HDRでプレビュー、出来ません?

HDR映像を制作する方法はいくつかある。使用するツールもDaVinci Resolve、Baselight、RioやMistikaといったプロフェッショナル向けから、Vegas ProやEdius、FCPやPremiere/AE、TVMW7などの映像編集からハイアマチュアに向けたものもある。
なお、後者については編集機能の機能の一つ、としてカラーグレーディングやカラーマネジメントが統合されているため、極めて高度なグレーディングを行いたい場合は前者を推奨する。
LUTを当てるのみで良ければShutter EncoderやXMediaRecordを用いる方法もある。最も簡単なのはこの方法であろう。

4K HDR anime channelではDaVinci Resolve StudioとVegas Pro、TVMW7を導入しており、基本的にグレーディングやカラーマネジメントはResolve、もしくはResolveで設計したLUTを他NLEに転用する方法で高度なグレーディングを可能にしている。

HDR映像制作を初めたものを見ていると、良く見るのがHDRのプレビューが上手く行かない、ということである。
そもそもカラーマネジメントから間違っている例も散見されるが、プレビューについては設定や機材が必要となる場合があるので今回はそこに触れてみよう。

4K HDR anime channelで導入しているNLEについて言えば、Mac版のResolve StudioとTVMW7、Vegas ProについてはGPU出力でのHDRプレビュー可能である。
ただしWin版のResolve Studioはソフト内のプレビューがHDR非対応であり、また無料版ではソフト内でのHDRプレビューそのものに対応しない。ただしDeckLinkからHDRの波形で出力することは可能なため、SDIやHDMIで接続し、EOTFを適切に設定すればHDRのプレビューが出来る。
なお、無料版ではHDMIにメタデータを重畳するオプションが利用できないため、例えばPA32UCXの様にEOTFをユーザー側から指定する必要がある。これが出来ない場合、一般のHDR対応テレビ等でHDRプレビューを行う事ができない点に注意したい。

現状ではHDRの制作に用いるNLEとしてはDaVinci Resolve、FCP、Premiereが多いのではないかと思う。後者ふたつについては現在環境を用意していないので未確認だが、AJAのボードがあればHDRで出力出来ると聞いたことがある。

何れにせよVegas ProかMac版Resolve Studio、TVMW7でなければHDRプレビューは容易ではないということでもある。スコープ類を見て調整する事もできるが、相当の経験がなければスコープから画を判断するのは困難である。
やはりHDR映像の制作は大変だということなのだろうか?模擬的ではあるが、これを解決する手法について次回触れよう。

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