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✿初めてでもお花を美しくいける方法(3)花の太陽になりましょう

これまで、はじめてでも美しく楽しくお花をいけることのできるポイントとして、
・花との会話を楽しむ
・花の表情を楽しむ
ということをお伝えしてきました。

✿お花をいけるときに知っておいていただきたいこと(1) 花との会話を楽しむ
✿お花をいけるときに知っておいていただきたいこと(2) 花の表情を楽しむ

花との会話・コミュニケーションの第一歩は、「花をよく見る」こと。
一つ前の記事では、実際に花とどんな会話を交わし、何を受け取って、何に気づいていくのか・・・。私と花の秘密の会話の一部をお伝えしています。

今回は、第2回でも触れた「花を見る」ときのヒントについてお伝えしていきます。

✿お花の表情ってよく分からない・・・

前回まで、花をいけるときにお花を手にとったら、まずはお花の表情をよく見てみましょう、ということをお伝えしてきました。
花をよく見ることは、花に心を寄せ、花を生かすことの第一歩です。
花を正面からだけ見るのではなく、いろんな方向、角度を変えて見ていると、花には様々な表情があることに気づきます。花を様々な方向から見ているうちに、あなたに一番しっくりくる向きや一番好きな角度が見つかってきます。

でも、いくらくるくるお花の向きを変えてみても、お花の表情の違いがあまり分からない、どの表情がよいのか決められない・・・というように、最初のうちはなかなかピンとくるアングルが見つけられずに迷ってしまうこともあるかと思います。
でも、大丈夫。ぜひ試していただきたい、お花の素敵な表情を見つける方法があるのです。

✿花は野にあるままに

いけばなでは、自然の中で咲いていた花の姿、植物が生長する姿をそのままをいかすことが、基本の姿勢とされています。
そこでまずは、花が自然の中で咲いていた時の様子を一緒に思い浮かべてみましょう。
自然の中で生きる植物には、空気と水、そして太陽の光が必要です。中でも太陽の光は植物の生長に大きな影響を与えます。例えば、同じ1本の木の中でも、真上から光を浴びて育つ枝は上へ上へと梢を伸ばし、上からの光が遮られた所で横から光を浴びて育つ枝は上ではなく横へ横へ伸び広がっていきます。
太陽の光に向かって枝を伸ばし、葉を広げ、花を咲かせて育つ。それが植物の自然そのものの姿です。

✿花の太陽になりましょう

そんな自然の姿をそのままいかすために、まずはあなたがお花になって、太陽に向かって伸びていくところを想像してみましょう。
頭で想像するだけではなく、実際に自分の身体が一輪の花だと思って、太陽の光に向かってぐんぐん伸びていくと想像してみてください。お顔の向きが、空へ向かって自然に上がっていきますね。

そのまま意識を変えて、今度はあなたが太陽になったつもりで、目の前のお花を見つめてみてください。あなたから太陽の温かな光が注がれて、花がとっても喜んでいます。

花の目線になって、太陽の目線になって、また、花の目線になって、、、
そんなふうに、花になって太陽になってを繰り返しているうちに、次第に、目の前の花が自分の方に向かって伸びてくるような感覚が芽生えてきます。光に向かう植物の生命の力を自然に感じられるようになってくるのです。

本物の太陽と花の関係のように、ただ素直に、自然に、互いの存在を生かしあう。
まずは、花の美しさを探そうとせず、ただシンプルに、花とのふれあいを、あなたの身体の感覚で味わってみてください。
花から「ありがとう」という優しい声が聞こえてきたとき、そこには、あなただけの美しい花の姿が現れていることに気づくでしょう。

そして、太陽になって花を見つめた眼差しで、そのまま、あなたの周りの人達や暮らしの景色や出来事を見つめてみてください。きっと、いつもよりも和かで温かな気持ちで一日を過ごすことができることでしょう。
それは、小さな生命に心を寄せてくれたあなたへの、花からの贈りものです。

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✿今日の花からのメッセージ✿
「お日様の光を待つように、花はいつもあなたの光を待っています。そして、その光であなたの心を照らすのを待っています。」

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