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反田恭平のピアノ・ジャム!より 小曽根真が「好きなコードはオルタード」と聞けば…藤井風に繋がった話
反田恭平が小曽根真氏と対談する日が来るなんて!今、クラシックのピアニストで一番注目している反田恭平と、子どもの頃から敬愛する小曽根真さん。これはディープな話が聞けそうだ。とんでもない番組に心躍らせた。
反田恭平が小曽根真さんと対談する日が来るなんて!
— あんこ[編集/ライター] (@sicertopiace) August 23, 2022
めちゃくちゃディープな内容になってきた。じっくり聴き直そう。
反田恭平のピアノ・ジャム! - NHK いま最も勢いのある若手ピアニスト、反田恭平がMCとなり、古今東西のピアノの名曲を紹介する音楽番組。 https://t.co/p0CArFpepN
放送の番組後半、小曽根真氏がゲストの部分を聴き直してみると、とても興味深い内容だった。
反田恭平のピアノ・ジャム!
- NHK いま最も勢いのある若手ピアニスト、反田恭平がMCとなり、古今東西のピアノの名曲を紹介する音楽番組。
反田恭平の質問が最高だった。
「小曽根さんがかっこいいと思うコードが知りたい」
対して小曽根氏
・基本的にブル-スが好きなのでセブンスのドミナント
・ジャズ屋が好きなのはブルースにつながるオルタードのコード
・ハ長調なら G、F、B♮、E♭、F、B♭
・G7なら普通だが、ジャズならオルタード
(ふつうのG7に比べて)酒とタバコの香りがするような、反田が「初めてウイスキーの匂いを嗅いだような気分」、という表現には「なるほど」と思った。
カフェで飲んでいたオレンジジュースが、バーでウイスキーグラスを傾けているような大人っぽい響きに変化する。
移調に関する話
移調に関する話が面白かった。
反田恭平は絶対音感なので移調は苦手らしい。Fの音が好きで、ヘ長調やヘ短調も好き。小曽根氏は相対音感。
音大で教鞭をとる小曽根氏。移調演奏を教える時は
・ニ長調なら半音上げる。移調は(コードの)ボイシングを半音ずつ上げて弾かせる。
・手(の形)で覚えさせる。(コードのポジションを押さえているうちに、手の形と響きで覚える)
・歌の人が「今日は風邪ひいて調子悪いから半音下げて」と言われてもできるよう、地道にトレーニングをする。
反田恭平が「移調は得意ではない」と言っても、ある程度ならできるだろう。しかし、やはり移調演奏は、絶対音感が優れているだけではできない。相対音感と慣れが必要で、通常の演奏テクニックとは別の能力なのだ。
さて、先ほどの小曽根氏がカッコいいと思うコード、
G、F、B♮、E♭、F、B♭(下から順に積んでコードを鳴らすと……)
藤井風の「優しさ」
のイントロに出てくるコードっぽい?
待てよ、「オルタード」と言えば……
思い出したのが、2020年にYaffle氏がJ-waveで放送していたこの番組の内容。
<Yaffle>あの子(藤井風のこと)やっぱりオルタードとか大好き。全部 #11とか ♭9とか
そうだ!藤井風も
「オルタードが大好き」
なんだった。
(オルタードとは、♯や♭のついたテンションコードのこと)オルタードテンションは、♭9、♯9、♯11、♭5、♯5、♭13の6つがある。
・ジャズ屋が好きなのはブルースにつながるオルタードのコード
D♭add9/F G7(+9)(-13)(omit5) F7(+9)(-13)
など藤井風の楽曲には、分数コードがたくさん使われている。
オルタードスケールは全音を多く含むので、ホールトーンスケール(全音音階)っぽさも感じる。ペンタトニックスケール(ヨナ抜き音階)はジャズのブルーノートスケールにも繋がる。
藤井風の楽曲は、これらのスケールを多用している。
そのため、彼の楽曲は、ジャズや近現代のクラシック的な浮遊感のある和声進行(コードワーク)で調性浮遊感と自然な転調が心地良いのだろう。
わたしがハマるアーティストが作る曲は、だいたいこの2つがポイントとなっている。子どもの頃からずっと「音楽的な好みがブレていない」ことも再認識できたような気が。
しかし、一体どうして調性浮遊感がこんなに好きなんだろう……。また改めて深堀りしてみようっと。
藤井風さんのこと、いろいろ書いてます。
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