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「雑談」や「寄り道」が、宝を教えてくれる


答えを求めず、予定調和なく、脱線しまくりながら、とりとめなく話す。
くだらないことに熱弁をふるい、とんでもない方向に飛んでいき、思いもよらない発見をする。

このご時世、そんな「偶然の雑談」の機会が減ってしまった。
だからこそ、雑談の力をあらためて知った、最近の出来事。


企画書一枚よりも

先月、数年前にお世話になった出版社のSさんを、久しぶりに訪れた。
アポの用件は、温めている企画の相談。
このSさん、なかなか感度の高い編集者で、時代をキャッチする力も鋭い。そんな彼女が、私の動きにいつも興味を持ってくれていることに、私は気を良くして、企画書を持参した。

企画書と言っても、まだタタキ台。
Sさんなら、タタキ台レベルでも理解を進めてくれそうな気がしていたけど、いきなり出すよりも、話の流れで出し方を考えようと思っていた。

そんな私の内心を知ってか知らぬか、一年ぶりに会うSさんは、この一年の近況報告を始めた。
「本当なら食事でもしながら話したいのに」と言いながら、お互い最近気になること、取り組んでいることなど、まさにランチ会さながら。

本題の前のウォームアップのはずが、いつのまにか白熱。
なんと、偶然にも、私が興味を持って取り組みたい方向性と、Sさんが手掛けていることがとてもリンクしていた。
そんな驚きと感動から、あれやこれやとアイディアフラッシュ。

2時間くらい盛り上がった頃、ようやく私の企画書の出番。
もはや、どっちが本題とかどうでもいい。
企画書は、さんざん盛り上がった雑談で出たアイディアのおかげで、Sさんの理解は早くて深く、更なる発想が拡がった。
むしろ持ってきた企画書は、すでにかすんでいるかも。

もし、雑談もなく、建前どおりに淡々と企画書だけ見せていたら、理解や深堀り、アイディアの発展はかなり違ったと思う。
メールでのやり取りでも、これは生まれなかっただろう。

私は、「企画書は端的に短めに」が主義だけど、やっぱり雑談は多めにしたい。
余談が本題になることもよくある。
企画書を補完どころか、思わぬ発見や、さらなる発展を生むのは雑談の力だとあらためて実感している。

ひょんな出会いで初対面ノープランからの

先月、私の記事に「スキ」をくださったKATAEさん。
私からも読みに行くと、こんな記事があった。

内容は、「noteのクリエイターさんにインタビューし、文章では表現しきれないものを伝えたい」という企画提案。
なるほど!

確かに私も、いい記事に出会うと、この書き手の「人となり」みたいなものに興味がわくことがある。
「文字では表現しきれないもの」は必ずあると思うし、サークルとは違って、一人ずつに焦点を当てる、というところがいい。
シンプルにおもしろそうな企画だなと思った。

と同時に、私は、そういう発想をするこのKATAEさんという人にも興味がわいた。
どことなく私の志向と共通点がありそうだったし、KATAEさんの記事から感じるのは、人に対する眼差しの優しさ。

そんな思いから、私はコメント欄に、企画の賛同と共に、「雑談から生まれるものもあると思う」と伝えた。

よく見たら「タイトルが雑談」なのであって、KATAEさんは「雑談の提案」ではない。なのに私は、うっかり「雑談を主体」に書いてしまった。

すると、KATAEさんから「一度お話ししてみたい」とお返事が。
その数週間後。
実際に、KATAEさんとZoomで「雑談の会」をやることになった。
初対面でノープラン。

仕事としての目的もなく、お互いプロフィールからうかがえる、なんとなくの人柄や志向だけが頼り。
どんな展開になるかは、本当にわからなかったけれど、気づけば3時間。

あちこちに飛びながらも、話は深まり、お互いのキャリアとしても先々につながる「可能性」を見つけた。
もしかしたらおもしろく育つかもしれない。
私は、ガツガツとした利害関係ではない中にこそ、ホンモノがある、といつも思っている。
それが結果的に仕事になれば尚よし。

そんなこんなの企画や可能性の具体的な話は、また追って。

正解や結論に、最短で行こうとしない。
むしろ、宝は、寄り道やムダが教えてくれる。
ムダは無駄じゃない。

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