第17回：付き合ってから始まる物語も悪くない

おはようございます、あみのです。今回の本は、羽場楽人さんのライトノベル作品『わたし以外とのラブコメは許さないんだからね』（電撃文庫）です。最近ラブコメ作品が続いています笑。

今作は「恋人から始まるラブコメ」というのが最大の特徴です。私は付き合うまでの過程を見ている方が好きなタイプなので、「付き合ってからの話って本当に面白いのか？」と作品の存在を知った時は疑っていました。（羽場さん、ごめんなさい）

そんな私がどうして今作を読もうと思ったのかというと、先日レーベル公式の作品紹介のプロモーションビデオを何気に見て、とてつもなく内容に惹かれたからです。PVのクオリティはもちろん、メインキャラクター2人のやりとりが聞いていて楽しくて、自然に小説の方も読んでみたい！と思えてきました。最近、PVで作品の魅力を伝えるラノベレーベルが増えているので、こういった短時間で雰囲気を掴める紹介は凄く本選びの参考になります！

あらすじ（カバーからの引用）

　冷たい態度に負けずアプローチを続けて一年、晴れて想い人に振り向いて貰えた俺。クラスの誰をも寄せ付けようとしなかった孤高の美人、有坂ヨルカと彼氏彼女の関係になったのだ！しかもあれだけツンケンしていたくせに、本当は俺のことが大好きだったらしい！
「わたしの方が好きに決まっているのに、それが伝わってない気がする」
　え、このカワイイ存在ヤバくない？
　強気なくせに恋愛防御力0な彼女にイチャコラ欲求はもう限界！だけど人前でベタベタするのは禁止？さらに秘密の両想いなのに恋敵まで現れて……？
　恋人から始まるラブコメ爆誕！

ちなみに私が惹かれたPVはこちらです

感想

まず、ヒロインのヨルカというキャラクターがめちゃくちゃ可愛かったです。ヨルカも実は、告白される以前から主人公の希墨（きすみ）のことが大好きなのですが、両想いになってからも彼と付き合っていることに対して、控えめな気持ちなところがありました。ツンツンしているヒロインが、真剣に主人公に恋している姿を見るのは本当に楽しいです笑。

一方の希墨はヨルカのことが大好きすぎて、彼女のやや際どめな質問にも真剣に答えるし、とにかくヨルカという可愛い恋人がいることを誇りに思っています。ヨルカのツンツンしたキャラクターと、希墨の真剣な愛情の化学反応にたまらないほど愛おしくなるラブコメでした。

前半はヨルカと付き合い始めてただただ嬉しい希墨の様子が多く描かれていた印象でしたが、後半は希墨にフラれた女友達の話題が出てきたり、ヨルカが希墨への本気の愛を見せたりと読めば読むほど面白さがわかる作品でした。中でも球技大会で希墨を応援するヨルカの姿にはめちゃくちゃ胸が熱くなります！両想いならではの苦難とか恋人の素敵なところを発見していた部分とかは、「付き合うまでの過程を描いたラブコメ」では味わえない面白さだと思いました。苦手な作品かと思ってたけど、これはこれで悪くなかった！

今作は希墨とヨルカの甘々な恋人生活をひたすら楽しむ内容ですが、個人的には希墨にフラれている女友達（朝姫＆ひなか）目線のエピソードがもっと読んでみたいなと思いました。ヨルカだけでなく、他ヒロインの希墨に対する気持ちや思い出を知ったら、また違ったシリーズの楽しみ方ができそうです。

クラスにも交際が認められ、2人だけの世界を広げている希墨＆ヨルカですが、幸せいっぱいの2人に更なる試練はあるのでしょうか？シリーズ化している作品なので、機会があれば続編の方も手にしてみたいですね！（ヨルカのお姉さんもなかなか意味深なキャラクターだと思います）読んでいる方も幸せいっぱいになるとても楽しい作品でした。