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朝。



いつもの時間の電車に間に合うように、

いつも観ている番組の、あるコーナーが終わったら
玄関を出る。


いつもそのタイミングと決めていて、
それでも、そこから駅まではいつも小走りで。




駅に着いたらイヤホンを耳に。

今日は気分を上げたい。
今日は落ち着きたい。
毎日プレイリストを選ぶ。


聴き馴染みのあるメロディが聴こえて、
やっと呼吸を整える。



ここまでの道を思い返す。

はしゃいでいる子供たちや
部活の荷物を持って登校する子たちと
たくさんすれ違った。

子供たちの笑い声を聞くのも
毎朝の日課。




これまでに通った学校の制服。
背負ったランドセル。

あの頃の記憶ともすれ違う。



今は小走りで通る通勤路も、

あの頃は泣いて帰った帰り道。

友達と喧嘩したちょっと嫌な道。

片思いをしてたけど、結局言えなかった
あの子の家があった道。

友達の家に遊びに行こうと走った道。

たくさんの思い出を踏み締めた道。


通り過ぎていった、私のたくさんの感情。

あの頃とは大きく変わった私。

商店街はあの頃より廃れてしまった。

それでも、変わらぬ道。




今日はやっぱり、昔好きだった曲を聴こうかな。



ある日の、私の朝。

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