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第81回:恋人がいる人を好きになってしまったらどうする?

こんにちは、あみのです。今回の本は、あまさきみりとさんのライトノベル作品『彼女にナイショの恋人ごっこ。』(角川スニーカー文庫)です。

今作は、彼女持ちの主人公とそんな主人公のことを好きになってしまった女子高生の「不純ラブコメ」です。前に読んだ同作者の『キミの忘れかたを教えて』は感動系・切ない系の作品だったので、既刊とのギャップにまず痺れる作品でした。

もし恋人をいる人を好きになってしまったら自分ならどう行動するか?そのようなことを想像しながら読んでほしい1冊です。

あらすじ(カバーより)

 大野一郎には彼女がいる。大人気アイドル・小犬沢彼方だ。しかし多忙から会えない月日が重なり‥‥‥恋人ってなんだろう、そう考え始めた時期だった。コンビニでバイトをする女子高生・猫平桃子が、恋愛相談の相手になったのは。「わたしと”恋人の練習”してみましょうか。彼女さんを、他の誰かに奪われないように」彼方を繋ぎ止めたい一心で、一郎は桃子に”理想の恋人”を教わることに。手を握るのは彼氏から。ハグくらい恥ずかしがらないで。キスは――誰にもバレないように。秘密の練習(恋人ごっこ)を重ねるたび、増える彼方の笑顔。そして近づく桃子との距離。それは甘くて、あやうい恋の始まりだった――。

感想

設定からして危険な匂いが漂う作品。彼方となかなか会えないことに寂しさを抱える一郎、彼の寂しさに付け込んで急接近を目論む桃子(通称・ノラ子)。シャボン玉のように少し触れたら壊れてしまいそうな恋愛関係にドキドキする作品でした。

とにかくノラ子が印象的なキャラクターとして描かれていて、彼女の神出鬼没ぶりにはややゾッとしたけど、裏で抱えていた家庭の事情などを知ると、ノラ子にとって一郎という人物は、辛い現実から逃げるためのひとつの「居場所」のような存在でもあったのかなと思いました。

彼方という素敵な恋人がいる一郎だけど、恋人から奪ってでも一郎とずっと一緒にいたい。そんなノラ子の恋は叶うのでしょうか。一郎との関係に熱く燃えるノラ子の恋を私は応援したくなりました。

ちなみに私がもしノラ子の立場だったら、一郎への恋心は諦めて彼方との幸せを願ってしまうと思う。恋人がいても自分の感情に諦めないノラ子の前向きなところ、凄く惹かれます。

一方の彼方もアイドルのときの可愛さと、一郎と一緒にいるときに見せる可愛さと2つの魅力を兼ね揃えたキャラクターで、こちらの関係も長く続いてもらいたいなと思いました。ノラ子の恋も叶ってほしいけど、これまで通り一郎は彼方と恋人同士でいてもらいたいし…なんだか複雑な気持ちになります。

今作はノラ子と彼方が主なヒロインとして登場しましたが、あとがきによると彼方と同じグループに所属するブッキーもこの物語に大きく絡んできそうな予感がしますね。続編が出るのであれば、個人的に彼方サイドのエピソードがもっと読んでみたいです。アイドルとしての日常とか見てみたい。

ドロドロした関係というよりは、むしろ登場人物それぞれの純粋な恋愛感情をたくさん味わうことができた作品でした!片想いの話、もしくは両想いのイチャイチャを描いた話も好きですが、今作のようなジャンルも刺激的でいいですよね。

***

今回の感想文をここまで読んで頂き、ありがとうございます。危うくも純粋な恋愛感情を摂取したい人はぜひ読んでみてください!

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