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No.45 フローライト

No.45フローライト

フレッシュなエメラルドグリーンが美しいフローライトだ。透明感は申し分なし、カクカクした形も最高である。
このフローライトは2019年の東京ミネラルショーで買ったものだ。外国の明るいお兄ちゃんが「ロジャリー鉱山のフローライトだよ!」と言って500円で売っていた。
フローライトは価格がピンからキリまであり、安いものは100円で買えるが高いものは1万円を軽く超える。特にイギリスのロジャリー鉱山で採れるフローライトは一級品として有名だ。私の行きつけの鉱物店では100円玉ぐらいの大きさのものが3000円で売られている。
しかし、今目の前には同じくらいの大きさのものが500円という破格で売られている。もちろん即決でそれを購入した。
しかしそれから約1ヶ月後。私は行きつけの鉱物店へ行った。先程例に上げた3000円のロジャリー鉱山のフローライトを扱っているお店だ。
ちょうどこの時私は人生で初めて文学賞で自分の作品が最終選考まで残り、その文学賞のホームページで取り上げてもらえたということでルンルン気分だった。入賞は逃したため次は頑張らないとと思いつつ、初めて自分の作品を評価されたご褒美として今回何か鉱物標本を買おうかとやってきたのだ。
ご褒美ということでいつもより多く品を買い、帰りのバスを待つ間に「そういえば東京ミネラルショー行ってきたんですよ!」と話題をふった。そしていくつかの戦利品を自慢したあと、そのまま「ロジャリーフローライトが破格の500円で売られてたんですよ!」と話をしたのだが、これに店主さんは気まずそうに一言。
「それ、マダガスカル産かもしれない」
店主さんいわく、最近マダガスカル産のフローライトをロジャリー産と偽って売る業者が増えているらしい。一応例のフローライトの画像を店主さんに見せたが、感想としては「もしかしたらマダガスカル産かも」とのことだった。
お気に入りのフローライトが一気に疑惑のフローライトに変わった。うろたえる私に店主さんは次のように話してくれた。
まず、ブラックライトで蛍光しない場合。それは100%マダガスカル産なのだそうだ。だがマダガスカル産でも蛍光するものがある。しかしロジャリー産のフローライトはマダガスカル産に比べ強く美しく蛍光するらしい。
確かに私は蛍光に関しては未確認だった。後日すぐ例のフローライトにブラックライトを当てた。
結果としては蛍光したが、強いのかどうかは私に判別できなかった。青白く美しい蛍光はするが、これがロジャリー産フローライトの蛍光なのかはわからない。一応ネットでロジャリー産とマダガスカル産の蛍光について調べてみた。なんとなくロジャリー産に近い気がするが、確証は全くない。
結果的に私は「9割ロジャリー、1割マダガスカルの可能性あり」と判断した。
まあ、結果はどうあれ綺麗なフローライトなので大事にしようと思う。


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