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どうしたらパスできるのか前編 組手争い パスの考察②

 今日も今日とて柔術は楽しい。指が回復してきました。グリップを使うべきタイミングを限定する様にしてます。特にトップの時は必要以上にグリップを使うと力任せになりがちなので手よりも足を動かして角度をつけて相手を崩すようにしています。

 今日は前回の「なぜパスは難しいのか」の続き。どうしたらパスできるのか。長くなりそうなので前編・中編・後編に分けました。

 分けたのに、長くなってしまいました。。。「2.組手争いのコンセプト」の頭の部分だけでもどうぞ。


前回の記事

 パスが難しい理由
①パスは組手・自分の形を作るのが難しい
②パスは意識を散らすのが難しい
③パスは循環(つなぎ・切り替え・組み合わせ)が難しい
④パスはバランスを取ることにリソースを割く

1.パスが難しい理由(下の利点)から逆算してパスする方法を考える

 前回の記事で書いたパスが難しい理由をどう対処していくか、という目線で今パスする方法を考えます。

①パスは組手・自分の形を作るのが難しい
→組み勝って自分の形を作る

②パスは意識を散らすのが難しい
→アタックのバリエーションを増やす(意識を散らす)

③パスは循環(つなぎ・切り替え・組み合わせ)が難しい
→③それを組み合わせる(技を循環させる)

④パスはバランスを取ることにリソースを割く
→下のメリットである「バランスを取ることにリソースを使わない」に対して、上のメリットとして「機動力」「体重」がある。それを活用する

パスのコツはこれだけではありません。あくまで考え方の一つです。

 今回の前編では、①組手争い の部分を書いていきます。

2.組手争いのコンセプト

上も足を使って4対2 → 2対2 ・ 4対4 にする

 前回の記事で下は手足4本、上は手2本だから組手は4対2で下有利と書きました。しかしこれは、上が止まった状態で組手争いをした場合です。上も足を使うことはできます。ステップしたり、スネや足裏、膝で組手争いできます。上が組手争いに勝つには以下の内容が必要です。

A「こちらも足を使う」(4対4)
B「相手の足を無効化する」(2対2)
C「相手の足を組手以外のことに使わせる」(4対4、2対2)
D「相手の手を組手に参加させない」(2対2)
E「第三の手(頭)を使う」(2対3にする)

Dは組手争いをしてない、というか組手を作るのは一瞬だけってイメージです。

 足を使った組手争いの例
・そんきょベースから膝を使って相手の足やを外していく(A)
・シントゥシンでスネを抑える(A,B)
・足をスネや足裏で踏むレッグピン(A,B)
・膝で袖のグリップカットする(A)
・ハーフまで持っていく(B,C)
・ボディロック(B)
・ハーフやボディロックの足抜き(A,B)
・レッグドラッグ、レッグウィーブ、かつぎ(B,D)
・ステップで角度をつけてガードリテンションに相手の足を使わせる(A,C)
・足を持てたらすぐにさばいて動く(D)
・ステップや距離を詰めることで足や肩や腰を押させることに相手の手を使わせる(D)
・ハーフパスやボディロックで頭を使ってプレッシャーをかける(E)

組手争いと呼んでいいのか微妙な攻防も多いです

 正解はないですが、ダメなのは上が足を止めてその場で手だけで組手争いをすること。これはまさに4対2の戦いになるので上の分が悪くなります。白帯はやりがちな気がします。自分もそうでした。

 パスの組手争いとアタックの部分は明確に分けられないことも多いです。あまり「組手争い→アタック」の図式にとらわれないほうがいい気がします。どこまでが組手争いで、どこからアタックなのかのラインはあいまいです。組手を取りながらアタック、アタックのディフェンスに対して組手を取る、みたいなパターンも多いです。「組手大事だから、まずは組手作ってから動こう」はうまくいかないことが多いです


足を止めて手だけで組手争い


ステップ踏んだりスネや膝を使ったり

3.アンディ的組手のポイント(読まなくてOK)

 このテーマは自分に手の負えない内容な気がしますが。。。今の自分なりの考えをまとめてみようと思います。参考になれば幸いです。間違っている内容もあるかもしれませんがご容赦を。もっと精度の高い組手の知識はご自身のジムの先生に聞いてみてくださいm( _ _)m

・足を使って組手をする意識を持つ

・とりあえず足を一本またぐ(ハーフにする)

・「まず組手を作ってから動いてアタック」はNG
→動いてアタックしながら組手を作る。
→中腰や膝立ちで足を止めて手だけで組手争いをしてもなかなかとれない

・そんきょベースや片膝立ちベースなら、「まず組手を作ってから動いてアタック」ができる。足を組手争いに使える

・基本的に膝立ちはNG。足を使えない

・足を持てたらすぐに動く。遅いと袖を取り返される。

・足のフレームを突破してないのにいきなり上半身(首、脇)を取りにいかない。

・相手が襟や袖を取りに来る時がチャンス。そこを狙って足を持ったり、足をまたいだりする

・低い位置の襟を持たれていてもあおれないしフレームにもならない。あまり怖くないので無視してOK。むしろあまり有効でない浅い襟グリップに相手の手を使わせている状況。その相手が浅い襟を取っている間にこちらはもっといい組手を取れる。

・両足担ぎとトレアナに頼りすぎない。組手が上達しない

・ルースパスを活用して、リテンションに相手の足を使わせる。相手の腹筋と足が疲れてきたら距離を詰めていい組手を作る

・とにかく詰める意識を持つ。遠いと相手の足が効いてくる

・ボディロックで固定して距離を詰めてからじっくり組手を作る

まだまだたくさんありますが、とりあえずこんな感じで。

まとめ とにかく上も足を使う、相手に足を使わせない

 組手争いは、上がいかに足を使えるか、下に足を使わせないか(4対2を2対2にするか)が大事だと思います。

 「組手争い」という単語がもともと柔道の襟と袖を手で取りあう攻防を指していたので、イメージしづらいですが、柔術の組手争いは足の攻防が大事だと思います。

 白帯の方で「いいところ」持てないなあ。と感じている人は足を使う意識を持つか、一本跨いで相手の足を無効化させて組手争いをしてみるとブレイクスルーできるかもしれません。

参考になったら嬉しいです。

2023/11/16 アンディ

次回の中編はトップアタックのバリエーションを増やす内容を書く予定です。


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