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2020年10月の記事一覧
HDRプレビュー(疑似)、出来ました
HDRのグレーディングをするのにHDRでプレビューできないと困ったことになってしまうのは言うまでもない。しかしNLEによっては専用のボードが必要であったり、そもそもSDR環境しか用意できないという例もあるだろう。
このような場合、例えばst2084/rec.2020で出力していると、プレビューが非常に薄暗く、コントラストも無いように見えてしまう。
これはst2084で0~100%までリニアな信
HDRでプレビュー、出来ません?
HDR映像を制作する方法はいくつかある。使用するツールもDaVinci Resolve、Baselight、RioやMistikaといったプロフェッショナル向けから、Vegas ProやEdius、FCPやPremiere/AE、TVMW7などの映像編集からハイアマチュアに向けたものもある。
なお、後者については編集機能の機能の一つ、としてカラーグレーディングやカラーマネジメントが統合されているた
明るいSDRと暗いHDR、そしてOLEDという半端物
SDRの映像もテレビで見るときに明るさを上げコントラストやガンマ、彩度を強めてやるとHDRのような画になることがある。
そもそもSDRだからといって現実の輝度を100cd/m2でクリップなどしておらず(実際にそれをすると殆ど真っ白になるだろう)、実際には映像制作上でのさじ加減一つでそれは100000cd/m2にも200cd/m2にもなりうる。
基本的にここでより広く輝度レンジを保ちつつ、必要な
HDR映像の作り方(その2)
今回はRAW素材を使ってHDR映像を出力してみよう。
今回用いるHDR形式はst2084/rec.2020(P3-Limited) regal level 10bit HEVCとした。
これは所謂HDR10に相当する。
まずはタイムラインにRAWクリップを配置する。詳細は以下で見ると良い。
https://i.imgur.com/snVkeqR.jpg
ついでプロジェクト設定からカラーマネジメ
HDR映像の作り方(その1)
映像規格についていくつか述べてきたが、多分にこれを見る読者が求めるのは、鮮やかで美しいHDR映像、どうやって作るのかではないだろうか。
人によっては規格を数式で理解することが大事なのだ、正しい式を覚えろ!などということもあるかも知れない。
が、個人的にはその必要はないと考えている。大事なことは概念を把握することであって、式を丸覚えする必要などない。DaVinci Resolveを作りたいのなら別
HDRという色空間とDolby Vision
まずHDRという色空間などない。タイトルにまでしておいて何を言うのか、というところだが、HDRという色空間はない。
とは言え送出用の色空間であるst2084/rec.2020もしくはHLG/rec.2020がHDRの色空間と見なすことは出来るだろう。
特殊な例を言えばst2084/P3(DCI)というものもある。これは映像制作時に用いるものだが、例えばネットフリックス等、このフォーマットを指定する
SDRはダイナミックレンジが狭い?
HDR映像とSDR映像を比較する際に、SDRでは表現できない色、やHDRだからこその鮮やかさ、という表現をよく見る。
4K HDR anime channelとしての発言でもこの表現はよく使う。
表示系が異なるので当然のことなのだが、勘違いしてはならないのは映像信号として考えた場合に本当にそうなのか?ということである。
先の番外編でも述べたが、SDRに輝度の定義などない。本質的にはst2084
番外編:HDRは明るい?
HDR映像、明るくて鮮やかなことだと思う者も少なくない。
しかしそれは大きな間違いである。
SDRだって明るい画はいくらでも出せる。LCDならバックライトを明るくすればよいだけだ。
色も同じ。広色域パネルで表示すればそれは色がきつくなることだろう。
そもそもなぜHDRという映像規格が生まれたのだろうか。
SDRでは広いダイナミックレンジや鮮やかな色を定義することは出来ないのだろうか。
これは何
なぜ今もガンマで歪まされた画を見ているのだろうか
前回こう締めた。
「しかし何故ブラウン管からLCDやOLEDといったデバイスになった今もそういった補正がのこっているのだろう?
LCDやOLEDもそういった出力特性の癖があるからだろうか?
これは明確にNOである。LCDやOLEDであればリニアな出力をすることは十分できる。」
そう。もうガンマ補正を使う意味はない。
にもかかわらず今もガンマ補正は残っている。
それは人の視覚の特性が理由である。
What is gamma correction?
ガンマと聞いて何を思い浮かべるだろうか。
一般的にはアルファベータガンマ・・・といった程度かもしれない。
物理が好きなら放射線としてのガンマ線、天文に興味があればガンマ星を思い浮かべるかも知れない。
しかしここで触れるガンマはその何れとも異なり、OETF/EOTFを意味する。
映像技術者でなければOETF?EOTF?となるかもしれない。普通はそれが正しいし、テレビの設定を弄るのが好きであれば画質
SDRとHDR。そもそも何が違う?
映像表現をより高めるため、HDRという映像規格が登場して既に5年になろうとしている。
そもそもSDRやHDRとはなんだろうか?
一般にSDRはStandard Dynamic Range、HDRはHigh Dynamic Rangeの略称である。一般的な理解ではコントラストを過剰に強調した写真の表現手法や、映像を多少見るものであれば明るい映像のことだと思っているかも知れない。
映像表現に関して