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第153回:「チョイ足し」は日常を楽しくする魔法かも(相沢泉見:『貴公子探偵はチョイ足しグルメをご所望です』)

こんにちは、あみのです!
今回の本は、相沢泉見さんのライト文芸作品『貴公子探偵はチョイ足しグルメをご所望です』(ポプラ文庫ピュアフル)の第1巻です。
この本はnoteでフォローしてる方の感想文を読んで「面白そう!」と思って読んでみました。

「食」をテーマににしたミステリーって結構ありますが、「チョイ足しグルメ」に注目した作品は今作が初めてで新鮮でした。作中に出てくるレシピは手間のかからないものが多かったので、料理をより身近に感じやすい内容でもあるかと思います!(もちろんミステリー要素も楽しいよ)

あらすじ

苦しい家計を助けるため、住み込みの家政婦をしている三田村一花は、豪邸に暮らす金髪の美少年・東雲リヒトのもとで働くことになる。
リヒトは天才的な頭脳を活かし、お金持ちから持ち込まれる事件を解決していた。母を亡くした過去から食への興味が薄いリヒトに、一花は得意のチョイ足し料理をふるまう。身近なものをチョイ足すことで美味しくなるその料理がヒントとなり、リヒトは厄介な謎を解き明かす――!?

カバーより

感想

謎解きの鍵は身近にあるもので簡単に作れる「チョイ足しグルメ」。バニラアイス×七味唐辛子、カップラーメン×ポテチなどなど、今すぐ試したくなるレシピも満載でした。いろんなチョイ足しグルメを知っていたら、普段の食事がもっと楽しくなりそうだなと思いました。

そんな魅力的なチョイ足しグルメを手掛かりにし、リヒトと一花は訳ありな一族たちが抱える闇の深~い謎に挑んでいきます。味が変わったデザートの謎、ある一族が大切にしている宝石の行方、それからリヒトの初恋にまつわるエピソードも?

気軽に楽しめるミステリーながらも、各エピソードの背景に隠されていた真相ではお金持ちならではの闇を感じたところもありました。それにしても作中で使われていたトリック、可愛いものが多くて笑ってしまいました。

今作を読んでいて凄く感じたのが、値段が高いもの=美味しい、とは限らないということです。

普段は食欲のないリヒトがチョイ足しグルメを美味しく食べる姿は見ていてとても幸せな気持ちになりました。また貧しい生活をしてきた一花にとってチョイ足しグルメは、ひとつの現実逃避のようなところもありました。

確かに時には高級なものを食べて贅沢したくなることもありますが、2人がチョイ足しグルメを楽しむ姿を見ていると、わざわざ高いものに手を伸ばさなくても美味しいものって身近にたくさんあるんだなと思いました。

ちなみにリヒトがチョイ足しグルメに興味を示したのにはどうやら母の手料理の味が関係しているみたいです。彼の思い出の料理とは一体なんなのか?シリーズの重要な謎になりそうです。

最後に高校生の頃、今作のようなタイプのライト文芸シリーズをよく読んでいたので、なんだか通学時の電車の中でいろんな作品を読んで楽しんでいた時のことを思い出した1冊でもありました。ちょっと懐かしい感じが味わえるこのシリーズ、もっと続いてほしい。2巻も既に出ているので、近いうちに読めたらいいなと思います!

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