天野 祐介 (ama_ch)

サイボウズのスクラムマスターです。社内外のチームをお手伝いしながら、最高のプロダクトを…

天野 祐介 (ama_ch)

サイボウズのスクラムマスターです。社内外のチームをお手伝いしながら、最高のプロダクトを作れるチームワークを探求しています。

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  • スクラムマスターの頭の中

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仙台に移住して1年経ちました

2021年8月末に東京から仙台に移住し、1年経ちました。四季を一周巡り、少しずつ仙台を身近に感じられるようになってきました。 1年前の移住直後に書いた記事はそれなりに読んでもらえているようで、今でもたまに「読んだよ〜」と声をいただくことがあります。 仙台で1年生活してみて、暮らしの変化や気づいたことなどを紹介します。 気候:夏は涼しくて冬は寒いけど雪は少ない東京に比べると、全体的に寒い方に1〜2段階寄せた感覚です。夏は暑さのピークが弱い分、爽やかな風を感じられる日が多く

    • 正しく苦しみ、成長に賭ける

      こんにちは。天野です。 私の現在の大きな責任の一つは、組織内のスクラムマスターの成長を支援することです。日々メンバーと向き合う中で、彼らが「適切に苦しんでいるか」という視点を持つことの重要性に気づきました。 今回は、この「苦しみ」という観点からスクラムマスターの成長について深掘りしてみたいと思います。 経験による学習は苦痛を伴う先日紹介した経営学習論の記事から、経営学習論で紹介されているコルブの経験学習サイクルによると、学習プロセスは以下の4段階で構成されています:

      • なぜスクラムマスターを採用するのは難しいのか

        こんにちは、天野 @ama_ch です。シニアスクラムマスターやスクラムマスター職能のマネージャーをしています。 この記事は、CYBOZU SUMMER BLOG FES '24 (Agile/Scrum Stage) DAY 3の記事です。 スクラムマスターの採用に苦心している組織は少なくありません。私自身、過去にスクラムマスターの採用活動を行いましたが、短期間で募集要項を取り下げた経験があります。そして最近、ようやくシニアスクラムマスターの募集を再開しました。 今回

        • 組織でのアジャイル実践に必要な構成要素が少しずつ見えてきた

          こんにちは。天野です。 ここ数年、自律的なチーム主体の環境を整える中で、組織レベルでのアジャイル実践に取り組んできました。その過程で課題に取り組みながら、試行錯誤を繰り返す中で、組織でアジャイルを実践するのに必要な構成要素のようなものが少しずつ見えてきました。 アジャイルな組織運営に必要な3つの構成要素スクラムガイドの構成(役割・作成物・会議体)を参考に、組織レベルのアジャイル実践に必要な要素を3つに整理してみます。 1. 組織構造と役割 組織構造は、組織の振る舞いを

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          Scrum Fest Osaka 2024の登壇資料(ドラフト版)

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          メンバーシップの法人プランに専用チャンネルで相談できる特典を追加しました

          こんにちは。天野です。 メンバーシップの法人プランに、法人ごとの専用チャンネルで相談できる特典を用意しましたのでお知らせします。 専用チャンネルは法人ごとに作成するため、個別の事情に踏み込んだご相談が可能です。チャンネルの作成方法は今のところ次の2パターンを想定しています。 1. メンバー用Discordに専用チャンネルを作成する本メンバーシップのメンバー用Discordにプライベートチャンネルを作成し、法人内のメンバーを招待します。日常的にDiscordを使っている方

          メンバーシップの法人プランに専用チャンネルで相談できる特典を追加しました

          RSGT2024の資料(ドラフト版)

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        記事

          スクラムマスターのスキルレポートから見えるインサイト

          こんにちは。天野です。 Scrum Allianceが発表したスクラムマスターのスキルレポートを読み、興味深い発見がありました。 求められるスキル、採用課題、グローバルトレンドなど、レポートから得られたインサイトを紹介します。 主要なインサイトレポートの主要なインサイトは以下の通りです: スクラムマスターの役割の進化: 伝統的なスクラム実践を超えて、より戦略的な役割やビジネスプロセスへのアジャイル統合が求められています。 スキルセットの拡大: 技術的スキル、コーチ

          スクラムマスターのスキルレポートから見えるインサイト

          良いゴールを設定するために

          こんにちは。天野です。 スクラムを始めたチームでは、ゴール設定に苦労する光景をよく目にします。「ゴール」はスクラムガイドに頻出する言葉です。スクラムガイドでは、スプリントゴールは「スプリントの唯⼀の⽬的である」と説明され、プロダクトゴールは「プロダクトの将来の状態を表している」と書かれています。 スクラムガイドにはゴールの具体例などは書かれていないため、良いゴールを設定するスキルはチームが試行錯誤しながら身につけていく必要があります。 最近はスクラムチームのスプリントゴ

          良いゴールを設定するために

          LeSS版スクラムガイドを読んだ感想や論点など

          こんにちは。天野です。 1週間ほど前にLeSS版スクラムガイドである Scrum Guide (LeSS version) がリリースされました。LeSSの考案者である Bas Vodde さんがLinkedInで公開しました。 公開後は色々な議論も起きているようですが、変更点のまとめ・読んでみた感想・現在の論点などを整理します。 変更点のまとめガイドの最後に変更点のまとめの記載があります。 2020年版をベースにして、いくつかのパートは2017年版を使っているそうで

          LeSS版スクラムガイドを読んだ感想や論点など

          半期フィードバック面談を始めた

          こんにちは。天野です。 最近半期ごとのフィードバック面談をやり始めました。これがなかなか良い手応えを感じており、フォーマットや所感などをまとめておきます。 なぜ始めたのかこれまでメンバーを支援する基本的な手段は、定期的な1on1でした。その他は、期末に給与評価&フィードバックの面談を実施していたくらいです。1on1を週1回など高頻度で実施し、その時々に応じた支援を提供することが重要だと考えています。 1on1は支援の基礎として重視していますが、コーチング的な要素が強く、

          半期フィードバック面談を始めた

          セッションプロポーザルを書く時に意識していること

          先日、スクラムフェス仙台2024のプロポーザル募集を終了しました。今年もたくさんのプロポーザルのご応募ありがとうございました。現在、採択に向けて鋭意検討中です。 最近は全国にスクラムフェスが増えたことで登壇の機会が広がり、有志によるプロポーザルわいわい会も頻繁に開催されるようになり、全体的にレベルの高いプロポーザルが増えたと感じます。 私もスピーカーとして数年プロポーザルを書き続け、スクラムフェス仙台を立ち上げてからは採択する立場から読むようにもなりました。特に採択をする

          セッションプロポーザルを書く時に意識していること

          スクラムマスターにとってのマネジングアップとは

          こんにちは。天野です。 先日のスクラムフェス大阪で、横道さんのキーノートに「マネジングアップ(Managing Up)」という言葉が登場しました。 マネジングアップとは、次のように説明されています。 最近はマネージャーとして活動している自分にとって、マネジングアップはする側とされる側の両方を考える非常に興味深いテーマでした。今日は、スクラムマスターのマネジングアップについて考えてみたいと思います。 スクラムマスターの「上司」は誰なのか私は今はスクラムマスターのマネージ

          スクラムマスターにとってのマネジングアップとは

          前ほどSAFeが嫌いじゃなくなってきた

          こんにちは。天野です。 アジャイルを実践する多くの人々は、シンプルなツールやフレームワークを好みます。そして、複雑なものを嫌う傾向があります。JIRAやSAFeがその代表例でしょう。私がこれまで受けてきたトレーニングでも、多くのトレーナーがこれらの「悪口」を言っていたのを覚えています。 私も例外ではなく、SAFeに対して否定的な見方をしていました。先日のスケーリングの記事にも書いたように、スクラムを始めた当初からスケーリングの課題意識があり、さまざまなフレームワークを比較

          前ほどSAFeが嫌いじゃなくなってきた

          なぜウォーターフォールかアジャイルかという選択肢になるんだろう

          アジャイルコーチとして各所で話をしていると、今でもよくウォーターフォールのカウンターパートとしてアジャイルを採用すべきか否かという話に遭遇します。この手の話になると、いつも数年前に話題になった牛尾さんのブログ記事を思い出します。 基本的には自分も同じ意見なのですが、なぜ「ウォーターフォールかアジャイルか」という構図になるのか興味を持ったので、少し考えてみます。 アジャイルが「向いていない」問題領域はあるのかよく聞くのが、プロジェクトの性質によってアジャイルを採用したり、従

          なぜウォーターフォールかアジャイルかという選択肢になるんだろう

          Scrum Fest Osaka 2024の登壇資料(ドラフト版)

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          Columinityを上司・同僚に紹介するためのガイド

          こんにちは。天野です。 こちらのマガジンで何度か取り上げているColuminityですが、利用を開始してそろそろ3ヶ月になります。複数のチームでサーベイを実施してみて、最初は導入の提案者(スクラムマスター)が理論的背景やサーベイの目的をしっかり説明する必要があることが分かりました。 ツールとしては自分(マネージャー)が導入しましたが、各チームのサーベイを実行するのは各チームのスクラムマスターにお願いしているためです。 Columinityは今後も継続して活用したいと思っ

          Columinityを上司・同僚に紹介するためのガイド

          「スクラムマスターって何をするの?」に対する私なりの答え

          こんにちは。天野です。 先日リレーブログ企画がスタートしました。多くのスクラムマスターが参加を表明してくれ、参加者の合計は10名以上になりました。現在も数本の記事が執筆されています。 こちらのリレーブログ企画では細かい記事の構成やアウトラインのルールは定めていませんが、『「スクラムマスターって何をするの?」に対する私なりの答え』という節を含めることだけ共通のルールとしました。 皆が「スクラムマスターって何をするの?」に向き合っているのを見て、自分も言語化してみたくなった

          「スクラムマスターって何をするの?」に対する私なりの答え

          トレーナーになりたい訳ではないけれど、トレーニングは必要

          こんにちは。天野です。 最近マネージャーとして予算に向き合ったり、スクラムマスターの成長のことを考えたり、組織へのアジャイル浸透などを考えたりしていて、トレーニングを作ろうかなという思考に至りました。 もともと自分は現場主義のスクラムマスターで「なるべく現場でチームと一緒に活動して、トレーニングは得意な人(トレーナー)に任せよう」という考えを持っていました。しかし、役割の変化や実現したいことを考えると、どうにもトレーニングを避けて通れなくなってきました。 今日はトレーニ

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