見出し画像

ディズニーランドの接遇と介護業界の接遇

大学の頃、ディズニーランドの経営について研究してレポートにした事があります。ディズニーというか、運営しているオリエンタルランドの経営ですね。

車ですぐ行ける距離にあるというのに、私自信もう何年もディズニーのテーマパークには行っていません。

最近テレビでディズニーの事をやっていてふと思い出しましたが、ディズニーの接遇は本当に素晴らしいと思います。

分野は違いますが、同じサービス業なので見習うべきことはたくさんあります。今日はディズニーと介護業界の比較をしてみようかと思います。

① ディズニーではお客の事を『ゲスト』と呼び、介護業界ではお客の事を『利用者』と呼ぶ

ディズニーではお客の事を『ゲスト』といい、スタッフの事は『キャスト』と呼びます。

介護業界では施設やサービスにもよりますが、多くはお客の事を『利用者』『利用者さん』『利用者さま』『ご利用者』などと呼びます。

この言い方一つでものすごい接遇の質が現れていると思います。たぶん、ここで説明しなくても直感的にわかりますよね?

介護保険の施設で働いていた頃は同じ施設で働いていても、既述のように皆バラバラな呼び方をしていたのですが、私は当時『ご利用者』と呼ぶことが多かったです。

『利用者』という言い方はその時点でスタッフがお客を下に見ているような気がするのですが、更に”さん”や”さま”をつけるのは、余計に馬鹿にしている感じがします。

だから『ご利用者』と呼んでいました。

私は個人経営で介護の仕事をしていて、『お客様』という呼び方に統一していますし、noteや著書でもそのように書いています。

なぜ『お客様』と呼ぶのかというと、やはり呼び方一つでサービスに影響が出てくると思うからです。

② SNSが禁止されているディズニー、SNSでご利用者の悪口を言う介護業界

ディズニーのキャストは、TwitterなどのSNSで仕事内容などを話すのは完全禁止されているようです。(SNS利用する事自体は大丈夫だそうですが)

まぁ、ぬいぐるみの中に入っている人のツイートとか見ちゃったら、せっかくの夢気分が台無しですもんねw

ディズニーでなくても、匿名とはいえSNSで内部の事をペラペラ話すのはあまり良いものとはいいませんよね。

しかし介護業界は、SNSで愚痴が非常に多いです。

インスタグラムはほぼそんな事はありませんが、逆にツイッターは介護関連のツイートは愚痴だらけです。

ご利用者や同僚の悪口を言ったり、施設や介護業界そのものに関して愚痴を言ったり・・・ためしに、Twitterで『介護』『介護職』『特養』などと検索してみてください。

私自身も匿名でnoteや著書で内部の事を発信しているわけです。

とはいえそれは、同じ悩みや目標を持つ人のお役にたてれば良いと思っているからです。業界全体が良くなれば良いと信じているからです。

だから極力、愚痴は書きません。失敗ごとはしょっちゅう書いていますが、それは愚痴ではなく反省です。

③ ひげ・茶髪・ピアスなど禁止のディズニー、服装が乱れすぎている介護業界

ディズニーでは男性キャスト・女性キャストで少し違いがあるものの、共通していえるのは清潔感のある服装が義務付けられています。

女性キャストは髪を染めても良いみたいですが、少しでも茶髪に見えるのはNG、ラメなどの入ったマニキュアはNG。

男性キャストはとくに厳しく、ロン毛・坊主NG、ヒゲNG、ピアスなどのアクセサリーNGだそうです。

ディズニーだけでなく、ホテルなどでも、後はまぁ一般業界の会社員でもある程度の清潔感は必要ですよね。

しかし介護業界は『身だしなみ』がとくにバグっています。

大正・昭和を生きてきたお年寄りというのは、特に『茶髪=不良』と認識する傾向もあり、良い印象をもたれません。(坊主はいいとして)

とはいえ、私自身の意見を言えば、茶髪=不良というのはあまりにも時代遅れだと思います。今は男性もメイク・脱毛・眉毛書きをするのは当たり前の時代ですし、髪の色も個性があって良いと思います。

だからこれは、ディズニーのほうが厳しすぎるかなと思いますね。

しかしながら、清潔感のある格好というのは必要です。だってサービス業なんですから。

膝をまくりあげたり、腕まくりをしたり、首元のボタンを締めていなかったり、ジャージのチャックを開けたまま着用していたり・・・

やっぱり服装の乱れというのは、接遇と大きな関わりがあります。自分がお客様にどれだけ丁寧に接していようとも、身なりが汚ければむこうから見た印象は良いはずがありません。

服装だけでなく環境もそうですね。施設や職員の個性は大切だけど、清潔感はどんな状況であれ、サービス業には必須です。

介護業界はどうしてこうも、接遇が悪いのか?

これはもう今までさんざんnoteで述べてきたことですよね。

良い接遇ができないというのは、スタッフの働く環境が良くないんです。

なぜスタッフの働く環境が良くないのかというと、『介護保険』という国の制度で収入が決められているからです。

とはいえ・・・・

そんな中でも創意工夫して素晴らしいサービスを提供している介護施設もたくさんあります。

また、同じ環境で働くスタッフの中でも、良い接遇をするスタッフ、ご利用者から苦情ばかり受けるスタッフと違いはあります。

ディズニー(オリエンタルランド)やそのキャストが努力して良いサービスを提供しているように、私たち介護業界人も努力次第で良いサービスは提供できます。

たんに環境に愚痴を言い甘えているだけなのです。介護職は。

サポートですか・・・。人にお願いするまえに、自分が常に努力しなくては。