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オンライン旅行会社分析① そもそも世界の旅行の動向はどうなってるの?

今回はオンライン旅行会社を分析してみる

 今回も数回のシリーズとして投稿させていただきます。今回は『 オンライン旅行会社 = OTA  』をみてみたいと思います。知人が海外OTAに勤めている事から分析の依頼があり2019年12月末に実施したものを投稿させていただきます。

OTAとは
Online Travel Agency = オンライン旅行取扱業者
→ オンラインのみで旅行を取り扱う業者の事
       ※ 日本でいうと、じゃらん、楽天トラベルとか

※資料については全部終了してからDL出来るようにさせていただきます。もし今回分のみでも欲しい方がいれば連絡ください。

オンライン旅行をみる前に、世界の旅行の動向を知る

 このOTA業界をみていく前に、そもそも今現在の世界の旅行業界というか旅行自体がどんな状態なのかをみていきたいと思います。今回はまずは旅行の理解を深めていく事をしていきたいと思います。

まずは、世界の旅行者数の分析

 はじめに、そもそも旅行=観光業界の立ち位置をみてみます。

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 観光業界は世界のGDPの10%、そして世界の10人に1人に雇用を創り出している大変重要な産業であるといえます。
 では、旅行自体は今後も増えていくのでしょうか?

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 世界の旅行者は毎年CAGR(年平均成長)4%で増加し、2018年に14億人を突破しました。今後も増加の予測で2030年には今より+30%となる18億人を超える予想です。つまり、旅行は今後も成長していく産業であるといえます。
 では、旅行する人は主にどこの地域へ訪問するのでしょうか?

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 旅行者の50%はヨーロッパ地方へ、そして25%はアジアへ旅行します。この2つの地域の成長性は強く、年々訪問者を拡大させています。これは余談ですが、どの国への訪問が多いのでしょうか?

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 旅行者が訪れるNo1の国はずっとフランスで、年間約9000万人も訪れています。2位のスペインは、ここ数年で大きく増加しアメリカを抜きました。もしかするとフランスを王者フランスを抜く日が来るかもしれませんね。4位にはアジアNo1の中国がランクインしています。
 話を戻して、旅行者はどこの地域から来る人が多いのでしょうか?

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 訪問先とほぼ同様で50%がヨーロッパから、25%がアジアから旅行者はやってきます。この2地域は成長性も高いですね。この結果をみると、同地域間での移動が多いのでは?と感じますね。それを確認のためにみておきましょう。

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 旅行者の80%が同一地域間の移動をしています。つまり、ヨーロッパからヨーロッパへ、米国から米国へ、アジアからアジアへ移動する事がほとんどだといえます。
 ではなぜ、旅行者は旅行をするのでしょうか?目的を確認してみましょう。

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 旅行者は基本的にプライベート目的で旅行をして、ビジネス目的ではほとんど旅行してないのです。

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 その旅行者の移動手段は空路と道路がメインで、この約20年で空路がメインの交通手段になりました。たしかに昔に比べると、飛行機での移動がだいぶ身近になった感じが個人的にはしますね。

世界の旅行での収入

 ここまで順調に旅行者数を伸ばしている旅行ですが、収入としてはどうなっているのでしょうか?

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 旅行者数同様にCAGR(年平均成長率)6%で年々増加し、1.4兆ドル( ≒150兆円 )を突破しました。大変力強いですね。旅行者数が今後も伸びていく事を考えると、旅行での収入は今後も増えていくと考えられます。
 では、何がこの収入を生み出しているのでしょうか?

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 旅行の収入の75%は飛行機代&宿泊代で稼ぎ出されています。旅行業界ではこの2つを抑える事が重要だといえます。
 では、どの地域が旅行で稼いでいるのでしょうか?

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 旅行での収入の40%はヨーロッパ、30%はアジアが稼いでいます。ヨーロッパにとって旅行(観光)は大変重要な産業であるといえますね。 
 もう少し細かく、どの国が多く稼いでいるのか?をみてみましょう。

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 アメリカが最も多く稼いでおり、その額は2140億ドル(≒23兆円)と2位のスペインの3倍も稼いでいます。1か国で全体の15%を稼いでおり、圧倒的です。ヨーロッパはスペイン・フランスなど複数の国が多く稼いでいることで、地域として多くの収入を得ているということですね。アメリカは旅行者数は3位でしたので、1人当りが支出する額が大きいといえますね。カジノとかの影響ですかね。
 では、どの国が旅行で多くの支出をしているのでしょうか?

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  中国1か国で全体の20%も旅行支出をしています。2位のアメリカと約2倍違いますね。まさに中国人の支出が旅行業界の収入を支える構図になっているといえます。
 ではこれらの旅行はどのように取得されているのでしょうか?

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 ここ15年でオンライン予約が年々拡大し、データが入手できた2015年では予約の約35%がオンラインで行われています。個人的にも旅行の予約はもうオンラインで行う事がほとんどなのでこの数値に違和感はないです。

 これだけ成長性が高い旅行業界で、その収入をささえる飛行機&宿泊のオンライン化が進んでいます。この恩恵にあずかるのが、まさに今回分析をしていくオンライン旅行業界=OTAなのです。オンライン旅行業界は大変良い立ち位置にいる事がなんとなく分かりましたね。

 ただ、次回はせっかくなので少しだけ寄り道をして ” 日本の旅行状況 ”に焦点を当ててみてみたいと思います。その次にOTAをみてみたいと思います。

以上

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