見出し画像

物語の“味”を教えて。

この記事を開いたということは読書好きな方ですね!
そうに違いありません。
何を隠そう私も読書が大好きです!

こんにちは、天音です。
今日は私の「読書にまつわる感覚」をお話ししたいと思います。

みなさんは本を読んだあと、もしくは読んでいる最中に何を思い浮かべるでしょうか。ただの問いかけ。
これは人それぞれで、正解不正解は当然ないです。
感想やその表現も多様でしょう。
自由に考えてください。

真っ先にその本のよかった台詞やシーン、表現なんかを思い出す人もいるかもしれません。
過去に経験した、類似の出来事や感情を思い返す人。
または似たような内容の本を。
作品内に五感全て入り込んで、見たり感じたりして再演している人。
一冊の余韻に浸ることなんてない。すぐに別の本を読む、なんて人もきっといるでしょう。

私の場合、読んでいる最中は映画感覚。
よくわからない独自のカメラワークで文章を追いかけて、そのまま脳内で上演します。
今回の記事はその後。

「読み終わった後にその本をどう感じるか」という話をしましょう。

私はその本の読後感に該当するであろう食べ物を思い浮かべます🍰🍝🍵

たとえば『推し、燃ゆ』。
あれはレインボークレープです。
チョコスプレー、甘い生クリーム、生地の少し焦げて固くて苦いところ。

文豪どうかしてる逸話集』は、おじいちゃんの家でおやつに出される固くてほんのり甘いお煎餅。ついつい全部食べてしまうやつです。

浅田次郎さんの本は、だいたいの作品がコタツでゆっくり飲むあったかいほうじ茶です。

ちょんまげぷりん』はまさしくプリン。カラメルが苦い固めのやつです。

こんなふうに、直感的に読んだ本を食べ物に例えて考えます。
お菓子が多いのは私が甘党ということで了承してください。

だから私は本を読んだ後に、「はー面白かった!」と思うと同時に「美味しかった」とも思うのです。

丁寧に文章を噛んで、味わって飲み込む。
この文章は、甘い苦い、辛い。または固い、柔らかい。温かいのと冷たいの。たまにすごく滑らかで喉越しのいい文章があります。どの物語も部分部分で味は違いますが、なんとなくこの物語はこれと思い浮かぶ食べ物があるんです。私が勝手に想像した食べ物もあれば、その物語に登場した印象深い食べ物といったパターンもあります。

『文学少女』というライトノベルシリーズがあります。
知らない方が多いでしょう。元人気小説家の少年が主人公の学園ミステリです。少し古いラノベなんですが、私は中学生の頃に読みました。その本に登場するヒロインである天野遠子は、人間の食べ物の味はわかりません。彼女は本を主食として生きています。
ページをちぎって食べてしまう、まさしく“文学少女”なのです。

私たちは、別に本を食べなくても生きていけますが、普通の人間だっておやつは必要ですよね。
そんなふうに、食べるような「味わう読書」というのを意識しながら読んでいます。
この一文、特に甘いなと思ったりすると、本当にその食べ物を食べているような気がして楽しくなってくるんです。ショートケーキのように、好きなイチゴは後にとっておく、といった食べ方ができないのは残念ですが。文の中に隠れているイチゴを見つけることはできます。

もし今、本を読んでいらっしゃるのならば、その本がどんな味がするのか少し考えてみてください。
きっと甘かったり酸っぱかったり、苦かったりするはずですよ。

あなたが好きなメニューを見つけられるといいなと思います。
気が向いたら教えてくださいね。


この記事が参加している募集

#スキしてみて

526,258件

#至福のスイーツ

16,212件

最後まで見てくださってありがとうございます🙌  サポートいただけたら嬉しいです。執筆活動に使わせていただいています。しっかりお返しできるように精一杯頑張ります!