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海なし県・山梨県のフシギ

気が付けば、4か月ぶりの更新になります。
書くネタはあったのですが、他の雑務に追われるうちに師走となってしまい・・・
これからもボチボチやっていきます。


人生初、甲斐国かいのくに

 今年、人生で初めて山梨県へ行ってきました。
たった47しかないのに、まだ行ったことのない都道府県はいくつかあります。甲府こうふ市で開催される会合に参加したのですが、まず最初に頭をよぎったのは、

『甲府ってどうやって行ったらいいの??』

 乗換案内で調べると、①名古屋から塩尻(長野県)経由、②新幹線・静岡から身延みのぶ経由、③東京まで出て新宿経由と色々出てきます。結局、乗り換え回数が少ない静岡経由にしました。
 写真は静岡~甲府間を結ぶ特急「ふじかわ」です。ベタですが、球児きゅうじではありません。富士川からきています。

たぶん初めて乗る形式だと思う

 373系という1995年に投入された車両なので、もう30年近く走っていますが、思ったほど乗り心地は悪くない。
 9月に乗ったはくも、じゃなくて「やくも」(381系)に比べれば、全然問題ありません。
 さて、行きの車内の様子はご覧のとおり。帰りはもう少し乗車していましたが、各番号の隣の席はだいたい空いていました。

新幹線とは違ってシートが分厚い!

 山梨といえば、まず富士山、ぶどう(とそこから作るワイン)、武田信玄(と信玄餅)、シャトレーゼ(菓子製造・販売)が浮かびます。あと、う~ん・・・田原俊彦(甲府市出身!)かなぁ?
(ヤバイ、思いっきり昭和が出てしもた💦)

 最近でいえば、アニメやドラマにもなった「ゆるキャン△」の舞台が山梨です。2020年には、JR東海と同アニメがコラボした臨時列車「ゆるキャン△梨っ子号」が延べ4日間運行されたそうで、その時の座席は即完売だったとか。

https://www.yamanashi-kankou.jp/kankou/event/nashikko-machimeguri.html?fbclid=IwAR2X8Or9_2N8HtwdQjhPhz8mILpH2F3xR6CKvLtwDfmQwf6OMO2_ua4TMKQ

 車窓から時々雄姿を現す富士山に、思わずスマホを向けるも、移動する車内からなかなかベストショットを決められず。
 静岡の岳南電車を見に行った時もそうでしたが、麓には工場群もちらほらあって、富士山をバックに工場景観的な写真も偶然撮れていました。

スマホの反応が遅くベストショットが少ない
富士山はつい見とれてしまう威厳があるなぁ


想像を超える美味さ

 さて、甲府駅に着いたらまず腹ごしらえをしようと、到着前に駅前のグルメをググってみると、いくつかの候補の中にお寿司屋さんが。

『海なし県なのに寿司屋か~?』

と一瞬思いましたが、以前テレビか何かで海なし県なのに寿司が美味い、みたいな話を観た記憶がありました。甲府だったか覚えていませんが、グーグルのレビューもなかなかだったので、とあるお寿司屋に決定!

 駅から大通りを南に歩いて5分ほどの所にある、若鮨わかずし甲府駅前分店さん。一見、お寿司屋さんと思えないオシャレな店内。レビューにもあったとおり、それなりに混んでいて、店員さんに

『ちょっとお時間かかりますけど・・・』

と言われましたが、ここで引き下がったら来た意味がない!

『大丈夫です、待ちます!』

と覚悟を決めます。

 ほどなくして席が空いたのでラッキーでしたが、周りの席では注文した品を待っているお客がチラホラ。かなり待たないとダメかも・・・と心配していたら、案外早く出てきました。

 写真は、エキワカ昼にぎり・吸い物付き(税込1,100円)です。ネタも大きくて歯ごたえがありましたが、マグロのとろけるような食感に驚きました。
 お世辞抜きで、関西で食べるより美味いかも!?玉子にいたっては、シャリよりも大きくて座布団のごとく下に敷いてあるぞ!

どれもネタが大きい!

 なかなか満足度の高いランチでございました・・・


海なし県なのに、なぜ寿司屋が多い?

 それにしても、海なし県なのにどうして寿司が美味いのか?会合の後、地元の大学教授に伺うと、山梨県は人口当たりの寿司屋の数が全国一だとか。よそから来た客をもてなす時に、寿司屋をよく使うらしい。

 もっと他に理由があるかも・・・と後で調べると、江戸の終わり頃から駿河するが湾で獲れたマグロを山梨や長野に馬で運んだらしく、甲斐と駿河を結ぶ最短距離ルートを中道往還なかみちおうかん、あるいは「魚の道」「塩の道」と呼んだそうです。甲府周辺は、この道を使って生魚を腐らせずに運べる限界(魚尻線うおじりせん)に相当するんだとか。

 ただ、生魚といっても日持ちさせるために酢でしめたり、塩ゆでしたり、醤油に漬け込んだものを運んだことで、刺身ではなく寿司文化が発展したのです。

 あと、寿司屋が多い理由がもう1つあります。無尽むじんという風習です。あまり聞き馴れない言葉ですが、頼母子講たのもしこうとか、単に「講」などと呼ぶ地域もあります。
 さかのぼれば、鎌倉時代からある互助扶助そうごふじょの地域金融のしくみのようです
(たしか、英国にも個人向けの超小口金融の「クレジットユニオン」があったなぁ)。

https://www.nhk.or.jp/matsuyama/insight/article/20221209-1.html

 大人が数人集まってお金のやり取りをする場として、寿司屋の座敷が使われたそうで。それが次第に「飲み会」「旅行」など、娯楽性の高い集まりに変わっていったとのこと。

 単に人が集まる場に適していたとはいえ、やはり寿司屋には生魚へのこだわりが凝縮しているように思います。
 余談ですが、甲府のスーパーマーケットでは「白身魚を置いてもあまり売れない」という話もあるくらい。静岡のような魚種の豊富な場所と違って、山梨で生魚はハレの日に食べるご馳走であって、とりわけマグロへの執着が強いみたいです。

 お昼にいただいた寿司ネタの中で、マグロの美味しさに一番驚いたのも、連綿れんめんと受け継がれた目利めききの鋭い県民性の表れかもしれません。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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