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「想いを込めた〜」というより「ピュアで手垢べったべた」なもの

はじめて中田さんご夫婦にお会いした時に味見させて頂いた、できたての温かくて柔らかい黒糖の味わいは、「なにこれ!?」というのが正直な感想でした。
実はそれまでは黒糖があまり好きではなかったのですが、めちゃくちゃ美味しくて、シンプルで、深くて、優しくて、何かを食べて感動した経験はこれがはじめてでした。

交流を続ける中で後から知ったのですが、サトウキビの品種がそもそも違っており「太茎(タイケイ)種」という屋号にもなっている在来種を育てているとのことでした。
太茎種は品種改良後のものと比べると育てにくいため、作り手がいなくなり味わえなくなった品種です。

中田さん曰く、「昔はこれ(太茎種)しかなかったんだよ。」「これが一番美味しいからね〜。」とのこと。
「昔、食べていたあの美味しい黒糖やきび酢を、みんなに味わってもらいたい。」という思いから、定年退職後に空き家になっていた加計呂麻島の実家をDIYで加工場に改装し、周辺の土地を開墾しはじめたそうです。

その他にも、美味しくなるように自作の肥料を日々改善していることや、農薬の使用量を抑える工夫をあれこれ考えては試すなど、たくさんの工夫を凝らしていらっしゃいます。
…というのも電話で「今日こんなことしたよ〜」などと聞き取る日常的な出来事から私がまとめた話で、中田さん、ナチュラルにめちゃくちゃ泥臭く試行錯誤されています。

私も人のことを言えませんが、中田さんは「言葉で伝えることがど下手」です。笑
でも、上手な言葉にしなくても滲み出る「ピュアな想い」と、泥臭くて「手垢べったべた」なところ、押し並べて「ヒューマンスケール」なところが私は大好きです。

(「手垢べったべた」はもちろん比喩で、きちんと保健所の許可を得た環境で操業しています。笑)

私は窓口としても表現者としてもとっても未熟なのですが、この辺がうまく表現ているのか?振舞えているか?いつも気にするようにしています。

きび酢1本

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私が出会った頃のパッケージです。姪御さんがデザインしてくれたそうで、もうこのエピソードだけで大好きでした。

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商品画像-11

その後、パッケージを刷新する必要があり、私がデザインすることに。
一番のこだわりであるサトウキビの絵を私が描きました。手描きです。
黒糖の袋は「手作り」や「こだわり」がキーワードだと、クラフト紙になりがちですが、「ピュアな想い(と味も)」を表現したくて半透明にしました。
少しキレイになりすぎたかな?というのが反省点です。

原画は中田さんにプレゼントしました。2019年にお邪魔した際に居間に飾ってあるのを見た時は、嬉しかったです。

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