これからの母子保健 こども保健行政に懸ける思い
すでに厚生労働省のホームページでも出ていることですし、何も隠すことはないと思いますので、少しずつお伝えしていきたいと思います。
昨年度、「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」がありました。
そこで検討されたことが、今年度事業として実施されることになっています。
役所の方も請け負った業者の方も、いまきっと連日遅くまで残業しながら(働き方改革から始まったことで矛盾していますが)取り組んでくださってることと思います。
今年度内に自治体の母子保健への通知が出て、「医療のかかり方」を母親学級・両親学級・乳幼児健診で伝えることになるというのが、次年度の見通しです。
今年度できることは、教材の作成といくつかの自治体での実施と。それをもとにして、次年度はもっと大々的に、というところです。
今回の教材の中身に入るものは、まだまだこれから。「医療のかかり方」は基本としてありますが、できることなら今年度は無理でも、予防接種やAMR対策も入れてほしいのは願いです。
そして、もう一つ大事なことは、伝える方、今回の場合は自治体の母子保健担当者=保健師さんや看護師さん、助産師さん、です。
この方々が、困らないように、教育体制を築いていくこと。
そのために、日本小児科医会へ協力を要請するなどしています。
日々日々動く国の動きや都道府県&市区町村の状況、それらをきちんと把握して、科学的なこと、そして住民のことを理解している人が伝える必要があります。
なかなか難しいことです。
そんな難しいこともできる素敵な保健師さんを私はたくさん知っていますが、そうでない方がいることも現実。
とても古い知識でバッサバッサと親を斬ってしまう方も、現にいらっしゃいます。
もう市区町村の保健行政は、それどころではなく、健康な子どものことなんてやってる状況にない、それも真だと思います。
虐待、発達、高齢者、とにかく保健師さんは手一杯、話を聞いていてこちらまで苦しくなります。
だからこそ、自治体の母親学級、病院の母親学級、病院での産後指導、と沐浴を3回も教えているの、無駄じゃないですか?
両親学級でパパに妊婦ジャケット体験のみであるとか健診時の指導は歯や離乳食のみ、というところなど見直すことができないかな!?と。
すでに業者の委託が多くて、保健師さんが直接携わっていない現状だからこそ、委託業者へのきちんとした指導が必要だし、無駄があればそこは見直す必要があるのではないかと。
「病気については、何も伝えてないけれど、何を伝えればいいかわからない」
「予防接種について聞かれても、答えられない」
保健師さんから直に聞いた声です。
一方、医療者に見放されたと感じたり、つらい思いをして元気な子どもが受けられるべき医療を受けていないケースもあります。
医療不信のきっかけは、ほんの小さな傷つきであるケースがほとんどです。
また科学的でないことを指導されて、真に受けて苦しんでいる方もいます。
そのすべてをこの事業でなんとかすることはできなくても、子どもを産む前に、そして産んで初めて繋がる行政機関、専門職が、十分な知識を持って対応できることで、結果的に安心感を持って子育てできる人が増えるということ、それは結果的には仕事を減らすことに繋がりませんか?
情報の偏りで、隙間から落ちてしまう方を減らしていくこと、そして子育てを始めた最初の一歩で医療と繋がっていくこと。
国や都道府県で政策的に決めたこと、学会等でしっかりと科学的に立証したこと、そして、市区町村の現場でのこと、それらが風通しよくもっとそれぞれの思いや政策が行き交うことが必要だと思っています。
国で決めたこと、現場で話を聞いても、全然伝わってないことが多い。また逆に、現場の困りごとが全然他のところに伝わってないことも多い。
そこは、もっとオープンに学びあえる、知り合えることが必要だと思うんです。
10年以上こればかり考えてきた私の思いを理解してくださっている方々が、背中を押してくださっています。
夢物語、机上の空論にしないために、やってみます。
この構想には、小児医療関係者の方々と自治体のこども保健関係者の方々の理解と協力が不可欠です。
それは違うよ、もっとこうしたら、こんな協力できるよ、等など、どんな声でも、真剣に考えてくださる方の声は、どこへでも聴きに伺います。
自治体の母子保健担当の方、ご協力をお願いいたします!
そして、その教育体制の構築に、小児科の先生方、ご協力をお願いいたします!
※母子保健、という言葉が現在使用されている言葉なので使っていますが、こども保健行政で良いのではないかと思ってタイトルにも入れました。
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