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「鉄の事は鉄に聞け !」 職場体験シリーズ 第2段

最近では植物が周りの植物と会話している…いゃ、人間の様に声には出さないが会話している事が証明されたと知った。

しかし、無機物である「…鉄に聞け」とは何ともディープな感じがする話である。

物言わぬ点では、植物も鉄も同じだが…有機物である植物は何となく…そう思えても、鉄はかなり無理がある。

とある街の鉄工所で最近、出入りして分かった事がある…

切断したり、溶接したりする体験のなかで…
「こいつは手ごわい…」と感じるシーンに出会ったのである。

黒皮(※/注釈↓)をまとった鉄の中身には、ずっしり重いが 柔らかい素直さも感じる。

一見、綺麗に見えるSUS(サス/ステン)は真逆の反骨精神丸出しの鉄化合物である。

少しずつ慣れ親しむ内にSUSの気持ちにも気付く様になる…

まるで人間と同じだと思えてくる。

そんなプロセスを経て溶接の場面になると…どちらも 鉄の本来 持つ 馬鹿力を見せつけて来るのだ。

それは まるで運動会の綱引き競技で、たった一人の相手に 大勢が一気に持って行かれるが如くである。

普通ならば…
戦う意欲も奪われるくらいであるが…
これらを扱う職人の世界は異常な凄さがあるのだ。

彼らは既に引っ張られる力をも 計算しながら作業をしているのである。

まるで寛大な心で「良し、良し…いい子だねぇ…」って会話している様にも見えて来るのだ。

何だか、篤くなり楽しく成って来た。

良く人間関係で「馬が合わない」とか、「反りが合わない」などと会話の中で使う言葉がある…

この言葉って、とっても人間的だよねぇ。

正に「鉄の事は鉄に聞け!」なんだよ…

            作 安田純一

【※/注釈=「黒皮」の説明⤵️】
鉄板材が錆びない様に表面を黒い皮膜でコーティングしてある、加工前の状態の事である。

【後書き】
どんな仕事にも深い会話が存在する…
それは何も言わないとしても…
職人って、 お喋りしない人が多いよねぇ。🤗

職場体験シリーズ 第1段⤵️

世の中のいろんな仕事を通して「人間とは…謎とき」 を考えて生きたいと思う。
せっかく生まれ来て、一つの仕事の世界しか知らない成って…僕のパーソナリティーには合わないからねぇ。
ついでにnoteにつぶやき💬「コラム」にしちゃえって思ったの…
          安田 純一

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