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SDRとHDR。そもそも何が違う?

映像表現をより高めるため、HDRという映像規格が登場して既に5年になろうとしている。 そもそもSDRやHDRとはなんだろうか? 一般にSDRはStandard Dynamic Range、HDRはHigh Dynamic Rangeの略称である。一般的な理解ではコントラストを過剰に強調した写真の表現手法や、映像を多少見るものであれば明るい映像のことだと思っているかも知れない。 映像表現に関して言えばこの何れも間違いである。写真でHDRと言っているものはHDR合成写真といっ

    • (HDRに限らず)モニターのキャリブレーションをさらに本気でやってみる3️⃣

      今回はLightspace HTPの機能をいくつか解説しよう。 Colourspaceも基本的には同じだと思って良いので、Colourspaceユーザーも是非参考にしてほしい。 まずはDisplay Charactarization。これは受像機、モニターやテレビなどの表示特性を厳密に計測する機能だと思えば良い。 ビデオ中でも触れている通り、Lightspace HTPでの計測の中心となる機能だ。 (Display specificationやその他からもアクセスできるが)

      • (HDRに限らず)モニターのキャリブレーションをさらに本気でやってみる2️⃣

        モニタ校正にColourspaceを使用することで極めて高度かつ高精度なモニタ校正が出来るようになる。 実際の作業画面を見ながら解説するビデオを公開したので、今回はそれを解説していこう。 ちなみにビデオでは安価に導入できるよう、ColourspaceではなくLightspace HTPオープンライセンス版を使用している。 ビデオ内でも言及しているが、HTPオープンライセンスは測色機の制限がないのでColourspace導入済みであってもBPDデータの作成等で活用する価値はある

        • (HDRに限らず)モニターのキャリブレーションをさらに本気でやってみる1️⃣

          モニターのキャリブレーションについては既に過去に書いたが、より好ましい結果が得られる方法を紹介しよう。 前回のワークフローとの最大の違いは使用ソフトだ。 DisplayCal(Argyll CMS)ではなく、Colourspace LTEを使用した。 買ったはいいがDisplayCalで遊ぶばかりでなかなか使うことのなかったColourspace。 業界圧倒的トップの呼び声高いLightillusionのソフトだが、その評判は本物だと先に言っておこう。 なお、Lightsp

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        SDRとHDR。そもそも何が違う?

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        • モニタのキャリブレーション
          19本
        • HDRとモニタの校正
          34本

        記事

          HDR TPG、さっそくためしてみる2️⃣

          このノートの更新速度は遅いにが、dogegenのHDR TPGは信じられない速度でアップデートされているので、先ずは更新点を中心に見てみよう。 まだTPGを持っていない場合は以下からダウンロードして欲しい。 バグフィックスが中心であるが、HDRメタデータの指定に対応したこと、Colourspace/Lightspaceに対応したことは大きな変更といって良い。 コンソールにresolveと入力するだけで、ホストの出力を判断して適切な動作モードを切り替えてくれる優れものだ。

          HDR TPG、さっそくためしてみる2️⃣

          HDR TPG、さっそくためしてみる1️⃣

          メーカーがやるべき仕事を放棄し、怠惰と強欲のままに利権化ばかり目指し、ユーザーの利益を阻害する一方で、本当に求められる価値ある技術をエンジニアとしての良心の元開発し、提供する優れた人材は多くいる。 Argyll CMSやDisplayCal、HCFRといった素晴らしいCMSや、madVRやそれに付随するmadTPGもその一つだ。 今回Windows用に非常に便利なHDR/SDR対応のTest Pattern Generator(以下TPG)が発表されたので紹介しよう。 とは

          HDR TPG、さっそくためしてみる1️⃣

          正しい画を求めて⑬ カラー”マネジメント”とキャリブレーション。え、同じじゃない?

          Twitterを見ると、X-riteやDataColorのソフトでICC作って当てているのにモニタの色が合わない、なんか変わってるけど色がいっちょん合わん、と途方に暮れている様をたま見る。 なぜその様になるのであろうか。 結論だけ言えばやり方が間違っているし使うシステムも違うし機材の補正も十分に出来ていない、ということになる。 が、それだけでは解決につなげるのは難しいだろうと思うので、もう少し詳しく話をしてみよう。 そもそもカラーマネジメントしてる、とキャリブレーションは似

          正しい画を求めて⑬ カラー”マネジメント”とキャリブレーション。え、同じじゃない?

          TCLのハードウェア校正を紐解く

          TCLの2023年度モデル C845(海外では更に上位の9シリーズも在る)が販売された。 チューナーレスで話題を集めている本機であるが、それ以上に刮目すべきは現代の受像機として非常に高い性能を有していることだろう。 公式の開示スペックには分割数はないが、海外の記事には55インチで2000cd/m2超、ローカルディミングが480zonesとある。 通常の映像は一切見ずに花火映像だけをひたすら見るのであれば1000zones、可能なら2000zones以上あることが望ましい場合

          TCLのハードウェア校正を紐解く

          正しい画を求めて⑫ ガチプロ環境っているそす?

          ガチプロ。良い響きだと思う。 ところで校正のガチプロとは何を持ってガチプロと言えるのだろう。 お高いソフトを使って価格自慢をすることだろうか? それともお高い機材で価格自慢をすることだろうか? はたまた、十分な知識と概念の理解を持った技術者のことだろうか? 答えは十分な知識と概念への理解を持った技術者が適切な機材とソフトウェアを用いて校正を取ること、ではなかろうか。 そこに値段自慢など入る余地は一切ないが、かと言ってやすい機材で何でも出来るというわけでもない。 一例を上げ

          正しい画を求めて⑫ ガチプロ環境っているそす?

          正しい画を求めて⑪ HDRのメタデータ

          WindowsでHDRモードの校正をしっかりやった。。。はずがDeckLinkやコンソール機の出力(※)にLUTを当てても同じように見えない事がある。というか大半はそうなるはずだ。 ※なおコンソールの出力に外部LUTで校正を当てる場合、基本的にHDCPを解除する必要がある。HDCP対応の外部LUT BOXがないからである せっかく時間をかけて校正したのに何故・・・と変な爆裂娘を仲間にしたカスマさんの如く絶望に打ちひしがれるかもしれない。 これはHDRモードでのマッピングが異

          正しい画を求めて⑪ HDRのメタデータ

          正しい画を求めて🔟 色温度ってなんだっけ。色って温度だっけ?

          ホワイトの話をしたのでもう少し突っ込んだ話をしてみよう。 白の定義によく出てくるものに、色温度がある。 そもそもなぜ温度で話をするのだろうか。 結論から言えばきちんと色を定義するなら色度が必要だ。 CIEのxy色度図などで座標を示すあれである。 例えば一般的な白とされるD65であれば0.3127 x , 0.329 yだ。 ではD65はなにが65なのだろうか。 この場合D65とは6500Kを意味している。 D50では5000K、D70は7000Kだ。 この場合のKは絶対温

          正しい画を求めて🔟 色温度ってなんだっけ。色って温度だっけ?

          正しい画を求めて9⃣ 正解のない、白がくる

          ここまで全部を読んだならば、あとは実践と経験、機材さえあれば即座にプロフェッショナルな校正を行うことが出来る・・・ と言いたいところであるが、実のところ、ここまで来たものにだけ、もうすぐ白が見える。永遠に合わない、白がくる。 永遠に合わないとはどういうことだろうか 一つは人の目は同じものなどないということだ。 LMS錐体の分布や数が違うことで、同じ色が見えているわけではない。 白は人によっては赤みがかり黄色がかり、青に寄っているかもしれない。 勿論そんなことは承知の上で、一

          正しい画を求めて9⃣ 正解のない、白がくる

          正しい画を求めて8⃣ メーカーはもっと仕事をしよう?

          DispCalで彩度や色相を校正するLUTが作成出来た。 測定時に使用した1D校正と色相彩度補正LUT、これを組み合わせれば輝度マップ、グレースケール、色相彩度が補正されるはずだ。 LUTの合成は先程1D補正で行ったようにDaVinciで行える。 色相彩度補正→1D校正の順に適用し、一つのLUTとして出力する。 出力したLUTをDWM LUTで適用し、CCMXを取り直してからHCFRでグレースケールを測定しよう。 意外とグレースケールがずれていることに気づくだろう。 実のと

          正しい画を求めて8⃣ メーカーはもっと仕事をしよう?

          正しい画を求めて 7⃣ 測定、いつ終わるんですっけ?

          ホワイトバランスを十分に合わせた。輝度マップも十分に精度よく合わせた。 CCMXも更新して仕上がりが十分だと確認できた・・・がこれはまだ始まりでしかない。 以前も言ったが1Dの補正だけでは彩度や色相の補正は出来ないからだ。 彩度や色相の補正を行う3D LUTはDispCalを使って作成する。 セッティングは過去に作ったものをもとにしても良いが、今回は新規作成をしてみよう。 なお、今回は先に1D補正を十分に行ってからDispCalで3Dを作成しているが、1D補正をせずに直接3

          正しい画を求めて 7⃣ 測定、いつ終わるんですっけ?

          正しい画を求めて6⃣ いちばん大事なのは基礎。

          それでは実際のHDRモニタの校正を取るフローを見てみよう。 まずLUTをどのように適用するかだが、ハードウェアキャリブレーション対応機や外部LUTがある場合は、作成したLUTをそちらにインストールすることになる。 外部LUTを使用する場合は信号レベルを考慮したLUTでなければならないので注意して欲しい。データ用のLUTをリーガル信号に当てても合わないし逆も然りだ。 ハードウェアキャリブレーションモデルはモニタメーカーが出す専用の校正ソフトや、Colourspaceなどの業務

          正しい画を求めて6⃣ いちばん大事なのは基礎。

          正しい画を求めて⑤ 私、グレースケールくらい色差⊿E2未満にしろっていったよね?

          ここまでモニタの色を測るとはなんぞや、を見てきた。 なるほど本気でやるの超大変、機材だけ良くても全く無価値。。というのもわかったところで、genuine hdr colourで採用している校正ワークフローと一般的なワークフローとして、ハードウェアキャリブレーションに代表されるLUTを用いるワークフローとiccを使ったワークフローを見てみよう。 そもそも一般に校正と言われている工程は2つに大別できる。 一つはlutを使用する方法で、これが本来の校正、キャリブレーションだ。もう

          正しい画を求めて⑤ 私、グレースケールくらい色差⊿E2未満にしろっていったよね?