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読書感想 番外2『雨のことば辞典』

こんにちは、天音です。
今回の読書感想は、講談社学術文庫の『雨のことば辞典』です。

五十音順作家巡り、「く」の本です。
いちおう、倉嶋厚・原田稔編著なので。小説じゃないし、作家巡りを逸脱しそうですが、読書という大きな括りで考えたら「く」の本です。
……すみません、大目に見てください。
梅雨だし季節的にちょうどいい本だと思います!

この本は題名通り、雨にまつわることばを集めた辞典です。

私も読み始めは、「この本どうかなあ。読むもんじゃないと思うし、やっぱりくの作者を探しに本屋に行こうかな」と不安だったのですが、それはすぐに裏切られます。

この辞典は読むものです。
すごく楽しい。おすすめ。

雨の強さやそのメカニズムなど、気象に関するコラム。各地で使われている方言。雨のことばが使われた短歌や俳句、小説の引用。巻末には雨に関する諺や慣用句のまとめもあります。
さまざまな要素が取り入れられ、辞典ですが読んでいて魅力的でした。
しっかり読めばこの一冊で雨博士になれますよ。

時々解説に著者の主観が出てくるのも面白い。

例:磯時雨……磯や渚にふる時雨。波打ち際に降りかかる時雨には、陸に降るのとはまた違う情緒が感じられる。

いやそうだけど。そうなんだけど知らんがなって感じですよね笑。

この辞典に載っていることばに人生でいくつ出会えるかというと、1割もないんじゃないかな。
それほどマニアックなものばかりでした。(磯時雨は私の電子辞書には入ってなかったし……)

そのことばと出会った時に辞書を引くだけでは、語彙ってそんなに身につかないですね。

ここに載っていることばは、辞典を開かないと会うことはないことばたちばかり。少しでも興味を惹かれたら、自分から見に行った方がいいです。割と楽しませてくれました。

ただずっと「雨」という字を見つめ続けるので、だんだん「雨」がゲシュタルト崩壊してきます。このカクカクしたのはなんだ?となるので注意してください。

雨詩を催すといいます。
来週からまた天気が崩れるようですね。
せっかくの梅雨籠り。
心に浮かぶ気持ちを、ことばにしてみるのもいいでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました☔️

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