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小学校受験 メリット・デリメット総まとめ!

【カズキチ】私立学校法人勤務の32歳/三度の飯より車のタイヤが好きな3歳児の父/息子に最適な"学校キャリア"(子供が社会人になるまでの進学プロセス)を考えるため、保護者+本業目線で都内の学校情報を収集中

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今回は、小学校受験をするか悩んでいる段階の家庭が参考にしやすい「小学校受験のメリット・デメリット」をまとめてみました。小学校受験のメリデメはいろいろなメディアで見聞きしますが、受験を経験した保護者、幼児教室の先生、学校関係者など、立場によって意見がさまざまです。「どこかにひとまとめになっていると嬉しいんだけどな…」と思って探したのですがなかなか見つからず、「ならつくってしまおう!」ということでつくってみました。
小学校受験を検討中の方はぜひ参考にしてください。

はじめに

私の中で小学校受験は「わざわざするもの」という位置づけです。
言わずもがな日本にはどの地域にも公立小学校が設置されていますので、私立・国立があろうとなかろうと、みんな小学校には基本的に困りません。
しかしその小学校受験にあえてチャレンジし、私立・国立に通いたいと考える家庭があります。当然そこには公立に進むよりも魅力的と思える何かがあるからでしょう。その一方で、幼児が受験することに否定的な見方をする人もいます。

最終的には、皆さんのご家庭の価値観が、小学校受験のもつメリットとデメリットのどちらにより共感できるかどちらをより重視するかで決まるのではないかと思います。
つまり小学校受験をするかどうか決めかねている家庭にとって、小学校受験のメリット・デメリットは、その一つ一つが、受験をする/しないを決める際の論点になるわけです。

一度小学校受験への道を進むと決めたら、その先にはさまざまな苦難や試練が待っていると聞きます。
この最も重要な最初の決断をするにあたり、なるべく客観的で冷静な検討ができるよう、さまざまなメディアから小学校受験のメリデメをかき集めてみましたので、ぜひ最後までご覧ください。

メリデメの俯瞰

具体的なメリデメに着目する前に、まずはどのようなメリデメがあるかをざっと俯瞰してみましょう。
方々が指摘する小学校受験のメリデメには、大きく分けると「受験期」に関するもの、そして「入学後」に関するものがあります。それぞれ順番に見ていきましょう。

受験期のメリット・デメリット

まずは受験期におけるメリットから挙げていきます。

《発育》に関すること
・基礎的な思考力・自活力が身につく
・強い心を育める
・子どもの環境を選ぶことができる

《意識》に関すること
・1日を丁寧に過ごそうと意識できる
・楽しく学ぶ方法を親も試行錯誤するようになる
・子育ての棚卸しができる
・親としてどういう教育をさせたいかを考えるきっかけになる

《経験》に関すること
・親子で目標に向かって頑張れる・絆が強まる
・達成感を感じたり、「やり抜く」経験ができる
・色々な学校を見る機会があって楽しい

このように、受験本番までの準備の過程で子供が大きく成長できたり、親の教育姿勢に良い影響があったりする点が挙げられています。

続いてデメリットです。

《発育》に関すること
・子どもの自主性が育たない可能性がある
・乳幼児期の発達に悪影響をもたらすリスクがある悪影響をもたらすリスクがある

《意識》に関すること
・子どもが勉強嫌いになってしまう可能性がある
・緊張感やプレッシャーが付きまとう
・自分の未熟さを目の当たりにせざるを得なくなる
・子のできない部分が目につくようになり、マイナス思考になりがち

《家庭》に関すること
・親子関係が悪化する可能性がある
・夫婦関係が悪化するリスクがある
・経済的負担が大きくなる
・幼児教室、受験料などにお金がかかる

お金に関するデメリット以外は、概ね受験に対するプレッシャーによって生じる悪影響と言えます。ある意味お金の問題についても、「現状では準備不足かもしれない」という不安から、「もっとお金をつぎ込まなければ」という心理がはたらいて起こる問題ですので、これも広い意味では受験に対するプレッシャーによるものと言えます。

入学後のメリット・デメリット

入学後にもさまざまなメリデメが潜んでいます。まずはメリットから見てみましょう。

《教育》に関すること
・優秀な教育を受けることができる
・専門的・特徴的な教育を受けられる
・しつけがしっかりなされる
・子どもの才能を伸ばせる
・教育投資・早期教育のリターンが期待できる
・コスパ・タイパがいい

《環境》に関すること
・一緒に通う友達の良い影響をもらえる
・教育への関心が高い家庭の子どもが多い
・人間関係に恵まれる
・世代を超えたつながりができる
・教育熱心な先生が多い
・親コミュニティのベネフィットが得られる
・アフタースクールが充実している

《進路》に関すること
・内部進学で中学校・高校・大学へ進学できる
・中学受験対策ができる

入学後は、質の良い教育を受けられ、価値ある人間関係を構築でき、その後の進路選択も有利に進められることなどが期待されているようです。

続いてデメリットです。

《教育》に関すること
・学力レベルが合っていないと入学後に勉強で苦労する

《環境》に関すること
・家からの距離が遠い場合、通学に疲れて登校になるリスクがある
・多様性を育むことが難しい可能性がある

《家庭》に関すること
・親の経済的負担が大きい
・課外活動も高額になる傾向

入学後のデメリットは数こそ少ないものの、せっかく苦労して入学したのに、その後もこうしたリスクが付きまとう可能性があることは、十分に考慮しておく必要がありそうです。

メリデメをもっと詳しく

全体像が分かったところで、今度は個別のメリデメを見ていきたいと思います。保護者、幼児教室、学校関係者など、さまざまな視点から見えるメリデメを探っていきます。

※マーク:【受】=受験期、【入】=入学後

保護者の視点から見たメリデメ

YouTube-アイリス幼児教育公式チャンネル

この動画では、受験指導や受験コンサルティングを手掛ける「アイリス幼児教育」の代表・あやさんが、小学校受験のメリットとデメリットを語っています。あやさんは教育事業者ではありますが、保護者として二度の小学校受験を経験しており、この動画では保護者目線寄りでメリデメを挙げています。

メリット
1日を丁寧に過ごそうと意識できる【受】
・親子で目標に向かって頑張れる【受】
・色々な学校を見る機会があって楽しい【受】
・楽しく学ぶ方法を親も試行錯誤するようになる【受】
・子育ての棚卸しができる【受】
・親としてどういう教育をさせたいかを考えるきっかけになる【受】

ご自身の受験経験を通じて「やって良かった」と感じた点を挙げています。これらは動画タイトルの通り、あやさんの「私感」なわけですが、逆にこのリアルな感じが、先輩保護者の声としてとても参考になります。

デメリット
・緊張感やプレッシャーが付きまとう【受】
・自分の未熟さを目の当たりにせざるを得なくなる【受】
・子のできない部分が目につくようになり、マイナス思考になりがち【受】

これらは受験経験を通じて「辛かったこと」「大変だったこと」のまとめです。特に2番目と3番目はかなりリアルですね。
いずれも受験に挑戦しなければ避けて通れた苦難ではあるかもしれませんが、あやさんとしてはそれらも含めて良い経験ができたと感じているようです。

YouTube-MagicAI Pass 公式チャンネル

保護者の視点としてもう一つご紹介するのは、令和のキャリママ 横山美菜子さんの動画です。2児の小学校受験を合格に導き、小学校受験サポートアプリ「MagicAI Pass」を運営されている方です。

DIAMOND onlineに横山さんの簡単なプロフィールが載っています。

・フルタイム共働き世帯の小学校受験を合格に導くアプリサービス提供
・夫婦共にフルタイム勤務にて長男は2022年4月に倍率12倍の難関小学校に入学
・自身も小学校受験にて横浜国立大学附属鎌倉小学校・中学校卒業
・株式会社リクルート14年従事 → コンサル企業の海外新規事業立上げ2年従事 → 子供の教育事業に従事1年→独立起業

https://diamond.jp/ud/authors/6461f27da53aefd4f5000000

より詳しい経歴はWantedly( https://www.wantedly.com/id/minako_k )に載っていますが、これはもう"バリキャリ"と呼ばざるを得ませんね。この動画では、バリキャリ横山さんならではのビジネス的な視点で小学校受験のメリデメを分析されています。

メリット
・教育投資のリターンが期待できる【入】
・早期教育のリターンが期待できる【入】
・親コミュニティのベネフィット【入】
・コスパ・タイパがいい【入】

いずれも入学後に関するメリットですが、私立・国立小学校への進学を投資と捉えているところが面白いです。教育は金融商品と同じように早期に始めるほど生涯を通じて高いリターンが狙え、リスクヘッジにもなる。また学校には価値観が近く意識の高い家庭が集まるため、子供や親同士の人付き合いにも付加価値がつく。さらに学校では習い事レベルの教育を受けられるので、わざわざ放課後に習い事に行かなくて済むという意味ではコスパ・タイパもよい。このように解説しています。
金融リテラシーの高い方に刺さりやすそうな考え方ですね。

デメリット
・子どもが勉強嫌いになってしまう可能性がある【受】
・子どもの自主性が育たない可能性がある【受】
・親子関係が悪化する可能性がある【受】
・多様性を育むことが難しい可能性がある【入】

上3つはハードな受験準備に伴う弊害を指摘しています。子供に大きな資産をもたらす早期教育は、取り組み方を間違えるとかえって悪影響を及ぼしかねないということです。
また4点目は個人的に最も共感できるデメリットです。
さまざまな家庭環境の人と生活を共にする機会は、小学校、中学校、高校、大学と、大人に近づくにつれて段々少なくなります。一番のチャンスである小学校のタイミングで、似た者同士が集まる環境を選んでしまうと、多様性に触れる機会はかなり減ってしまいます。
かつて財務大臣の麻生太郎さんが総理大臣だった時、野党からカップラーメンの値段を聞かれて「400円くらい」と答弁したことがありましたが、育つ環境が華やかであればあるほど、庶民の生活への認識や想像力は乏しくなる可能性があります。

なお、横山さんの動画ではそれぞれのデメリットに対する対応策もきちんと提案されていますので、気になるデメリットがあったらぜひおおもとの動画を見てみてください。

幼児教室の視点から見たメリデメ

ネット記事-幼児教室 チャイルドアイズ

チャイルドアイズは、「やる気スイッチきみのはどこにあるんだろう~♪」でお馴染みの「株式会社やる気スイッチグループ」が運営している幼児教室です。フランチャイズで全国展開しています。
幼児教室は公共性の高い学校とは異なり営利事業ですので、当然ながら顧客獲得・利益追求が求められます。よってこういう場合は基本的に小学校受験を「勧める」方向で論理展開される心づもりで見るのがよいでしょう。

チャイルドアイズは小学校受験のメリデメを次のように紹介しています。

メリット
・子どもの環境を選ぶことができる【受】
・中学受験対策ができる【入】
・専門的・特徴的な教育を受けられる【入】
・アフタースクールが充実している【入】
・世代を超えたつながりができる【入】
・しつけがしっかりなされる【入】

特に興味深い点は「中学受験対策」と「アフタースクール」です。
よく「子供に辛い受験を経験させたくない」という理由で大学の付属小学校を目指すケースがありますが、この記事では中学受験に適した環境としての私立・国立を選ぶメリットが紹介されています。中学受験に特化した小学校を選べば、8時から15時までの学校生活すらも中学受験に資する時間に換えられるという発想です。中学受験で中高一貫の進学校へ進み、大学受験に備える発想と似ていますね。
またアフタースクールは共働き世帯にとってとても重要となる条件です。公立小学校に進学するといわゆる「小1の壁」でワークライフバランスを取るのが難しくなるので、アフタースクールのある私立に進むことでそれを上手く回避できるという視点ですね。

デメリット
・子どもが勉強嫌いになる可能性がある【受】
・乳幼児の発達に影響をもたらすことがある【受】
・親子関係が悪化する恐れがある【受】
・親の経済的負担が大きい【入】

デメリットについてはあまり目新しいものはありません。あくまで幼児教室の記事ですので、斬新なデメリットを紹介したところで自社が不利益を被るだけですから、一般論に留めているのかもしれませんね。

元学校関係者の視点から見たメリデメ

YouTube-思春期の子育てCh【元中学校教師道山ケイ】

この配信者は、2014年まで公立中学校の教員だった、思春期の子育てアドバイザーの道山ケイさんです。「子どもが本当にやりたいこと(夢)を見つけ、それを達成するために必要な成績を取る。そして、夢を達成できる道(高校)に進み、希望ある人生を送る手助けをする」という教育ビジョンのもと、年間3000組の親子をサポートされています。

この動画では私立小学校の中でも特に大学の付属校に進学するメリデメを解説しています。

メリット
・優秀な教育を受けることができる【入】
・一緒に通う友達の良い影響をもらえる【入】
・そのまま中学・高校・大学といける【入】

元教員の視点からも、付属校は大学との連携による高度な語学演習や実験などを経験できるため、価値があると仰っています。

デメリット
家からの距離が遠い場合、通学に疲れて不登校になるリスクがある【入】
・学力レベルが合っていないと入学後に勉強で苦労する【入】

ここが元教員らしい指摘だと感じました。地理的条件や周りの学力レベルとの差で、卒業するまで子供に負荷やプレッシャーがかかり続ける可能性を指摘しています。ただ「学校が遠い」問題については、学校選びの段階で通学時間をシミュレーションしたり、家を引っ越したりすることで回避できますので、受験を決める段階で冷静に対処したいですね。

銀行の視点から見たメリデメ

ネット記事-三菱UFJ銀行

驚いたことに、三大メガバンクの一角 三菱UFJ銀行も小学校受験のメリデメを記事にしていました。挙げているメリデメは次のとおりです。

メリット
・質の高い教育環境【入】
・恵まれた人間関係【入】
・子どもの才能を伸ばせる【入】(内部進学できる学校の場合)

デメリット
・幼児教室、受験料などにお金がかかる【受】
・学費も高額【入】
・課外活動も高額になる傾向【入】

銀行らしくデメリットにはお金に関するものばかりが並んでいます。
私立の場合、受験料だけで10万円(複数校を併願した場合)、入学後の6年間の学費はトータルで571万円ほどかかるとあり、計画性をもって受験を決めるようほのめかしています。
また3点目の「課外活動も高額になる傾向」は、経済的に恵まれた家庭が多いために習い事も高額になるという指摘で、個人的には盲点でした。

番外編

YouTube-きりゆき【作業用・睡眠用 ひろゆき 切り抜き】

あの論破王 ひろゆきも過去に私立小学校について私見を語っていました。この動画でひろゆきさんは、視聴者からの「公立に比べ私立に入れるメリット・デメリットを教えてください」という質問に対し、自身は(偏差値にもよるが)私立より公立派だとした上で、公立に行くメリットについて次のように述べています。

・友達を通じてさまざまな家庭環境や家庭の考え方に触れられる
・生活水準の低い家庭に遊びに行っても警戒心・差別意識を持たずに受け入れられる年齢である
・中学校以降はそのような機会が次第に減るため、小学生のうちに経験をしておいた方が、大人になってからも幅広い生活水準に理解が及ぶ
※ご本人はもっと過激な言い方をしています笑

これは、横山さんが挙げていたデメリット「多様性を育むことが難しい可能性がある」をより生々しく具体化した指摘ですね。
おそらくひろゆきさんは海外経験が豊富なので、国内外でいろいろな生活状況に出くわした時に、公立小学校での経験が生きてくるということを仰っているのではないかと思います。
そういえば私も小学1年生の時に、お父さんが4人いるという友達がいましたが(つまり母親が結婚離婚を何度も繰り返しているということです)、そういう友達は小学校でしか出会えませんでしたね。

まとめ

ここまで見てきたように、小学校受験のメリデメは見方によってさまざまです。
これ以外にも掘ればまだまだ見つかるとは思いますが、だいたい7〜8割は網羅できたのではないかと思います。

冒頭で述べたように、これらのメリデメの一つ一つが、小学校受験をしようか迷っている家庭にとって論点になります。
メリットの方が大きいと思えば受験すればいいですし、デメリットの方が大きいと思えば受験はしなくていい。それぞれの大きさがどのくらいに感じられるかは、そのご家庭の価値観次第だと思います。
また受験する/しないは、パパ、ママ一人で決められるものではありません。私としてもようやく一週間くらいかけて今回のメリデメ集をまとめられたので、よろしければ皆さんのご家庭でも、ぜひ夫婦でこのnoteを眺めながら「うちはこうだね」と話し合っていただけたら嬉しいです。

ここまでご覧いただきありがとうございました。
もし参考になりましたら、スキなどしていただけると嬉しく思います。


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