HDR映像の作り方(その1)

映像規格についていくつか述べてきたが、多分にこれを見る読者が求めるのは、鮮やかで美しいHDR映像、どうやって作るのかではないだろうか。

人によっては規格を数式で理解することが大事なのだ、正しい式を覚えろ!などということもあるかも知れない。
が、個人的にはその必要はないと考えている。大事なことは概念を把握することであって、式を丸覚えする必要などない。DaVinci Resolveを作りたいのなら別だが。
強いて言えば視覚の特性やCIE 1931等の規格や見方を知っておくのは良いだろう。この記事が非常に秀逸であるので興味があれば見てみると良い。
https://qiita.com/Ushio/items/7a5d80612796c4bcfca6

さて、これまで述べた通りSDR映像とHDR映像には本質的な違いはない。
SDRでもダイナミックレンジを広く撮ることは出来、表示系が異なるとだけである。
逆を言えば表示系がHDRであれば良く、HDRの表示系においてそれをどう表示するか、だけのことでもある。
HDR映像制作ではログやRAWだけがHDRでそれ以外はHDRにならない、と思っているのはダイナミックレンジや映像規格への理解が乏しいと言わざるを得ない。
場合によって限界の程度に差があるというだけで、本質的には大きな差など無いからである。これはHLGをSDRとして扱ったものを見ると分かりやすいだろう。この場合SDR表示であるがEOTFの切り替えのみでHDRとして取り扱うことが出来る。だからといってSDR表示が成立していないというわけでもない。

とはいえこれは映像規格やダイナミックレンジに相当の理解が無いと難しくもある。この方法についてもいずれ言及するが、先ずは一般的なHDR映像の制作方法について述べよう。

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