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排泄運動

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日常の速記。食べて、咀嚼して、排泄する。
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2021年7月の記事一覧

意味ない仕事するくらいなら切腹したい

意味ない仕事するくらいなら切腹したい

或る人に「あなたは仕事に意味を求めすぎている」「仕事に意味をつけるのは自分だ」という正論を訥々と聞かされて、久しぶりに心のHPポイントがゼロになった。ここで試合終了のゴングが鳴る。

私は世の中の大半の仕事ができない。今も昔も自分の経験に根差して「これは自分または社会に絶対に必要だ」と思えることしかどうしてもできない。文明が無闇に進むのは反対派で、先住民の暮らしにずっと憧れていた。資本主義の発展に

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元恋人の話、取り扱い注意にて

元恋人の話、取り扱い注意にて

「あなたってよく元恋人の話をするよね」と最近親しくなった人に言われて、一瞬考えこんだあと、そりゃそうだわと思った。20代の大半を共に過ごし、良くも悪くもたくさんの影響を受けてきたわけだから、私の話をしようとすると必然的に元恋人の話が出てきてしまう。

生きづらい世の中であることは分かってはいたけれども、どう生きれば分からなかった頃、インドをふらふら旅をしていて出会ったのが元恋人だった。当時幼かった

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同棲の終わり、ペットの忌引

同棲の終わり、ペットの忌引

同棲の終わり、ときいて思い出すのは西日が射す空っぽになった部屋に2人で横たわっていときのこと。その頃の私にはすでに泣き叫ぶ体力なんて残っていなくて、元恋人の胸に顔をうずめて静かに涙を流すだけだった。ずっと私を安心させてきたこの匂い。

冬の日の入りは早く、部屋がだんだんと暗くなる。もうこの家には照明すら残っていなかった。夜の気配が漂う玄関先で、これまでもそうしてきたように、彼にハグとキスをして私は

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夢は忘れた頃に叶う

夢は忘れた頃に叶う

2008年、当時18歳だった私は地球の裏側のアルゼンチンの愛に溢れた家庭で多感な時期を過ごした。

いつまでもラブラブな両親と三つ子のように仲良しな兄弟(上から女17・男16・男15)、それから大きな黒いラブラドールと小さい三毛猫というのが、その家族の構成だった。それに日本からやってきたスペイン語も喋れない私。

それだけでも充分賑やかなのに、家の扉はいつでも開け放たれていて、夕方になると親戚やら

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