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「はたらく細胞」の哲学的メッセージ

 子供達は夏休みということもあり、おじさんの自由研究、「はたらく細胞」についての感想と紹介を書いてみます。

 実写化もするそうで、今となっては言わずと知れた清水茜先生の大作です。主人公は赤血球さん、準主人公は白血球さんです。「マンガでわかる人体」みたいな勉強に寄せてるマンガと思って敬遠してる人もいるのではないでしょうか。

 私もそう思って最初は子どもに見せるのがいいなと思ってなんとなく見たのが最初です。ですが、なんともこれは深い深い哲学ということに感動
(´;Д;`)

 人体の中の細胞が人間、人体が世界、細胞たちは身体で起こる様々な現象や侵入してくる細菌たちへの対応を身体中を駆け回って命懸けでこなしていくのです。これは地球という世界の中の私たち人間(生物)そのものではありませんか。細胞それぞれで担う任務も異なり、これは人間世界でいう仕事です。白血球さんは外敵ウイルスと戦う。赤血球は酸素を運搬して戦いを後方支援、様々な個性と能力を持った細胞たちが、協力して自分たちの世界を守る姿に、誰もが感謝と感動するはずです。

 そしてラスボスたる最強の敵はガン細胞、ガンは他の細胞と同じく体から生まれるのに、ひたすら自己の増殖のために活動をする不思議な細胞で、他の細胞機能を破壊して人体を破滅に導くのです。当然自分も人体が死ねば死ぬのに、欲望のまま他の細胞機能を破壊していく様は、私たちの世界に溢れる自分だけ良ければいい人間と同じではないでしょうか。
 そんなガン細胞が「僕は何のために生まれてきたのか」と言って他の細胞のように何か体のためでなく、ただ人体破壊のために存在している不条理な存在であることを、皮肉まじりに語るところが、これまた欲望以外信じる道のない現代の人間と重なって悲しくなってしまいます。
(´;Д;`)

 私が学べたことは大きく2つです。
 一つは自分の生命は自分だけのものではない。ホントは人体という世界の命だという事実、全ての細胞の活動が停止するまで、なんとか命を保とうと頑張ってる細胞さんたちの命でもあるのです。
 もう一つは世界の中のちっぽけな自分、人間の正しいあり方とは何か。小さな仕事でも、大きな仕事でも、ちゃんと世界や社会のために働くのが人間に与えられた存在意義、1人の人間が、ちゃんと世界のために仕事をする細胞の1つと自覚していれば、世界が悪くなるはずはないのです。自分だけ良ければいいは、ガン細胞と同じです。

 まだ見てない方は是非お子さんとでも1人ででも見てほしいなーと思います。( ゚д゚)/


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