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網中裕之 フリーライター 1958年生まれ。早稲田大学教育学部卒業。 13年の出版社勤…

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網中裕之 フリーライター 1958年生まれ。早稲田大学教育学部卒業。 13年の出版社勤務の後フリーに。 月刊誌のインタビュー記事を15年担当するなどライターとして活動。 オープンカレッジの「文章教室」を10年担当。 若い人にすこし手伝ってもらい、noteを始めます。

最近の記事

第19回「妄想を書いてみよう」

文章練習の題材心の中でお題探し  文章を書く練習をしようと思いたったはいいものの、さて何を書いていいのか分からない。好きなことを書けばいいと言われても、なかなか難しいものです。まずは書く題材を探さなくてはなりません。  そんなときにお勧めの題材があります。それは「妄想」です。誰もが心の中で、密かに抱いている夢や希望というものがあるでしょう。こんな自分になったらいいな。あの人みたいになれたらいいな。今よりもっと周りに認められたいな。などなど、叶わぬと思いつつも、つい人は心

    • 第18回「男性脳と女性脳」

      男女の脳には違いがある?  男性と女性では脳の働きが違っている。それぞれの脳には特徴がある。男性脳と女性脳。そんな書籍がよくみかけられます。この男女の違いは、昔からよく言われていたものです。たとえば男性は抽象的な概念を理解することが得意で、女性は抽象的なものを理解するのが苦手だ。女性はより具体的なものを求める傾向がある。そんな言い方がされたものです。  あるいは女性は地図を見るのが苦手だ。紙の上に書かれた地図では地理的なイメージが湧かない。もっと具体的な建物の名前や

      • 第17回「受け売りの文章はばれる」

        そのアウトプット・・・ちょっと待った!知識を得た喜びか、優越感か 毎日のように新しい情報が入ってきます。これまで知らなかったことが、さまざまな方法で入ってきます。会社の中で同僚と話していても、「へえ、そんなことがあるのか」と思うようなこともあるでしょう。読書をしていても、そこにはこれまで知らなかったことがたくさん書かれています。ぼーっとテレビを観ていても、ちょっとした知識を得ることもできます。 それらは知的好奇心を刺激してくれますから、とても良いことだと思います。 しかし

        • 第16回「人間観察は面白い」

          若者たちを描いた名作ドラマの脚本は、どう作られたか 「ふぞろいの林檎たち」というドラマをご存知でしょうか。もう30年も昔のドラマですから、若い人は知らないかもしれません。この作品を書いたのは脚本家の山田太一さん(2023年没)。  主人公は三流大学に通う三人の青年。三流大学というコンプレックスを抱えながら大学生活を送っています。大学を卒業して社会人になってからも、彼らのコンプレックスは消えることはありません。それでも胸を張って生きて行きたい。それぞれの若者が抱えるコンプレッ

        第19回「妄想を書いてみよう」

          第15回「写真に頼らない『食レポ』を書いてみよう」

          気軽に共有できる「食」の楽しみ 誰でもレポートができる「食」  テレビをつけると、おいしい食べ物を紹介する場面がよく観られます。レポーターたちが美味しそうに食べながら、その魅力を言葉で言い表しています。いわゆる「食レポ」と呼ばれるものです。  街中の店に入っても、注文した食事をスマートフォンなどで撮影する姿をよくみかけます。食事の写真をSNSなどに上げて、そこにコメントを載せる。今ではテレビの中で行われていることが、一般の人たちでもできるようになりました。「食レポ」は

          第15回「写真に頼らない『食レポ』を書いてみよう」

          第14回「インタビューの心得」 【後編】

          前編はこちらです インタビューのコツ  私はこれまでの編集者時代とライター時代とを合わせると、おそらくは千人を超える人たちへのインタビューをしてきました。 その経験から、私自身が掴んだコツを紹介する回、後編です。 お喋りなインタビュー  前篇では、寡黙な人の言葉を「待つこと」についてお話ししました。  さて、では反対にお喋りな人に対してはどのようにすればいいのでしょう。 一つの質問に対して、すぐさまたくさんの言葉を返してくれる人がいます。インタビューする側とすれば

          第14回「インタビューの心得」 【後編】

          第14回「インタビューの心得」 【前編】

          インタビューのコツ  私はこれまでの編集者時代とライター時代とを合わせると、おそらくは千人を超える人たちへのインタビューをしてきました。十分程度の短いものもあれば、五時間を超えるようなロング・インタビューもあります。さらにそのテーマは多岐にわたっています。 そんな経験から、私自身が掴んだコツを紹介していきたいと思っています。 今回は前後編があります。 メディア・テーマで変わる役割  まずはインタビューといっても、そのテーマによって方法は大きく変わってきます。単純な事実

          第14回「インタビューの心得」 【前編】

          第13回「です・ます調と、だ・である調」

          基本の「だ」、丁寧な「です」  文末の書き方として、いわゆる「です・ます」で終わる書き方と「だ・である」で終わる書き方があります。どちらも書き手の断定を表現する文体ですが、「です」というのは「だ」の丁寧な言い方なのです。 印象の違い  「私はこのように思うのだ」。これを丁寧に言うと「私はこのように思うのです」となります。 確かに「だ」や「である」で終わる文章を読むと、何となく偉そうな感じを受けるものです。そういう意味でも、今使われているほとんどの文章は「です・ます」調で

          第13回「です・ます調と、だ・である調」

          第12回「文章はリズムが大事」

          文章のリズム心の中で「読んで」いる  私たちが文章を読むとき、必ず声に出して読んでいるものです。 声に出すとは、実際に声を出していることではありません。実際には声には出していないけれど、心の中で声に出して読んでいるものなのです。今こうしてこの文章を読んでいるみなさんも、心の中で声を出しながら読んでいるはずです。  さて、このように声に出しながら読み進んでいるときに、何となく読みづらい文章というものがあります。 書いてあることは分かるけれど、何となくすらすらと読むことがで

          第12回「文章はリズムが大事」

          第11回「常にテーマに戻る」

          道標となるテーマ  一つの文章を書くときには、必ずテーマがあります。それは当たり前のことで、テーマなくして文章を書くことはできません。  「今日一日の出来事」「今年の目標」「今自分がやるべきこと」「私の幸せとは」「いちばん好きな食べ物について」などなど、あらゆるものがテーマとなり得ます。このテーマとは、言うなれば文章を書く上での道標のようなものです。 テーマからの展開  さて、そこで文章制作を始めたばかりの書き手が陥りやすいことがあります。それは、あるテーマを決めて書

          第11回「常にテーマに戻る」

          第10回「取材をしてみよう」

          取材は難しい?取材=材料を取ってくる  「取材」という言葉は聞いたことがあると思います。新聞記者や雑誌記者など、メディアの人間がよく口にする言葉です。メディア以外の人間からすると、何となく難しい仕事のようにも思えますが、取材それ自体は別に大層なことではありません。「取材」とはつまり、記事を書くための材料を取ってくるということなのです。  たとえばブログなどで新しい店を紹介するときには、まずはその店に足を運ぶでしょう。その店の雰囲気を味わったり、その店の名物料理を食べたり

          第10回「取材をしてみよう」

          第9回「最初の二行が大事」

          雑誌の中の読まれない記事  たとえば皆さんが本を買う時、小説であれば自分が好きな作家の作品を買うでしょう。そうして買った本は、最初の頁から楽しみに読み進めていくと思います。まあこれは読書としては当たり前のことです。  さて、では雑誌の読み方を考えてみればどうでしょうか。一冊の雑誌の中には、実にたくさんの記事が詰め込まれています。連載小説や連載エッセイなどを始めとして、特集記事や単発記事など、どこから読めばいいのか迷うくらいです。この雑誌、おそらく最初の頁から最後まですべ

          第9回「最初の二行が大事」

          第8回「日常の風景を書いてみる」

          「たくさん書く」練習 文章の上達法は、やはりたくさんの文章を書くことに限ります。いろんな書物を読むと同時に、ともかくパソコンに向かって書いてみる こと。書く量に比例して文章はうまくなるものです。 実況中継的、テーマの見つけ方  そうは言っても、いったい何を書けばいいのか。どこからテーマを見つければいいのか。きっとそんな疑問を持つ人が多いと思います。 何かからテーマを与えられれば書くこともできますが、自分からテーマを探すのは難しい。ついそう思ってしまいます。  私も大学

          第8回「日常の風景を書いてみる」

          第7回「常識って何?」

          誰もが小さな世界で生きている 自分の書いた文章を誰が読むのか。誰に読んでほしいのか。 そのことを常に考えておくことが大事だということは以前の記事で紹介しました。それについて、もう一つ付け加えておくことがあります。 それは、あなたが思っている「常識」が、みんなに理解できるとは限らないということです。 誰にとっての常識? たとえば銀行に勤めている人が、仕事に関係する文章を書くとしましょう。 銀行には銀行のなかで交わされる単語があるものです。いわゆる専門用語というもの。それら

          第7回「常識って何?」

          第6回「文体って何?」

          文章に表れる癖  文章には「文体」というものがあります。 これは文章の様式を示すもので、「和文体」とか「漢文体」などがあることは、中学校や高校の国語で習ったことがあるでしょう。 しかし、そんな堅苦しいことなど考えなくてもかまいません。 「文体」というのは、言ってみればそれぞれの書き手の癖みたいなものです。 技アリは癖アリ  小説家などは、みんな自分の文体をもっています。 長い間書き続けているうちに、自分が好きな文章が見つかってきます。あるいは個性を出すために自分だけの

          第6回「文体って何?」

          第5回「お互いに書いたものを読みあう」

          上達への道筋  以前のnote講座で「日記を20年書いても文章は上達しません」と書きました。 それはその通りで、誰も読まない文章を書いたところで、それは独りよがりになってしまいます。たとえば第三者には分からないような表現をしても、自分さえ分かっていればそれでいいわけです。そんな文章を書き続けたところでまったく意味がありません。 もちろん日記をつけることの良さもありますが、こと文章の上達と言う面では効果はないのです。 読み手と決め事  では具体的にどうすればいいのでしょう

          第5回「お互いに書いたものを読みあう」