インタビューのコツ 私はこれまでの編集者時代とライター時代とを合わせると、おそらくは千人を超える人たちへのインタビューをしてきました。十分程度の短いものもあれば、五時間を超えるようなロング・インタビューもあります。さらにそのテーマは多岐にわたっています。 そんな経験から、私自身が掴んだコツを紹介していきたいと思っています。 今回は前後編があります。 メディア・テーマで変わる役割 まずはインタビューといっても、そのテーマによって方法は大きく変わってきます。単純な事実
基本の「だ」、丁寧な「です」 文末の書き方として、いわゆる「です・ます」で終わる書き方と「だ・である」で終わる書き方があります。どちらも書き手の断定を表現する文体ですが、「です」というのは「だ」の丁寧な言い方なのです。 印象の違い 「私はこのように思うのだ」。これを丁寧に言うと「私はこのように思うのです」となります。 確かに「だ」や「である」で終わる文章を読むと、何となく偉そうな感じを受けるものです。そういう意味でも、今使われているほとんどの文章は「です・ます」調で
文章のリズム心の中で「読んで」いる 私たちが文章を読むとき、必ず声に出して読んでいるものです。 声に出すとは、実際に声を出していることではありません。実際には声には出していないけれど、心の中で声に出して読んでいるものなのです。今こうしてこの文章を読んでいるみなさんも、心の中で声を出しながら読んでいるはずです。 さて、このように声に出しながら読み進んでいるときに、何となく読みづらい文章というものがあります。 書いてあることは分かるけれど、何となくすらすらと読むことがで
道標となるテーマ 一つの文章を書くときには、必ずテーマがあります。それは当たり前のことで、テーマなくして文章を書くことはできません。 「今日一日の出来事」「今年の目標」「今自分がやるべきこと」「私の幸せとは」「いちばん好きな食べ物について」などなど、あらゆるものがテーマとなり得ます。このテーマとは、言うなれば文章を書く上での道標のようなものです。 テーマからの展開 さて、そこで文章制作を始めたばかりの書き手が陥りやすいことがあります。それは、あるテーマを決めて書
取材は難しい?取材=材料を取ってくる 「取材」という言葉は聞いたことがあると思います。新聞記者や雑誌記者など、メディアの人間がよく口にする言葉です。メディア以外の人間からすると、何となく難しい仕事のようにも思えますが、取材それ自体は別に大層なことではありません。「取材」とはつまり、記事を書くための材料を取ってくるということなのです。 たとえばブログなどで新しい店を紹介するときには、まずはその店に足を運ぶでしょう。その店の雰囲気を味わったり、その店の名物料理を食べたり
雑誌の中の読まれない記事 たとえば皆さんが本を買う時、小説であれば自分が好きな作家の作品を買うでしょう。そうして買った本は、最初の頁から楽しみに読み進めていくと思います。まあこれは読書としては当たり前のことです。 さて、では雑誌の読み方を考えてみればどうでしょうか。一冊の雑誌の中には、実にたくさんの記事が詰め込まれています。連載小説や連載エッセイなどを始めとして、特集記事や単発記事など、どこから読めばいいのか迷うくらいです。この雑誌、おそらく最初の頁から最後まですべ
「たくさん書く」練習 文章の上達法は、やはりたくさんの文章を書くことに限ります。いろんな書物を読むと同時に、ともかくパソコンに向かって書いてみる こと。書く量に比例して文章はうまくなるものです。 実況中継的、テーマの見つけ方 そうは言っても、いったい何を書けばいいのか。どこからテーマを見つければいいのか。きっとそんな疑問を持つ人が多いと思います。 何かからテーマを与えられれば書くこともできますが、自分からテーマを探すのは難しい。ついそう思ってしまいます。 私も大学
誰もが小さな世界で生きている 自分の書いた文章を誰が読むのか。誰に読んでほしいのか。 そのことを常に考えておくことが大事だということは以前の記事で紹介しました。それについて、もう一つ付け加えておくことがあります。 それは、あなたが思っている「常識」が、みんなに理解できるとは限らないということです。 誰にとっての常識? たとえば銀行に勤めている人が、仕事に関係する文章を書くとしましょう。 銀行には銀行のなかで交わされる単語があるものです。いわゆる専門用語というもの。それら
文章に表れる癖 文章には「文体」というものがあります。 これは文章の様式を示すもので、「和文体」とか「漢文体」などがあることは、中学校や高校の国語で習ったことがあるでしょう。 しかし、そんな堅苦しいことなど考えなくてもかまいません。 「文体」というのは、言ってみればそれぞれの書き手の癖みたいなものです。 技アリは癖アリ 小説家などは、みんな自分の文体をもっています。 長い間書き続けているうちに、自分が好きな文章が見つかってきます。あるいは個性を出すために自分だけの
上達への道筋 以前のnote講座で「日記を20年書いても文章は上達しません」と書きました。 それはその通りで、誰も読まない文章を書いたところで、それは独りよがりになってしまいます。たとえば第三者には分からないような表現をしても、自分さえ分かっていればそれでいいわけです。そんな文章を書き続けたところでまったく意味がありません。 もちろん日記をつけることの良さもありますが、こと文章の上達と言う面では効果はないのです。 読み手と決め事 では具体的にどうすればいいのでしょう
50通りのI LOVE YOU? 「I LOVE YOU」という英語の一文があります。さて、ではこの一文を50通りに訳してみてください。 「I LOVE YOU」ですから「私はあなたを愛しています」。 この訳のほかにどんな訳があるの。まして50通りになんて訳すことなどできない。そう思われる人も多いと思います。 ところが文章とは面白いもので、意訳も含めれば50通りの訳などすぐにできるものです。 一人称が見せる背景 では具体的にどのような訳があるのでしょう。 まずは第
センテンスは単語の集合体 一つの文(センテンス)というのは、言うまでもなく単語で構成されています。単語の集合体が文章ということになるわけです。一つ一 つの単語を丁寧に眺めてみてください。一つの文のなかには、大して重要ではない単語もあれば、キーとなる単語もあるものです。 どの要素を主役にするか では、 どのようにしてそれぞれの言葉を引き立たせていくか。その手法を紹介しましょう。 たとえば、次のような一文があります。 「私は妻と結婚して20年になります」 これはなんの
誰にむけて書くのか読み手を想像して 文章には書き手がいれば、そこに読む人がいるのが当たり前です。自分勝手な落書きでもない限り、読んでくれる人がいればこそ、書く甲斐があるというもの。誰も読んでくれない文章を書いたところで、そこには書く喜び、誰かに伝える喜びは生まれません。たとえ最初は 自己満足のために書き始めたとしても、やっぱり誰かに読んでもらいたいと思うものです。 文章を書くときには、常に読者と言う存在を意識しておかなくてはなりません。誰に何を伝えたいのか。的確に伝え
文章は感性で書くの?それとも理性で書くの?苦手意識の正体 文章を書くのが苦手という人がたくさんいます。苦手意識というものが染みついているのでしょう。考えてみれば、私たちは日々に文章 を書いています。友人とメールを送り合ったり、仕事上でも連絡事項などは常に文章としてやりとりしています。これほど日々に文章を書 いているのに、どうして文章にたいして苦手意識を持つ人が多いのでしょうか。 では、皆さんが苦手だと思い込んでいる文章とはいったいどのようなものなのでしょうか。たとえば日