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【ショートストーリー】女は港、とは限らない…?

「女は港、男は船」
なんて聞いたことがある。
今の時代に即していない、
古い表現のような気がするが…。

確か、心理的だろうが物理的だろうが、
男が自分から離れることがあっても、
航海に疲れた男は必ず女の元に戻るものだから、
信じて待つ港になろう、
みたいな意味だったと思う。

しかし港はいつもそこにあるとは限らない。
移設する場合もあるし、
船がいっぱいで戻るスペースがない場合もある。
そう、港に船は1艘だけではない。
何艘も停まっていることの方が多い。
それを考えると「女は港」なんて
おかしな表現ではないだろうか。

空港だって同じ。
停まったり飛び立ったりする飛行機は
同時期に何機もある。
「女は港」の論理でいくと、
女は一度に何人もの男を受容していいことになる。
というより、何人も受け入れないと、
港の役割は成り立たない。

「女は港」なんて言った昔の人は、
フラフラしても戻る場所があると
安心していたのだろうけど、
その間、港にはたくさんの船が
出入りしていたかもよ?
戻るスペースがあっただけ、
ありがたいと思った方がよかったかもね。

そんな私は女だが、港にはならないつもりだ。
私は船になる。
私は自由でいたいのだ。
戻る港はなくてもいい。
食料や燃料を積むため立ち寄る港は必要だけど、
同じ港には多分二度と停まらない。
私は一生航海をしていたい。
そんな女もいるってこと、
昔の人が聞いたら「けしからん」と思うかもね。

山根あきらさんの #青ブラ文学部
お題「港」に参加させていただきました。

※この作品は創作であり、
私生活とは関係ありません。

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