どうだい?」とおすすめしてくるようになる。
その中から気になるタイトルやスキがたくさん付いている記事を選んで読んでいるわけだが、読めば読むほど、みんなが読んでいる本があることに気付く。それはnoteに限らず、インスタでも見かけるようになった。

それが今回ご紹介する『書く習慣』という一冊。
え? あんたまだ読んでないの? とか言われそうなくらい、noteをやっている人の中では有名な本なのではないだろうか。
Amazonでのレビュー数の多いいこと多いこと。

しかし、私は何を隠そう(隠してないけど)ライターにはあるまじき読書が苦手な人間!
ゆえに語彙力も貧しく、ライターとして伸び悩んでいる部分がたくさんある。
とくにビジネス書というのは最高に苦手な分野だ。
説明書読んでる時みたいに、何言ってんだコイツ。とか、いや、それは頭の中じゃわかってるんだけどできないのよ!

みたいな気分になるし。
なんせ2ページくらいから強烈な眠気に襲われる。
今までもライターとして勉強不足だと思い、ライタースキルを上げるための本にも色々と挑戦してきた。
が、結果は同じ。だんだん目で追っている文字がひとつひとつ浮いてきて、ふわ~とグチャグチャになってどこかへとんでいってしまうのだ。

そう、寝ている。ぐーすかぴーと気持ちよく。

本の世界にヒョイーンと入りこめるようなファンタジー小説と違って、ビジネス書というものは教科書と同じわけだから「あー面白い!」って読むことがなかなか難しい。できないったらできない。やだやだ。

だから今回も、みんながそんなに読んでいる『書く習慣』とやらも、横目でみているだけだった。
でも何故か、この本を読んでいる方は揃いも揃ってまるで宗教にでも入ってるかのように口ぶり。

書く習慣 1ヶ月チャレンジ!みたいのも良く見かけていたが、元を辿ればこの本を書いた方が発端のようだ。

申し訳ないことに、私はこの著者の方を存じていなかった。
でもnoteを読んでいると、たびたび「ゆぴさん」と言う名前を見かけることはあった。

そんなこんなで最初の方は、私が得意とるす読まず嫌いを発揮していたわけですが、少し前に読まず嫌いしていたことを悔いる記事を書いたことをふと思い出す。

そうでしたそうでした。
読んでみないことには「つまらなかった」「やっぱり読めなかった」などという感想すらかけずに終わる。
せっかくここで学んだのに、まーた私ってばやらかすとこであった。

読めなかったら読めなかったで、自分に合わないだけだと思えばないいことだと思い、kindleにさっそくダウンロードしてみた。


表紙を見て感じとれるのは、やはり他のビジネス書とあんまり変わらないだろうなーということ。
読まず嫌いもうそうだが、そもそもこの本を手に取らなかった一番の理由が他にある。

そう、私はこのタイトルにある「書く習慣」が既に身についているからだ。

毎日何かを書くことになんの苦も感じていない。
書くことが好きな人間だ。
なんなら書くことが溢れてきて止まらなくなるくらいまである。

当たり前だが、書く習慣なんか得る気はさらさらないわけだから、別にいまさら書く習慣を身に着けるための本なんぞは読まなくていいのだ。

とは言え、みんなが読んで絶賛している本の内容にただただ興味が湧いた。
同じライターとしてか、書く人間としてか……。

どうせ読み始めて寝てしまうならと、お布団に入り、電気を消した完全に寝る前モードのタイミングで本を開いた。

そしてそのまま読み終わた。

そう、読み終えたのである……!

ビジネス書は2ページで寝ていたこの私が、早々に読み終え、そして5分も経たないうちにこのnoteを書いているではないか。
(この記事をアップしているのは次の日だろうけど)

私にとって、この本はタイトルのような「書く習慣」を得るための内容ではなかった。
だけど、何よりも書くことに共感できる「エッセイ本」だった。

わかる、わかる、わかる、あーーーわかる!

そんな共感しかない本だ。
私が書くことについて思っていることをすべて代弁してくれているかのような、この言い方は違うのかもしれないけど、私にとってはお気に入りのnoteを見つけた気分。

kindleにはページをめくるたびに”本を読み終えるまでの時間”というものが、ご丁寧に下の方に表示されているんだけど、そんなもの無視で体感30分くらいで読み終えた気がする。

本の世界に飛び込んでいるわけではない。
誰かの心を通して、自分の心に触れている感じ。(我ながらよくわからない例え)

この著者のいしかわさんは、中学生の時の辛い時期をブログで書くことで気持ちの発散をしていたようだが、私も同じくらいの年から家族の問題や自分の問題から逃れるために、自分を主人公にした推しとのハッピーラブラブストーリーを書き始めたのが始まり。(今で言う夢女子的なやつだ)

それをいつしか掲載することで少しずつファンが付き、気が付けばたくさんの人が私の妄想を読んでハマってくれたのだ。

いしかわさんがこの本の中でも書いていた、時に自分で書いたものを読み返した時に「泣いていた」ということが私にもよくあって。
その時思っていた悩みとかコンプレックスを妄想ストーリーに込めていたから、あとで読み返した時にその時の感情がそのまま蘇ったり、逆に「今は乗り越えられてるよ」と微笑ましくなったりしたものだ。

そしてライターとしても共感できるところがある。
それはSEOなんちゃらかんちゃらについてだ。(詳しくなくてすみません)

私が紙媒体のライターからWEBライターになれないのはそこにある。
WEBライターで仕事を検索すると、なんかマニュアル通りの型にハマった文章たちしか出てこない。ブログで稼ぐとか言いながら、まったく内容がブログじゃない。

量産型のライティングばかり。

noteでも、副業や稼ぐことをテーマに書いてる人に結構多いイメージ。

調べる側としては知りたいことはわかるかもしれないけど、ライターとして書きたいとは思えなかった。
だから私にはWEBではライターできねーなーと、思っちゃっている。

もちろん紙でも同じ。
noteを書こうと思ったのも、あまりに自分が仕事向きの文章ばかり書いていた為に、もとからあった「書くのが好き」という感情が一切なくなってしまったことにある。

やっぱり記事を書くとなれば、編集さんの考えたテーマがあるしクライアントさんの伝えたいこともある。
そうなってくると、自分の伝えたいことはいったいなんなのか? なぜ私は好きでもない商品を絶賛しているのか。
褒める場所がない中で、どこを褒めればいいというのだ。
文字がプリントされたTシャツがたくさん並んでいるなかで、ひとつひとつに違う表現をあてなきゃいけないのに

「文字がプリントされています」
「これも文字がプリントされいます」
「やっぱり文字がプリントされたTシャツです」

とか、そんな中身のまったくない言葉しか出なくなってしまった。ガチで。
さすがにこの表現ではないが、似たような表現ばかりで編集さんにも怒られた。(そりゃそうだ)

だからもう、書くことが嫌になり「私には才能がないんだ。書くことに向いてない」などという、後ろ向きな時期がしばらく続いてしまった。

でも、よくよく考えてみると書くことは嫌いじゃないし、他に何ができる? って自分に問いかけた時に、あれはだめこれはだめと行き着く先が「書くこと」しか私にはなかった。

ただ、仕事に対しての文章に”感情”がまったくなくなってしまっただけ。

『自分語り』についてもこの著書では触れていて、自由に書いていいよと言われたらほんと私なんて自分語りしかできない文章になる。

今だって本の感想書いているようで、自分の話ばかりだ。
noteだって自分語りするために始めたんだから、まさかそんな自分語りをしちゃいけないと思っている人がいることにも驚いた。

私は未経験で突然ライターになって、なにも勉強してない。
もちろん、最初の頃は必至に自己流でどう書いたらいいかとか頭はフル回転させてたけど。
ライターとしての基礎ルールはもちろん、小学4年生から学校には行っていないので平均的な学力さえない。

書けないし、読めない漢字もたくさんある。
つい最近まで『止水ジップ』を『とすいジップ』と読んでいて、編集部の人たちに呆れられたくらいだ。誰がシスイって読めんねん。

とまぁ、こんな感じでもライターをしている。周りの助けも大きいが、できている。
いしかわさんが書かれていた「書く習慣」のためにやるべきことの中で、私なりに実践していたことがいくつもあった。

ライターのルールは未だによく知らないけど(そろそろ知ろう)
無意識に自分が読みやすいか書きやすいか、相手がわかりやすいかとかは昼夜問わず妄想を書いている間に身についたものなんだと思う。

好きなように文章を書く
意味がない文章でも書いちゃう
書くことを努力と思っていない
書くことを「頑張る」じゃなくて、頑張るために「書いてる」
自分語りすることで、どうしたいか気持ちの整理をしている

物語の中に自分を置けば、客観的に物事が見えて「じゃあ、どうしたらいいか」みたいのを自己流でやっていたようだ。

学がない分、難しい言葉もわからない。
頭が悪い分、文章の構成も上手じゃない。
インプットも、アウトプットも上手くできない。

ライターなのに読みやすい文章が書けている自信はまったくないが、『書くことが好き』ただそれだけの事実で私の中はハッピーになれる。

そんな気持ちが、この本には詰まってた。
皆さんが『書く習慣』を絶賛している理由がわかった。

とにかく読みやすい。文字並びにストレスがない。
使う言葉も淡々として、時にバイオレンスで面白い。
これは失礼かもしれないけど「私に似てる!私と同じだ!」と思わせてくれる親近感がたまらないのかもしれない。

私も書くことの経験を誰かに向けて書きたい。
いしかわさんのように上手く伝えられるかはわからないが、同じように不登校だったり家族の問題だったり悩みを抱えている誰かのために。

とても良き読み物でした。

でもでもでも……
それまで共感してたけど最後の著者プロフィールを見て、学歴コンプレックスのある私は「いしかわさん早稲田大学出身かーーーい!頭のデキがちがうやーん!」と、心の中で盛大に突っ込んでしまったのはここだけの秘密。笑

やはり、読書と勉強はどれだけしても損はない。


誰もが読みやすい文章を書くのは、ライターとして一番目指したいところ。
いしかわさんの書く文章は、こんな私にもグサグサと刺さるわけだから、そりゃ「書きたい」と思っている人にとっては女神のような存在じゃなかろうか。

誰もが出来る「書く」ということ。
日常で喋ることの次にみんなができることだと思っている。
そのハードルをわかりやすくグイ~っと下げてくれている本はこの本くらいかもしれない。

私のように口では伝えにくい人、誰にも相談できない人、自分と向き合うのが苦しい人こそ「書く」ことで救われることがたくさんあるよね。

そして私はさっそく、いしかわさんのnoteをフォローした。(単純)


【本日のおすすめ品】
もう既に読まれている方も多いかと思いますが。
でもこれから「なにか書きたい」「書くことが好きになりたい」「自分の気持ちを整理したい」という方にもオススメかと。
私のように既に「書くことが好き」な人にとっては、とても共感できる内容です。あと、個人的に眠くならなかったので読書苦手な人にもおすすめです。サクッと読めます。サクッと。

kindle版の電子書籍はこっち↓


追記
いしかわさんのことを『高学歴』の色眼鏡でちょこっと見てしまったのですが、ご本人様から『ちょっと待った!』を頂きました。
いま1度、私自身のひねくれた性格を叩き直したいと思います。失礼致しました!



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