(HDRに限らず)モニターのキャリブレーションをさらに本気でやってみる1️⃣

モニターのキャリブレーションについては既に過去に書いたが、より好ましい結果が得られる方法を紹介しよう。

前回のワークフローとの最大の違いは使用ソフトだ。
DisplayCal(Argyll CMS)ではなく、Colourspace LTEを使用した。
買ったはいいがDisplayCalで遊ぶばかりでなかなか使うことのなかったColourspace。
業界圧倒的トップの呼び声高いLightillusionのソフトだが、その評判は本物だと先に言っておこう。
なお、Lightspace HTP版でも同じワークフローを使えるので、流石に校正ソフトに10万超えるのは・・と悩む必要もない。

さて、具体的な作業工程に入る前に、簡単に校正の流れを見ていこう。
ColourspaceやLightspaceを用いる場合に限らないが、特にHDRモニタの校正を理想的に取る必要がある場合、一度モニタの表示をネイティブのプライマリ、べき乗ガンマに戻してやる必要がある。
HDR表示をする際の高輝度モードのまま、モニタの表示特性が標準モードにある状態、といってもいい。
業務用機であればこれらの表示モードをサポートするが、通常のモニタやテレビはこれをサポートしていない。
これについてはLUTを用いて強制的にネイティブ状態に変えてやることで対応可能だ。
モニタがネイティブの状態にあれば、後はやることは単純である。
色度、輝度補正とガンマ特性を補正してやり、高輝度ネイティブRGBとして厳密な校正を取ってやれば良い。

正確な表示特性になった状態に対してHDRモードに戻す変換LUTをMergeすることにあることで正確なHDRモードを作ることが出来る。
必要があればHDRモードで1D補正も加えると良いだろう。

前回まではDisplayCalを使用していたこともあり、HDRモードをHDRガンマのまま計測し、色度マップも適用されたまま、表示可能範囲の加納な限りのHDR再現をする手法であった。
この方法でも校正は可能であるが、マッピングが適用された状態からマッピングが適用された状態に変換するため、低輝度域や高輝度でRGBのいずれかのチャンネルが飽和すると、アーティファクトが出てしまうことがあった。
今回のフローではそのような異常なアーティファクトが生じないので、より好ましい校正が可能である。

それでは次回からColourspaceを使用して校正してみよう。
おそらくであるが、DisplayCalでも同じフローを取ることは可能なはずだ。
ただし1Dの校正が甘く、かつArgyll CMSは計測も遅く精度も不足するので費用をかけたくないということならLightspace HTPを強く推奨する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?