【詩】生き急ぐキミへ

２年前に話した時のキミは
ステージの上で見た時よりずっと華奢で
よくこんな細い身体で
ドラムを叩けるなと思えるほどで
面倒くさそうにサインと握手をしてくれて
ファンサービスなんて気持ち
これっぽっちもないような態度
顔までしかめてかなり感じ悪かった

キミは汚いこの世の中が嫌になったんだよね
見せかけだけの愛や裏切り
名ばかりの名誉
キミは人が思うよりずっと
純粋だったんだ
だから愛想笑いさえできない

キミは本当の幸せを求めてた
人から見たら十分幸せそうなのに
有名なミュージシャンになって
かっこいい外見
モデルの妻
かわいい子どもたち
大きな家
世界中にキミを想うファンがいて

それでもキミは幸せじゃなかった
キミは真実の愛を求めていた
愛に裏切られて死を選べるほど
キミは純粋だった
私が欲しくても持てない
あんなにたくさんのもの
すべて捨てて
永遠の愛を求めて旅立った

キミが選んだ結果
たくさんの人が泣いたけれど
今やっとキミが幸せを感じているなら
私たちは少しだけ嬉しいよ

©2023 alice hanasaki

※この作品は創作であり、
私生活とは関係ありません。

散文・詩｜花咲ありす｜note

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