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【レシピ】え?自分で作れちゃうの?完全無添加「自家製スペシャル固形ブイヨン」の作り方

2022年元旦からブログを始めました。料理に関する知識やレシピなどを配信しています。ぜひご覧ください~

料理のレシピを見ると、決まって登場する「顆粒コンソメ」「固形ブイヨン」。これはいわゆる“洋風出汁”で、料理にコクと奥行きを与えてくれるとても大切な要素。

しかし、市販されているコンソメやブイヨンの食品表示を見てみると、入ってる入ってる、デキストリンに砂糖、酸化防止剤に香料、そしてアミノ酸。体に深刻な害がありそうなものは見当たりませんが、食事は毎日の行為。やっぱり添加物の長期的な摂取は避けたいですよね。とはいえ、顆粒や固形キューブは使い勝手がいい……

もし自分で固形ブイヨンを作れたら……?

はい作れちゃいます。

今回は、余計な添加物なし、おまけに砂糖も使わない自家製スペシャルブイヨンのレシピを大公開!

そもそもブイヨンとコンソメの違いって何?

今回ご紹介するのは“ブイヨン”のレシピです。「そもそもコンソメとブイヨンの違いってなに?」という方のために、超分かりやすく簡単にご説明します。

■ブイヨンとは

フランス料理で使われる出汁のことで、野菜を中心とした出汁と理解しておけばOK。フォン・ド・ヴォーに代表される“フォン”も出汁の一種で、こちらは動物性を中心とします。

本来であればどちらも肉や魚、野菜などをオーブンで焼いてから長時間かけて煮込み、スープが濁らないよう丁寧にアクをすくい、最後は上澄みから少しずつ濾していく──というとても手間と時間のかかるもの。

ブイヨンは日本料理で言うところの“出汁”そのもので、これを様々な料理に使います。日本料理でも「出汁を使って味噌汁を作る」といった具合に、フランス料理も「ブイヨンを使ってスープを作る」のです。

今回ご紹介するレシピは液状ではなく固形調味料としてストックするのが目的ですから、面倒な手間をすべて省いて誰にでも作れるようアレンジしました。

【ポイント】
ブイヨン=出汁

■コンソメとは

コンソメスープはみなさんお好きでしょう。これがコンソメです。つまりコンソメ=コンソメスープってこと。

一般的にコンソメはブイヨンで肉や野菜を煮込み、調味料で味付けして濾して作ります。コンソメというのは本来調味料ではなく、それ自体でもう完成している一つの料理(スープ)なのです。コンソメ(consommé)はもともとフランス語で「完成された」を意味します。

レシピなどでコンソメ顆粒が調味料として使われるのは、ブイヨンより味やコクが強いため、インパクトのある仕上がりにできるからでしょうか。

【ポイント】
コンソメ=完成されたスープ

自家製スペシャル固形ブイヨンに使う材料

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【材料】(100g完成分)
・トマト 1個
・ニンニク 1個
・玉ねぎ 1/4
・セロリ 葉つきの枝を2本
・りんご 1/2
・ニンジン 1/3
・合挽肉(牛7:豚3) 100g
・塩 5g
・黒コショウ 1g
・しょうゆ 小さじ1
・酢 小さじ1
・サラダ油 小さじ1
・白ワイン 100ml
※野菜は冷蔵庫にあるもので適宜アレンジしてください。基本的に何でも使えます。

作り方

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まずは下ごしらえ。トマトの皮を向きます。湯剥きしてもいいですが、湯を沸かす手間を惜しむのなら、トマトの尻に十字の切り込みを入れて(入れなくても剥けますが)、フォークなどを使いコンロの火でトマト全体をまんべんなく炙ります。

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多少焦げても問題はありません。炙ると次第に皮が縮んできます。全体的に皮が収縮したところで冷水や流水などにあてながら皮を剥きます。

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写真のような状態になれば、あとは手でスルッと剥けますよ。

■その1「材料をカットしてミキサーにかける」

材料をすべてミキサーにかけるので、それぞれテキトーな大きさに切り分けます。トマトは半分にカットし、ヘタと芯の青い部分を除いてから4つくらいにカットしてください。他の野菜もテキトーでかまいません。

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ミキサーの歯が回りさえすれば問題はないので、このようにザクッザクッと切っていきます。できるだけ細かい方が作業をスムーズに進められますよ。

さぁ、そうしたらこれを全部ミキサーにブッ込みます。塩もコショウもワインも全部、材料にあるものはすべてミキサーにかけてペースト状にしてください。

ここまでは大丈夫ですね?ここからも大丈夫ですよ。こんな調子で超簡単ですから。

■その2「鍋で煮詰める」

工程はこれで終わり。え?簡単すぎる?そうですよ、誰でもできますよねこんなもの。作業は超簡単です。ただここから二時間かかります。ですから、お時間のある時に挑戦してくださいね。

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最初のうちは中火から強火で一気に水分を飛ばしてかまいません。ただし絶対に焦がさないでください

焦げつきの臭いってなかなか強烈で、焦がしてしまったらもう台無しです。できればテフロン鍋などを使いましょう。鉄やアルミだと焦げやすいですから。

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水分がなくなってくると、おからのようなボソボソした状態になってきます。写真をご覧ください。鍋底で少し焦げていますね。しかしこの茶色い焦げは正解。メイラード反応でカラメル化した部分がおいしさの秘密なのです。ですから、ここを木ベラなどでこそげ落とし全体に馴染ませつつ、黒く焦がさないよう気をつけながらじっくり火を入れましょう。このくらいの状態になったら火は弱火です。

■タイムフロー

使用する鍋やコンロ、火力などによって前後するかと思いますが、今回のタイムフローをざっと残しておきますので参考にしてください。

①火にかけてから最初の1時間
水分が十分にある状態なので焦げの心配がなく、火にかけたままほとんど放置。10分おきくらいに混ぜる程度。

②そのあと20分間
水分が減ってくるので注意しますが、焦げの心配はまだほとんどなし。たまに混ぜてあげる程度。

③そのあと20分間
いよいよペーストが固形質になってくるので、5分おきくらいに様子を見にいって混ぜるといった具合。

④最後の20分間
ほぼつきっきり。水分が飛んでサラサラになってくるといきなり焦げやすくなるので注意。この間はほとんど混ぜ続ける状態。

そうしてできあがったのがこちら。

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最初と形状も色も全然違います。これをこのまま口に入れると、もうたまらん。妻からは「市販のブイヨンよりおいしい」とお墨付きをいただきました。それはそうです。余計な添加物が入っていませんし、できたてなのですから。

こうして完成した量は、正確には115g。水100mlに対して使う量が小さじ1(2g程度)と考えれば、しばらくはブイヨンに困らなさそうね。

自家製ブイヨンの使い方

これの使い方は「カツオの削り節」とよく似ています。市販の顆粒・固形ブイヨンのように、湯に入れても溶けないのが注意点。ピラフやグラタン、カレーなど煮込み料理におすすめです。

スープに使う場合は、鰹節と同じく湯で出汁をひいて、最後にザル&布巾(キッチンタオル)などで濾すのがベターかと思います。

ただ、出汁がらにも栄養素はあるはずですから、スープの濁りなどを気にしないのであればそのまま飲んでください。せっかくなので、自家製ブイヨンを使って作るスープのレシピもご紹介しておきますね。

自家製ブイヨンを使ったコンソメスープの作り方

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【材料】(一人分)
・自家製ブイヨン 小さじ2
解説)水100mlあたり小さじ1(約2g)を使います。もちろんもっと濃い出汁が欲しいのであれば、小さじ2でも3でもかまいません。
・水 200ml
・ニンジン 輪切り1枚分
・玉ねぎ 一枚分
・ベーコン 1/2切れ(およそ7g)

・塩 2つまみ
※ベーコンを入れすぎると脂でくどくなります。少なめがオススメ。

作り方

①鍋に水とブイヨン、塩を入れて煮立てる
②沸騰したらすぐに火を消して、そのまま3分ほど蒸らす
③ザル&布巾で濾す(見た目を気にしないのであればここは省略。省略した方が味はいい)
④出汁がとれた湯を鍋に戻し、具材を加える。沸騰させずコトコトと。野菜に火が通ったら完成。お好みでパセリや黒コショウを散らす。

具材は色々とアレンジできます。お好みのものでお試しください。

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【ポイント】
出汁殻をザル&布巾で濾すのなら、ブイヨンの分量を2倍にした方がしっかりとしたスープができるよ!

保存方法

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自家製ブイヨンの粗熱がとれたら、そのまま保存容器などに入れて冷凍庫へ。チャックつきの保存袋に入れてすぐに冷凍するのがオススメ。これでいつでもブイヨンストックを使えます。

まとめ!

通常、自宅で調理する場合、僕は調理の過程で肉や野菜の出汁をとるようにしています。しかしやはりその分作業工程は増えますし、気をつかうところも増える。こうやってまとめて自家製ブイヨンを作っておけば、幅広く応用が利くので便利ですね。二時間かかるけど。

料理人が実際に行っている方法でとる本格的なブイヨンやフォンを、家庭できるようアレンジしたレシピもいつかご紹介したいと思います。


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