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田舎町で叶えたジブリの暮らしと世界を目指す上場企業での挑戦【転職/地方移住】


「30歳までには、長閑な高原にある美しい森の中で暮らしたい。野鳥のさえずりで目を覚まし、天の川を眺めて眠りにつきたい。」

夢見た暮らしを叶えた、
28歳の私の転職と移住のお話です。

信濃町は黒姫高原の自宅

新卒でJAXAに入社したのは2017年。

もう、6年も前か。

2023年3月に退職するまで、
国際宇宙ステーションや月探査プログラム。

事業企画からNASAやヨーロッパ等の国際パートナーとの国際調整、経営企画、プロジェクトマネジメント。パリコレクションとのコラボレーションまで、幅広いお仕事を経験させて頂きました。



カラフルな才能を持つ同僚や先輩方に囲まれ、母親や父親のように成長を見守ってくださる上司に出会い。



日々学ぶことがあり、
追いかける背中がある。
何よりも、大好きな宇宙開発の推進力になることができる。
幸せな毎日でした。


JAXA時代、ひとつのルーティンがありました。

土曜日の早朝、まだ街が眠っている時間に東京を出て長野県へ。

太陽と地球の位置。
それから、空と森の気分で刻々と変化する山間のドライブロードを愛車で走る。

軽井沢に佐久。
諏訪に茅野。
安曇野と松本。
上高地に乗鞍。
渋峠に志賀高原。
大町に白馬。

長野県のあらゆる高原を、
あらゆる季節にドライブしました。


深い山々に囲まれた場所に身を置くと、自分と世界の境界が薄くなり、気持ちのいい風が身体を駆け抜けて行きます。

感性が開き、
意識はどこまでも自由になる。

そんな体験を重なる度に高原での暮らしへの憧れが募っていきました。

「いつか、美しい高原で暮らしたい。」

そんな時に偶然出会ったのが北信州は信濃町でした。

能登半島への旅行の帰り道。
東京までの中間地点だったから、偶然立ち寄った町。

「ああ、ここだね。ここで暮らそう。」

世界から切り離されたような時の流れに、手付かずの自然。
それに加えて、どこか洗練された町。

この町には他のどことも違う、独特な磁場がありました。


時を過ごす中で知ったことですが、この町には都市で名を馳せたクリエイターの方々が集まっていました。


茶室で珈琲をもてなす「珈琲 占野」さん
「パリの菜食生活」でお馴染みの室田 HAAS 万央里さん

唯一無二のおうどんを提供する日本料理屋「温石」さん
祐天寺からお店を移されたオーガニックセレクトショップのsikiさん。
パリから越して来たお兄さんが営む計り売りのオーガニックマーケットと食堂。


洗練されたセンスの人々を惹きつける
「特別な何か」がある町。

人口8000人にも満たないこの町は、ご年配の方が多く、労働人口の少ない日本中にありふれた人口ピラミッドを持つ町。


「素敵な場所だけれど、
ここに仕事は無いだろうな。」


東京の仲間たちとリモートで仕事をしつつ、用事があれば都内に戻れば良い。そんな心で、この地で暮らすことを決めました。

「この町であなたに向いている仕事があるとしたら、ひとつね。サンクゼールって知ってる?ほら、久世福商店をやってる会社よ。サンクゼールの事務所が信濃町にあるの。」

お世話になっている方の何気ない一言で知ったのが株式会社サンクゼールでした。


その時の私は、久世福商店やサンクゼールであまり買い物をしたことが無くピンと来なかったものの、「これも何かのご縁かも知れない」と思い調べてみることに。


「え?こんな田舎に。
時代を先取りしたような会社がある。」


衝撃的な体験でした。

JAXA時代、日本を代表する企業の方々と様々な形で交流がありましたが、そんな会社に引けを取らないというよりも「未だかつて出会ったことのない特別な風土のある会社」でした。

お客様や取引先、従業員含むサンクゼールの事業に関わる全ての方々が豊かになる商いをする。

普遍的で美しい経営理念を具現化したビジネスモデルに、それを体現する社員の方々。

ローカルな生産者さんに適正な利益配分を行い、彼らが苦手とするマーケティング視点での商店開発を行い、販路を提供する。

だから、ローカルの自律性を保ったまま、日本各地の豊かな食文化を未来に残すことができる。
お客様にも喜んで頂くことができる。

サステイナブルなビジネスモデル。

「完璧にはなれないかも知れないけれど、完璧を目指し続けることはできると思うんです。」


どうしてこんなに素晴らしい事業ができるのか。
私の疑問に、社長はそう答えました。

「この会社の成長の推進力になりたい。」

サンクゼールがサンクゼールらしさを持ったまま大きな存在になるために。
2000億円規模の事業運営、経営判断を勉強させて頂いた知見がきっと役に立つ。

異なる遺伝子と生まれるシナジー程、広がりのある創造力は無いと思うのです。

「近い将来、食のユニクロになりましょう。」


SPAモデルを磨いて、サンクゼールが育んで来た成熟した文化を世界に広げるために。

信濃町は黒姫高原の自宅


長野県の最北の地で見つけた、豊かな世界を広げる挑戦。


夜になれば天の川を眺め、フクロウの声で眠りにつく。
朝は、茜色に染まる空に野鳥のさえずりで目を覚ます。
昼間は、サンクゼールの仲間たちと素敵な仕事を創り。


週末は、町の子供達と遊んで、
家庭教師をしたり、宇宙の話をしたり。


仲良しの小学1年生の男の子が、
「お姉ちゃんが好きだから」
と言ってプレゼントしてくれた国際宇宙ステーションの絵。

東京から家族や友人が遊びにきてくれて、
高原でピクニックをしたり。

仲良しのペンションのオーナーご夫婦にご飯を作って頂いて、お二人の愛犬のグレートピレニーズと野尻湖で泳いだり。


数年前に思い描いた夢よりも
ずっとずっと素敵な時に在る日々。


違う業界にやって来て戸惑うこともあるけど。運命に似たご縁を大切に。

私にできることを一歩ずつ。
会社ともこの町とも。
豊かなシナジーが生まれることを願って。


最後まで読んでくださってありがとうございました。


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