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鉱物備忘録

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今まで集めてきた鉱物についてただ語るだけのエッセイ。
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2020年6月の記事一覧

No.47 ゾイサイト

No.47 ゾイサイト



「加熱前のタンザナイト」として売られていたゾイサイトだ。
透明感もありなかなか美しい。
これは地元の鉱物店で行っているくじ引きで一番下の景品として隅の方にあった品だ。つまり500円で購入したものだと言える。
だが、個人的にこのゾイサイト、もしかしたらトリカラーではないか?とひそかに思っている。
まず、深いカーキ色がありその上に淡い青色の部分がある。ここまでは購入してすぐに確認できたのだが、最近

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No.46 ジルコン

No.46 ジルコン



「イエロージルコン」として売られていたが、完全にブラウンである。
色は地味だが質は一級品で多少インクルージョンが目立つが光に当てると高貴な輝きが溢れ出る。
ところでカンボジア産のブラウンジルコンは加熱すると青や無色に変化することをご存知だろうか?市場にはブルージルコンやカラーレスジルコンが売られていることがあるが、そのほとんどが加熱処理したブラウンジルコンである。天然でブルーや無色のジルコンが

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No.45 フローライト

No.45 フローライト



フレッシュなエメラルドグリーンが美しいフローライトだ。透明感は申し分なし、カクカクした形も最高である。
このフローライトは2019年の東京ミネラルショーで買ったものだ。外国の明るいお兄ちゃんが「ロジャリー鉱山のフローライトだよ!」と言って500円で売っていた。
フローライトは価格がピンからキリまであり、安いものは100円で買えるが高いものは1万円を軽く超える。特にイギリスのロジャリー鉱山で採れ

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No.44 コベライト

No.44 コベライト



青くメタリックな光沢がかっこいい鉱物。光を強く跳ね返すキリッとした金属光沢と深い青は近代的でおしゃれである。しかも日本の山梨県で取れた鉱物だと言うから驚きだ。このコべライトという鉱物は「コベリン」という名で有名で、ビジュアルの美しさからコレクター向けにルースとして加工されることもある。
そんなカッコいいコベライトだが、ひとつだけ残念なところがある。
実はコベライトは硬度が1.5〜2しかなく、爪

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No.43 ジェレメジェバイト

No.43 ジェレメジェバイト



長さ1センチほどの結晶だが、氷のような透明感とクールなブルーの色味は圧巻。ルーペで見なければ確認できない細かなクラックやインクルージョンも粋にキラキラと映えている。
ところで、ジェレメジェバイトという鉱物はとにかく名前がややこしい。人によってはエレメーバイトだったりエレメジェバイトだったりと人によって呼び方はバラバラだし、和名はエレミヤ石だし。現状どのように呼ぶべきなのか迷走している様子なのだ

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No.42 ブラックスターサファイア

No.42 ブラックスターサファイア



ブラックスターサファイア、なのだが、私の写真技術ではスターを写すことができなかった。非常に悔しい。実際は六条のスターがくっきりと出る良質なスターサファイアなのだ。
私自身このサファイアを気に入っていて、ある日石仲間に自慢として見せたらこう言われた。
「これ、今鑑別にかけたらゴールドシーンサファイアとして結果が出るかもしれない」
ゴールドシーンサファイアとは、2016年に発表された金色のグラデー

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