あまなす
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気がついたら 意識せず マフラーだったり あんまんだったり ゆるやかに 冬へと シフトしていってるのかな なんだかいい感じ 寒くて 暗い冬を たえるには ミルクティーは 欠かせない そのとなりには ドーナツ それにくわえて チョコレートなんて あったりしたら 無敵にさえなれる
冷めてしまった餃子は しあわせとは まったくの 反対側にいる 冷めた餃子 ではない 冷めてしまった餃子 わたしにとってのしあわせは おいしいパンであり 具だくさんのスープであり あるいは あたたかいレモネード レモネードは あたたかいのがいい 冷たいのでも ぬるいのでもなくって あたたかいの あついのは しあわせが強すぎて わたしでは 背負いきれない
わたしがつくる毒りんごは 毒りんごとしては 本物なのだけど 食べちゃダメ ということで言うと ニセモノなのかもしれない 食べちゃダメ 言ってはみたけど べつに 食べたっていい 食べたあと どうなっても知らないし 責任なんて 持てないのだけれど わたしは まだまだ未熟で いっこうに魔法つかいに なれないでいる そういう意味において わたしは ニセモノで マガイモノで たんてきに言って 本物ではない けれど わたし というニンゲンは わたし だけで だから そういう意味で
合コンって してる人 ほんとに いるのかな あんまんを 口にもっていきながら ふと思う あれって 都市伝説なんじゃ ないのかな あんまんを もぐもぐしながら いろいろ思う わたしのまわりで 合コン合コン 言ってる人 ひとりも いないけどなあ あんまんを 見つめながら あれこれ思う 世の中には そういう人たちも いるのかもね そんなことより あんまん おいしい
付き合うんなら 映画館で働いてる子が いいかなって思うんだ だから ごめんね そんなフラれかたってあるんだね 口には出せず そう思う 映画 好きなんだね 聞くと いや そういうんじゃないけど ああ そうかあ この人とは 決定的に 何かが違っていて どこまでいっても わたしたちは まじわることなんて ないんだなあ そう感じられた ああ そうか だからか だから あんなフラれかた だったのかあ
ふしぎの国のアリス の ふしぎ は 不思議 ではなくて ふしぎ であってほしいと 理由なんて どうでもいいの それが ふさわしいような そうであることが 好ましいような ただ わたしは そう思う ただ わたしは そう感じる ただ わたしは そうねがう
同じ学年の女の子が 部長と付き合っている 頼りなくって 嘘つきで なんだって付き合ってるんだか そんな部長のどこがいいんだか はなはだ疑問だった 部長と付き合うことで 女の先輩たちからの攻撃を 弱める狙いがあったらしいと そう考えたら すとんと腑に落ちて 自分で自分の気持ちを ダメにした
学校の帰り 商店街を歩く ふと見ると おんなじクラスのタカキが コロッケを買っている 学校帰りの 制服姿で いけないんだー なんて ちょっと思う なんとはなしに タカキのことを ずっと 見ていた お金を払うタカキ お釣りをもらうタカキ コロッケを受け取るタカキ 振り向いて歩きだすタカキ わたしと目が合うタカキ タカキが わたしに近づいてきて 何も言わず コロッケを差し出してきた え? ん なに? やるよ タカキは? もいっこ買うから コロッケを買っ
早く死なないかな そう思いながら 暮らしている 今日も死ななかったなあ そう思いながら 朝 起きる 多くの人にとっての 何気ない一日は わたしにとっての 苦痛の一日だ 死にたいと 思ってるのに きちんと食事をして 死にたいと 思ってるのに こつこつ お金を貯めて 死にたいと 思ってるのに ちゃんと 生きている 多くの人にとっての 何気ない一日が 終わる わたしにとっての 苦痛の一日が 終わる 明日が来なければ いいのにと思いながら けれど 明日もまた 苦痛な一日を
マナちゃんは 横文字が あんまり 得意ではない 短いのだったら さらっとやれる パスタとか グラタンとか イルミネーション なんてダメだ まったく言えない 言えない場面に 出くわしたことは まだ ないけれど そもそも 言おうとしない きっぱり あきらめる そういうとこ いいと思う マナちゃんは イルミネーションのことを きらきら と言う そういうとこも いいと思う
ただでさえ 夜 ひとりで歩くのは さみしく 心細いというのに かえるの声も 虫の声も 何も聞こえない あまりに さみしくて あまりに 心細くって たまたま帰り道が おんなじ方向の人の 後ろから近づく足音に 怖くなってしまい 知らず知らず 足がはやくなる 昼間 道で 人と すれちがうとき 怖くって 気持ちが乱れちゃって すれちがう その瞬間 目を閉じる 自己防衛? ただ 逃げてるだけでしょ 今日 何回 そうやって 逃げたの? 答えられず ここでも 逃げてしまう 勘
本を読んでいたら ニューヨークにいるような 気分になった その本の舞台は ニューヨークではないし ましてや どこぞの海外でもない そもそも ニューヨークに 行ったことなんてない 日が暮れていくオレンジ色の けれど 反対側からは 薄藍色が濃くなっていく その色は さびしいけれど ニューヨークの空を なんとはなしに見やりながら ハンバーガーを食べている コーラをずずーとやる なんとか無事 今日が 終えられそうかなあ ちょっぴり安堵し また コーラをずずーとやる ずずー
白米 おでん いちごジャムをのせた食パン そんなおかしな晩ごはん 食後に白湯を飲む いちごジャムは久々で いちごジャムが手に ついちゃうのも 久々だった その手についちゃったいちごジャムを ちろってなめるのも久々で 何をしても くっついてしまうフライパン もう買いかえたほうが いいのかな 愛着があるわけではない ないわけでもない なくなくなくなくない あした 白菜を買おう なべをするんだ
家の外は怖くって おそろしくって しかたない そう強く思ってる自分のことも 怖いって感じちゃう 家の中に 安心した気持ちが 落っこちてるよ 無数の薬が ちらばってて それなりに チカラを 見せてくれるのさ でもね わたしのおなかの痛みが なくなったからって 歩きながらスマホをいじってる奴は なんとも思わず続けていくんだよ わたしの頭の痛さが 消えたからって 平然と さも普通のことみたいに 信号が赤になってるのに 止まらず走ってちゃう車は なくならないんだよ 本来
わたしに対して 悪さをしたり わたしのことを ぞんざいにあつかったり そういった者には 天罰が下る そういった者たちの あわれな姿を この目で しっかり見た そういったことではない けれど おそらく そういうことなんだ わたしは 自分自身のことを だいぶ いいかげんにしている 自分にやさしくないし いろいろと 不健康だ わたしのことを ぞんざいにあつかった者 つまり わたしには 天罰が下る わたしが いまいち しあわせというものに 手をふれられずにいるのは そういっ
考えごとをしていると ねこが わたしの横に来て 一緒に考えごとをする わたしが うーん と 考えながら首をかしげると ねこも 首をかしげる わたしが考えていることなんて せいぜい 晩ごはん 何にするかなあ なんて その程度のことなんだけど わたしの横で ねこも ごはん まだかなあ とか思いながら 首をかしげているのかもしれない