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或虎
2023年8月1日 22:44
「どうしたんですか?その手」「ああ、ちょっと怪我してね」「『ちょっとね』っていうレベルに見えませんけど……大丈夫ですか?」「まぁ、大丈夫でしょ」「ほんとですすか?拳全体包帯ぐるぐる巻きじゃないですか?」「はは、ドラえもんみたいだろ」「いや、まぁ」「ほんとに心配いらないから、だって血も止まってるし」「そうですか……それにしてもどうしちゃったんですか?」「いやぁうっかり包丁で切っちゃ
2023年8月5日 10:32
「恋に落ちろ!このゲス野郎」 雑言とともに矢が飛んで来た。「危っ!」 なんとか躱した。「チッ」「何なんですかあなたは?」「見りゃ分かるだろ?キューピットだ」「確かにそんな風な見た目でけど、ともかく矢で射るのはやめてください」「どうしてだ?」「いや、だって痛いでしょ」「ちょっとだけな。でも死にはしない」「痛いの嫌なんです」「生意気言うなっ!」「危ないって!」 とっさに掴ん
2023年8月5日 23:42
アナタと別れてもう3年が touch mouse今、昔を nutsかしんでお手紙書いてますアナタはいま Doされてますか?私はカナダの暮らしにもうdive慣れましたDemoアナタのいない冬はsome過ぎますあの時Goingに引き止められていたら……なんて考えますでもアナタは so shock系で knee cushion系男子ではありませんものねなんてアナタの seyにしてごめんね
2023年8月6日 00:20
泉から女神が現れ――「あなたが落としたのはこのAuの斧ですかそれともAgの斧ですか?」 正直者の木こりは―― 「いえ、私が落としたのはFeの斧です」 すると女神は「あなたは正直者ですね、ではこのAuの斧と、Agの斧を差し上げましょう」 きらきらと輝く美しい斧を二つとも木こりに渡し、泉へ姿を消しました。 その一部始終を見ていた隣に住むきこり。「よしっ、俺もおんなじことをやってやろ
2023年8月11日 22:52
私は今産まれた――貴方が読むことによって。私は文章生命体。貴方がこの文章を読んでいる間だけ、この空間に存在することができる。 待って!今、読むのを止めようとしましたね?私を殺す気ですか?いや、正確には、”私を存在させない気”ですか?私は貴方が読んでくれないと消えてしまうのですよ。 分かります貴方の言い分も。なんの情報もないのに、私に感情移入なんてできるはずがないですよね。なるほど、つまり文
2023年8月19日 02:06
言えよ。本当のことを――退屈なんだろ? 倫社の授業なんて、何の意味も無い死ね!俺の時間を奪うな――って思ってんだろ?俺には分かる。俺は半分お前だからな。 見えてんだろ?そう、窓ガラス。俺はそこに映っている。 教師が何か喋ってる。抑揚の無い声で、俺たちの未来に興味なんかないんだアイツは。ましてや俺たちの”今”なんて知ったこっちゃないって思ってる。 お経みたいだぁ?違う。”みたい”じゃな
2023年8月20日 02:02
「100人乗っても大丈夫」 というキャッチで物置市場を長年に渡り独占してきたたA社。その牙城に一槍入れたのは新興のB社。「当社の物置は106人乗っても大丈夫!」 センセーショナルかつアグレッシヴなキャッチに、市場は震撼、B社の株価は急騰、反してA社の株価は急落。しかしA社も黙ってはいない。「当社独自の新技術により138人も乗って大丈夫!(特許出願中)」 ざわ ざわ
2023年8月26日 23:38
「知ってたってわけさ。ははははは」 反響する哄笑、肩が揺れ、銃も揺れ。「俺が潜入捜査官だってことをか?」 椅子に縛られた男、口端から血、眼は約3倍の紫。「当然知っていたさ。ははは」銃を弄びながら笑う。 縛られた男、ギッと見上げ「いつからだ?」「最初からだ」「最初から?」「そうだ。警察に内通者がいる。そいつから逐次報告を受けていた」「そんな馬鹿なっ!じゃあお前は?!」「そうだ
2023年8月30日 01:58
Y氏はスパイ。「独裁者Nを失脚させるスキャンダルを探れ」という指令を受け、S国に潜入している。表向きはG国の大使と身分を偽装して。 今夜、Nの邸宅で各国の大使を集めたパーティー開かれる。Y氏は妻役のTを連れ、Nの邸宅へ向かう。TもG国の諜報機関に属するスパイだ。 門扉の前で、武装した警備兵に車を止められる。身分証を見せ、身体検査を受け、やっと敷地の中に入れた。物々しい警備だ。通常の手段では忍
2023年8月30日 23:23
放課後、教室、窓際、飛び交う怒号。 喧嘩?え?あの小野さんと大野さんが?いつも一緒に登下校するあの仲良しコンビが?!「大野さんには分からないのよ!私の気持ちなんて――」「落ち着いてよ小野さん、何に怒ってるの?」「態度よ。態度!いつも私のこと馬鹿にして」「してないわよ」「私が小野だからって、大野より下なわけじゃないから」「分かってるわよそんなこと」「じゃあなんで『大は小を兼ねる』