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✿初めてでもお花を美しくいける方法(2)花の表情を楽しみましょう

前回に続き、初めてでも美しく楽しくお花をいけることのできるポイントをお伝えしますね。

前回は、お花を生けるとき、ただ器にお花をいけて美しく飾るだけでなく、花をいける行為そのものを楽しんでいただきたい、「花との会話」を通して花との触れ合いを心で感じていただきたい、ということをお伝えしました。

花の心に触れること、それは人との触れ合いと同じ。花とのコミュニケーション。
我々人間に置き換えてみると、コミュニケーションの第一歩は、まず「相手を知ること」ですよね。お花とのコミュニケーションも同じ。まずは、目の前の一輪の花を知ること、つまりよく見ることが大切です。

実際に、目の前のお花を手に取ったら、どんな向きがきれいに見えるかな?どんな長さだとバランスがいいかな?と心の中で尋ねながら、そのお花をいろんな角度から、よく見てあげてください。

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茎をくるくると回しながら、花の向きを左右に少しずつ変えてみたり、

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そのまま少し角度を傾けてみたり、

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さらにぐっと傾けてお花の顔をのぞきこんでみたり、、、

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一輪一輪の花が持つ表情は様々。少しの角度や向きの違いで思わぬ表情を見つけることもあります。
また、同じ花でも、そのときどきの花びらが持つ色の濃淡や開き具合によって表情を変えて、一瞬一瞬の美しさを見せてくれます。

今、この瞬間、あなたはどんなふうに見られたい?どんな方向に伸びたい?どんな向きが好き?と、お花のと会話を楽しむつもりで花の表情をじっくり見つめてみましょう。
そうやって一輪の花が見せる色んな表情を楽しんでいるうちに、
「あ、この向きが素敵だな、この傾きがきれいに見えるな・・・」と、あなたの好きなアングルがきっと見つかるはず。
まずは、花を見て感じるままに、花と触れ合いの時間を味わってみてください。

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少し話はそれますが、私は花を見てお話していると、なぜか理由もなく、目の前の花に「ありがとう」と囁きかけたくなります。花瓶のお花にも、花壇や植木鉢のお花にも、道端のお花にも。
花はそこにただあるだけで、癒しと元気を与えてくれる存在。そのことに、自然と感謝の念が湧きあがってくるのかなと思います。


花を見つめ、花の声に耳を澄ます。
それは、技術や知識がなくとも、誰にでもできること。
同時にそれは、花に心を寄せて花と一つになる、「いける」という真理の道の始まりです。
どうぞ、一輪の花を見つめることを通して、日々の暮らしの中の豊かなひと時を楽しまれてくださいね。


✿今日の花からのメッセージ✿
「目に映る姿。心に映る影。そこに浮かび上がるものは、花を見つめるあなたの心かもしれません」


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ikebana & flower salon "& Serenity" 文香

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