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アラサー心理学者、 noteを始める

「アドラー心理学」 だと思って開いていただいた方、ごめんなさい。
残念ながらアドラー心理学は専門外ですが、嫌われる勇気もほんの少しなら
持ち合わせています。どうぞ画面越しに悪口のひとつでも…。

初めてのこの記事では、私という人間についての紹介、そして、
私がnoteを使って企んでいることの二点について書いていきます。

・・・

自己紹介

はじめまして、アラサー心理学者大沼卓也(おおぬまたくや)です。

私は心理学を専門とする研究者として、大学で研究・教育に従事しています。この記事を書いている時点では、かろうじて20代のアラサー男子です。学生たちとは年齢が比較的近いためか、身近に感じてもらっている(≒ ナメられている)ようで、楽しく愉快に働いています。

以下、簡単に私の経歴をまとめます。

・1991年 山形県に生まれる(山形県は人の横顔の形をしている
・少年期の中二病的な思考をきっかけに、人間の心について興味を持つ
・大学では文学部に入学し、心理学を専攻する
・進路について悩みながらも、研究者になる夢を抱き、大学院に進学する
・胃が痛くなるような過酷な研究の日々を送る
・2018年 博士の学位を取得し、現在の大学に着任
・産業心理学ゼミを運営し、学生たちの教育と研究活動に従事している

(心理学者という変な職業を目指すに至った具体的な経緯などは、また別の機会に記事にしたいと思います。)

研究分野は、食(味やおいしさ、好み)、消費者行動、人付き合いなど、日常生活に関すること全般です。これらのテーマについて、あれこれと頭で考えるのではなく、「実験」によってデータを収集しながら科学的に研究しています。

人間という生き物は、他の動物と比べても複雑で、何とも難しい存在であるかのように思われることもあります。しかし、研究をしていていつも思うのは、人間だって意外と単純で、ちょっとしたことでその行動は変わる、ということです。そのような気づきとなる知恵、それを生み出すことが、心理学の意義の一つであると私は信じています。

—— ちょっとの工夫で世界をより良く楽しい場所にする ——

このことを理念として掲げながら、心理学の研究に取り組んでいます。

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私がnoteを使って企んでいること

さて、そんな私が何のためにnoteを使い始めるのか。その動機となる3つの企みについて説明させてください。

企み①:  心理学のおもしろい研究(論文)を正しく・わかりやすく伝えたい

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世の中の心理学への関心の高さは素直に嬉しく、私たち研究者にとっても大きな励みとなっています。試しにGoogleで「心理学」と検索してみれば、様々なwebサイト、ブログ、著書、SNSの投稿などがヒットすることからも、心理学が身近な学問として感じられていることがわかります。

しかし、
そうした関心の高さゆえか、全く根拠のない持論が「心理学」として説かれていたり、あるいは心理学の重要研究が誤って解説されているケースも、残念ながら数多く見受けられるのが現状です。

アイドルでもタレントでもバンドでも何でもいいので想像してみてください。

自分の大好きな「推し」の存在が、世間に広がり、受け入れられていく。
しかし、「推し」についての誤った情報も、あれこれと飛び交っていく。
その結果、「推し」に関するあらぬ誤解が生まれ、世間から過小評価されるようになってしまった——。

——こんなに悲しいことはないじゃない!!

こと心理学について言えば、謎の「心理学論」や誤った情報が飛び交った結果、

「心理学って、なんかうさんくさいよね」
「ナントカ効果とか言ってるけど、実際、当てはまらなくない?」
「心理学者って心読めるんでしょ?じゃあ今私は何考えてるでしょうか、ハイッ」

なんて言われちゃったりしたら、悲しすぎる(※ぜんぶ体験済み)。

以上の理由から、私の人生の推し「心理学」の本当の姿を知ってもらうべく、noteという場を借りて、科学的根拠のかたまりである研究(論文)にもとづきながら、心理学のおもしろさや醍醐味、そして知恵を、正しく・わかりやすく伝えていきたいと思います。

企み②: 自分の研究成果を社会に発信・還元したい

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世界の心理学者たちの研究だけでなく、私自身の研究についても紹介させていただくつもりです。(※上の写真は、ゼミ生たちと実施した「ゼリーの選択実験」です。詳細は別の記事で…)

というのも実は、自らの研究成果を社会に発信し還元していくことも、研究者の重要な使命なんです。

以下、まじめな文章。堅苦しいので、太字だけでも流し読んでください。

(中略)学術研究は個々の研究者、各大学等及び国がそれぞれの役割を適切に果たすことで一層推進されるものであるが、学術研究の世界はしばしばその三者で自己完結し、それを物理的・精神的に支えている一般国民の存在について十分意識してこなかった面がある。
 しかし、国民の知識レベルが格段に向上し、学術研究に期待するところもますます大きくなっている現在、これからの学術研究は国民各層の幅広い支持無くしては発展し得ない。研究者、大学等、国のそれぞれが、学術研究において得られた豊かな知的ストックを国民・社会に広く還元し、共有・継承する意識を常に持ち続けることが不可欠である。
(太字は記事制作者による)

文部科学省,研究の多様性を支える学術政策-大学等における学術研究推進戦略の構築と国による支援の在り方について-(第一次報告)(案)

身内だけで頑張っててもダメ、ということですね。

というわけで、研究者としての使命を果たすためにも、このnoteという場で私自身の研究の成果について発信していきます。特に、大まじめな論文の世界ではお見せできない、心理学の研究や実験の舞台裏についても、生々しくお伝えしていきたいと思っています。

このnoteという場には、様々なバックグラウンド、興味関心、技能を持たれた方が集まっておられます。この場で研究成果を発信することで、皆さんからの研究に対する感想・意見、反論、ニーズ、社会実装のアイデアなどをいただくことができたならば、これほど嬉しいことはありません。

企み③: 日々の学びや考え、 アイデアを共有したい

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最後の企みは、非常に単純です。私が日々の生活の中で考えたことや学んだこと、気になったアイデアを、人と共有してみたい

どれほどの価値があるかはわかりませんが、きっと「ふつうに生きる」一個人としての視点と、「人間の本質を見きわめる」心理学者としての視点が、ほどよく混ざったものとなるのではないでしょうか。

・・・

おわりに

以上、自分自身のこと、noteでの企みについてのご紹介でした。

最後に一つだけ。
私は、心理学者たちの代表といえる存在でもなければ、誰もが知っている学界の権威でもありません。プロの研究者としてのスタートを切ったばかりの、ひよっこ心理学者です(この業界でアラサーは若僧)。

だけど、いや、だからこそ。
若僧であるがゆえに抜け切らない「素人っぽさ」
すなわち「やわらかい視点・ことばで物ごとを見る・語る」ということを
何よりも大切にしながら、記事を書いていこうと思います。

多くの方に読んでいただけたら嬉しいです。

*研究者としての経歴・業績の全容は、下記の大まじめなポータルサイトにて。


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