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第19回:新たなラノベの形に期待が高まる1冊に出会いました

ズドラーストヴィーチェ、あみのです!今回の本は、燦々SUNさん(「さん」がいっぱい)のライトノベル作品『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』(角川スニーカー文庫)です。読む前はいくらラブコメが流行っているとはいえ、設定のネタ感が凄いなと思っていました笑。

実際に読んでみると、小説というよりは漫画を読んでいるような感覚に近く、非常に読みやすいと思いました。小説自体もとても良いのですが、個人的には特設サイト上の試し読み漫画や動画を見てからの方がより作品の魅力が理解できると思います。下記に特設サイトのリンクを貼ってみたので、今回の感想で関心を持たれた方はぜひ覗いてみてください。


あらすじ(カバーより)

「イ ナ ミニャトージェ  アブラチー ブニマーニエ(※注:実際のカバーではキリル文字で書かれています)」
「え、なに?」「別に?【こいつホント馬鹿だわ】って言っただけ」「ロシア語で罵倒やめてくれる!?」俺の隣の席に座る絶世の銀髪美少女、アーリャさんはフッと勝ち誇った笑みを浮かべていた。……だが、事実は違う。さっきのロシア語、彼女は【私のことかまってよ】と言っていたのだ!
 実は俺、久世政近のロシア語リスニングはネイティブレベルなのである。そんな事とは露知れず、今日も甘々なロシア語でデレてくるアーリャさんにニヤニヤが止まらない!?全生徒憧れの的、超ハイスペックなロシアンJKとの青春ラブコメディ!

感想

あらすじの通り設定が凄くぶっ飛んでいた作品でしたが、これも「ライトノベル」ならではの面白さの引き出し方なんじゃないかなと思います。さりげなくロシア語で政近に好意を示すアーリャさんと、本人は気付いていないと思っているロシア語の意味に実は気付いている政近のやりとりがとても面白く、時にニヤッとしてしまう賑やかな作品でした。

アーリャさんは秀才ではあるけれど、一方で周りとの価値観の合わなさに不満を持って生きてきたところがありました。日本で政近に出会い、次第に惹かれていったことは、彼女としての人生の大きなターニングポイントであったと思います。アーリャさんが時折放つロシア語からは、政近にとっての特別な女子になりたい!という想いがよく伝わってきました。

ロシア語を駆使し、日々こっそり?政近に思いを伝えるアーリャさんも魅力的ですが、個人的には有希というサブヒロインの存在もまた見事だと思いました。昔から政近のことを知っているということもあり、恋人のような距離感で彼と仲良くする有希に対して、勝手な想像を繰り広げるアーリャさんの姿が凄く可愛かったです。

政近と学校で何気ないやり取りを繰り広げたり、政近&有希と激辛ラーメンを食べに行くことになってしまったりなどと、アーリャさんの日々のリアクションは読んでいるだけで本当に楽しい気持ちになります!ただ激辛ラーメンの辛さに絶叫するアーリャさんのシーンでは、「政近、アーリャさんを助けてあげてよ…」と本気でツッコミたくなりましたが。

あと、終盤の挿絵のアーリャさんのロシア語セリフ、読んだ方はぜひ翻訳アプリなどを使って訳してみてほしいです。私も読了後に訳してみたのですが、政近への愛がこもった最高の一言にニヤリとしました笑。口絵など至るところにロシア語が散りばめられていたので、翻訳してみるとまた違った楽しみ方ができると思います!

今まで読んだことのない斬新な設定のラブコメ。設定や表現が漫画っぽいと感じたので、本格的にコミカライズ連載したらもっと作品の面白さが引き出せるのでは?と個人的には思いました。続編の発売も決定したそうなので、まずは近いうちにアーリャさんたちに再会できることを楽しみに待ちます。

それでは今回も「スパシーバ」!

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