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小説 蜘蛛の巣上の丸太

私が蜘蛛の巣に丸太が引っ掛かっているのを見たのは、2000年代初期のころ。

学校に向かう道にある大きな家。
その家にはいつもきれいにされていて、蜘蛛の巣とは縁のなさそうな、きれいな雰囲気の家だ。

その家に蜘蛛の巣がたくさん張り巡らされ、丸太が1本ドンと引っかかっているのを見たときは驚きと恐怖でいっぱいになった。



明日はなくなってますように…とずっと唱えてた。



次の日。引っかかっていた丸太が2本に増えてた。

警察の人に連絡をして、取ってほしいと頼んだ。
だけど、問題ないといわれた。



数年たったある日。別の家に蜘蛛の巣がたくさん張り巡らされていた。
数日後、丸太が引っ掛かるようになった。






ある日のことだった。
ある家の丸太が燃えていた。

私はとっさに火を消そうと、バケツを取り、液体をかけた。

火は消えるどころか、一層激しく燃え上がった。
バケツの中身は油だったのだ。

数か月して火が消えた。
丸太は炭化し、所々灰になっていた。



蜘蛛の巣は焼けた痕跡すらなかった。

修復されたのだろうか。

だが、そもそも丸太が絡まっていた場所すらも燃えていなかった。




ある日。
表札が蜘蛛の巣に絡まっていた。
何気ないことのようだが、実は深刻らしい。



私はようやくその意味に気付いた。

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