Columinityを上司・同僚に紹介するためのガイド

割引あり

こんにちは。天野です。

こちらのマガジンで何度か取り上げているColuminityですが、利用を開始してそろそろ3ヶ月になります。複数のチームでサーベイを実施してみて、最初は導入の提案者(スクラムマスター)が理論的背景やサーベイの目的をしっかり説明する必要があることが分かりました。

ツールとしては自分(マネージャー)が導入しましたが、各チームのサーベイを実行するのは各チームのスクラムマスターにお願いしているためです。

Columinityは今後も継続して活用したいと思っているので、利用するチームが増える度にチームへの説明が必要になります。そこで、説明の手間を減らし、効率的に理解を深められるよう情報をまとめたいと思います。


Columinityとは

Columinity(カラミニティ)は、科学的な洞察に基づき、チームワークのスコアを算出しチームの改善を支援するツールです。1つまたは多数のチームを診断し、エビデンスに基づくフィードバックを受け、より広範な組織的問題を解決することにも活用できます。

ほぼすべてのアジャイルチームに使うことができ、サーベイにより5つのコアファクターと20以上のサブファクターについてチームを評価します。スコアとエビデンスにもとづき、費用対効果が高い改善エリアを特定し、実行可能なアクションを提案します。

Columinityはゾンビスクラムサバイバルガイドの著者であるBarry Overeemさん、Christiaan Verwijsさんらが7年間の研究もとに構築した理論モデル(後述)をベースに開発しました。元は研究のために理論モデルの実証データを収集するために作られた "Scrum Team Survey" というツールでしたが、現在は "Columinity" にリブランディングされ、より汎用的なチーム診断ツールとして利用可能になっています。

アジャイルとスクラムチームの効果性の理論

Columinityを活用するには、背景となる研究の理論モデルに対する理解が不可欠です。

背景となる研究 "A Theory of Scrum Team Effectiveness" は、「効果的なスクラムチームの重要な要因は何か。それらはどのように相互に関連しているのか?」というリサーチクエスチョンを立て、スクラムチームの効果性に寄与する5つのコアファクターと13個のサブファクターを特定しました。

下記の解説記事もぜひ読んでください。

最終的に検証された理論モデルを上記解説記事から引用します。

大きな灰色の円が主要な要因を表し、さらにそれを表すための下位の要因が白い円で描かれています。右の「チームの効果性」は最終的に診断される項目なので、そこに至る5個の要因(ステークホルダーへの関心、反応性、継続的改善、チームの自律性、マネジメントの支援)とその相関の強さが特定されました。

解説記事から5つのコアファクターの定義を引用します。

「反応性」をチームがスプリントごとにリリース能力があると定義した。「ステークホルダーへの関心」とは、チーム全体が、ステークホルダーが誰で、どのようなニーズを持っているかをよく理解している度合いを指している。「継続的改善」とは、チームが自分たちの改善に対してオーナーシップを持ち、それが支援されており、安心して行える一般的な風土のことである。「チームの自律性」を、内外の制約から(相対的に)自由であることと定義した。「マネジメントの支援」を、チームがマネジメントから支援されていると感じている度合いと、スクラムでの作業を支援している感じる度合いと定義した。

https://www.servantworks.co.jp/posts/what-makes-scrum-teams-effective/

サーベイから分かること

Columinityを使ってサーベイに回答すると、理論モデルの各要因のスコアが算出され、下図のようなレポートを得られます。

デモレポート

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ありがとうございます。書籍代に使ったり、僕の周りの人が少し幸せになる使い道を考えたいと思います。