四つ足で会いましょう
庭がひどく荒らされていた
おそらく、ねこかな
あるとき、庭からガサガサと音がした
どんなねこかな、こっそりカーテンの隙間からのぞいてみた
ねこではなかった
ねこ耳をつけた少女だった
まあ、ある意味、ねこということだ
きちんと四つ足になって、土を掘り返してる
かわいいと言えなくもないが
庭を荒らされるのは困る
あの少女と、いやいや、あのねこと話しをしてみた
わたしもねこ耳をつけ、四つ足になって庭へと出た
ねこは、最初、警戒していたが、その後、受け入れてくれた
わたしは、四つ足のまま、体の動きでねこに伝えた
庭を荒さないでくれと
悪戦苦闘したが、伝わったようだ
次の日から、庭が荒らされることはなくなった
あのねこは、姿を見せなくなった
少しさびしさがあった
どうしているんだろうか
いやいや、深入りはしないでおこう
でないと、こっちが、ドロボウねこ、なんて言われかねない
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