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『命の日』

10月12日が来るたびに
私は1人の同級生を思い出す。


彼はS君。
高校時代の同級生だ。


平成14年10月13日にインドネシアの
バリ島で爆破テロがあった。


前年度の9月11日にアメリカで
同時多発テロがあり、同一犯の仕業か?
と話題になっていた。

うわ〜怖い事件やなぁと思っていた。

次の日、学校で
「アークンはこの学校の3期卒業か?」
と聞かれた。

「はい、それがどうしましたか?」
と聞くと、

「昨日のバリ島のテロに君の同級生の
S君が巻き込まれたらしいわ」
と教えられた。

名前を確認すると、
1年生時のクラスメイトだとわかった。


一瞬、頭が真っ白になり
「えっ??」
と言ったあと、言葉にならなかった。


テロによりS君が行方不明になって
卒業した学校を調べて
卒業アルバムを見せてほしいと
マスコミから要請を受けたそうだ。


TVで確認すると
S君は結婚して奥さんと新婚旅行で
バリ島に行ったそうだ。
そこで、運悪くテロにあったという。


運で片づけられないが、
なんでS君が……としか言えない。


行方不明と出ていたが、
数日後、死亡の文字に変わっていた。
TVを見て愕然とした。
言葉にならない。


学生時代、学校帰りに
寄り道したこと。
体育の柔道の時間に
勝負を挑まれて背負い投げで
投げたことが頭の中に映像として
グルグル流れてきた。


テロや戦争では
たくさんの命が失われる。


S君にも家族や仕事場の人間関係や
私たちのように学生時代の友達がいる。


その繋がりを一瞬にして
ぶった切られる。
そんな権利は誰にもないはずだ。


私たちは、事故に遭うことや
思いもかけない病気になることもある。
その結果、早くに亡くなる命もある。


だが、戦争やテロは
まだ生きれる命を
突然に奪われてしまう。
それは残念すぎる。


10月12日が来ると
いつもS君を思い出す。


そして、自分の命も他人の命も
同時に大切にできる自分でありたい
といつも強く思う。


私にとっては10月12日は『命の日』。
命について考える日でありたい。


ちょっと重い話しですみませんでした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。


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