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”リモートワーク” は存続するか?

コロナ下で急速に導入・浸透した「リモートワーク」、そもそも対面で仕事をすることの意義は?緊急事態宣言の解除やワクチン普及等でコロナが収束をしていった後にどうなるか?について考察した。

昔は、毎日オフィスに出社し自分のデスクに座り、一日オフィスで仕事をし、終業後家に帰るのが「働くこと」であった。朝夕の通勤ラッシュ・タイムカードでの勤怠管理・直行直帰・アフターファイブなど、「普通は朝から
夕まで会社で働く」が ”当たり前” であった。仕事の仕方も、「ビジネスマンたる身だしなみを整え」「5分前/10分前には現場に到着して準備し」「現場で状況を自分の目で確認し」「取引先/上司の雰囲気を察知し」「熱意を持って相手に伝える」という、日本人的で精神論的な要素を多く含む作法を多く含むようになっていった。

コロナ前にも少しの変化はあった。主にIT企業を中心に進んでいったが、PC1つ持ってどこでも仕事をする社員、スマホ/タブレットを持って取引先間を回る営業、オフィスのフリーアドレス化、出張の代わりにWebでの会議など。ただし、一部の企業や職種を除いては「例外」対応だった。原則は「出社するのが普通」であり、「やむを得ない場合はリモートで」という発想であった。

突然、コロナという驚異が起こった。国内で感染が拡大し、緊急事態宣言と共に「原則リモートワーク」という概念が登場した。
主従は逆転し、原則は「自宅で仕事をする」、やむを得ない場合は「出社をする」というスタイル。これまで仕事のツールとして使われていた紙やハンコも減っていった。
長らく続いているwithコロナ生活で、「出勤がなく楽」「中断されることなく仕事効率が上がった」などというポジティブな意見、「ちょっとした会話がし辛い」「仕事っぷりが見えない」などというネガティブな意見、苦労しながらリモートワークに慣れてきている。

「いつ頃コロナが落ち着くのか?」の議論は避けるが、いずれ落ち着くであろう。その時にどのような働き方になるべきなのか?ゼロベースで考えなおすべきだと考える。きっかけは強制リモートワークだが、リモートワークの良さや工夫を知った我々は、無思考に以前の当たり前に戻るのではなく、最適な働き方にシフトすべきである。

リモートワークは続くのか?「対面で仕事をする」ことの意義は何であろうか?仕事をすることの本質は何であろうか?
音声・画像がリアルタイムで共有できるチャットやWeb会議になくて対面にしかない要素は、「非言語コミュニケーション」であろう。
細かい表情の変化、細かい仕草から読み取れる相手の心情の変化、自分/相手の微妙な間、全身を使ったボディランゲージで伝える熱意、などである。

果たしてこれらは仕事上に必要なのであろうか?
「営業は熱意でするものだ!」という営業、相手は熱意で取引を決めるのか?相手はあなたの熱意のために出社しないといけないのか?
「部下とのお互いの理解・信頼関係」という上司、リモートで出来ない理解が対面だと出来るのか?仕事の上司/部下以上の関係を部下も望んでいるのか?そのために毎週出社する必要があるのか?
どれも否であると考える。自分/自分達のひとりよがりなのではないか?考えてみて頂きたい。

決起集会的なものや謝意を示すための会など、たまには出社(というよりは対面での会話)がよりビジネス推進において有用となることもあろう。ただ両者共に「対面で行いたい」と考えている場合のみとするべきだ。

コロナが明けたら週1出社・週2出社など、出社比率を強いようとしている企業が多いように思う。だが、そのルールで出社時のパフォーマンスは誰が担保するのか?「週1出社時にはこういうことをして会社全体の生産性を上げる!」という話は聞いたことがない。要は出社要請だけして、効率は社員任せになっているだけではない。
一方、リモートワークを許可することの効用はどうか?「転勤可能な正社員と転勤不可な地域職や非正規社員」「時短勤務や産休/育休・介護」「自分の出身地で働きたい」など、「週1でも週2でも出社しなきゃいけない」を外せた時に参画できるようになると採用可能な人材は劇的に拡がることは自明である。また、パワハラ・セクハラ、証拠を残さないようにした密談など、対面だからこそ起きるいくつかの事象も軽減されるはずだ。
全社員を出社ゼロにすべき!とは言わないが、少なくともリモートワークを主軸にすべきであることは明らかであろう。

皆さんがリモートワークの効用や効果を強く企業に訴えかけていくこと、その結果としてリモートワークを一時的な代替策と捉えず、恒久的な手段として正しく採用する方に向かっていく企業が増えること、を願っている。


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